戦後世界経済史 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
問題を未然に防ぐことが出来ない、発生してしまった問題を解決できないという点において、経済学には大きな疑念がある。 前者はバブル、後者は氷河期問題やアベノミクスのトリクルダウンが代表的である。 起こってしまったことを説明できても、解決することはできない学問を実学として扱ってよいのか。説明は後知恵なので、無責任になんとでもいえる。解釈次第で変わる。文学となにが違うというのか。 本書は経済学が経済史になしえたことを語っていない。失敗例としてマルクスとケインズを少し取り上げるのみ。 1929年の世界恐慌と2007年のサブプライム問題を比較して、経済学は成長したなどと著者は評しているが、発生を防ぐことは出来なかったし、派生した問題を根本的に解決することも出来なかった。評する態度としても、自らが取り扱う経済という題材に対して他人事すぎる。 経済学がやっていることは自然の観察と変わらず、唱える説は非常に限定的かつ根本的な誤りが含まれているモデルによるものだ。実社会に適用するにはあまりにも幼い理論だという印象が拭い得ない。 本書は戦後の世界経済史を語るもので、俯瞰して読める点はありがたい。世界経済を知ると、開国以降の日本はなんだかんだいってもうまくやってきたのだと思わざるを得ない。世界に散見される独裁者国家や社会主義国家の様をみればなおさらに。WW2の見方も変わった。 しかし、前述のように語られていないと感じられるものがあり、その理由が不明のため、鵜呑みには出来ないという懸念がある。 環境問題に対して慎重な態度を取っていることは好ましいとしても、経済学というものに抱かされてしまった不信感を払拭できるほどのものではない。 p.72 第二章第1節 新しい秩序の模索 IMFの設立理由と役割を果たしたという論とその根拠が示されている。 p.207 "第二次世界大戦中、アフリカをはじめ列強の統治下にあった国々では、多くの人々が海外の戦争に徴兵され兵器産業をはじめとする戦争関連の工業労働者として徴用されていた。戦争が終わるとこうしたアフリカ兵たちは帰還して失業したにもかかわらず、社会保障制度の保護を受けることができなかった。この不満とナショナリズムが結び付いた。" ブリカスの罪、とどまるところをしらず。世界史を知れば知るほど。 p.309 "(ベネズエラ)政府が一九七六年に石油産業を国有化して以来、石油産業の雇用と所得は急増したが、原油産出量は大きく低下した。" 現象は書かれているが、因果関係が書かれていない。過去の事例を分析しているのだから、そこを書かないと話にならないのでは。 p.321 " 一九六〇年代初頭、オランダの経済学者ヤン・ティンベルゲンは、「共産主義経済と自由経済は収斂パターンを示すか」という論文を書き、その肯定的な結論は広く専門家たちの注目を集めた。ティンベルゲンは後にノーベル経済学賞を受けるほどの立派な業績を残した経済学者であったが、彼の「収斂理論」に対して歴史は一応、逆の裁断を下したといえる。" この発言は「ノーベル経済学賞」の素性を知っていてのことだろうか。一読して素かアイロニーかと疑ったが、写経してみるとジェラシーの匂いがする。してみれば、素性を疑っていなかったか、疑うことを許されなかったか。権威がそれしかないがゆえに。
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用語の解説が少ないため経済学を知らない人は理解が難しいと思う。AIと対話しながら噛み砕いて理解していくのがいいと思う。 最初は節ごとの関連性がわからなかったが、用語や文章の意味を調べていくと最後に全部話がつながっていて感動。 西ドイツの通貨危機と通貨改革→ブレトンウッズ体制下での...
用語の解説が少ないため経済学を知らない人は理解が難しいと思う。AIと対話しながら噛み砕いて理解していくのがいいと思う。 最初は節ごとの関連性がわからなかったが、用語や文章の意味を調べていくと最後に全部話がつながっていて感動。 西ドイツの通貨危機と通貨改革→ブレトンウッズ体制下でのドイツの動き→日米貿易摩擦によるアメリカ経済の衰退→ケインズ政策によるアメリカ経済の活性化→固定相場制によるジレンマ→固定相場制の崩壊、まで自分で振り返ると綺麗に繋がりめちゃくちゃ面白い。
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戦後世界経済史を経済学の発展、共生関係を螺旋階段のように描写している。戦争に至る大恐慌、マーシャルプランや朝鮮戦争の復興/有効需要の必要性、高度経済成長、オイルショック。スタグフレーションとマネタリスト、冷戦体制の崩壊、各種金融危機と中央銀行のより包括的な市場へのアプローチ。
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2009年に出版された本です。 全体としてみると人間社会は良くなっているのかな、と思いました。 自由と平等の観点から、という副題のとおり、自由が行き過ぎれば平等が損なわれ、平等が行き過ぎれば自由が損なわれれるという感じなので、どのようにバランスをとるのか、というのが問題だと思いま...
2009年に出版された本です。 全体としてみると人間社会は良くなっているのかな、と思いました。 自由と平等の観点から、という副題のとおり、自由が行き過ぎれば平等が損なわれ、平等が行き過ぎれば自由が損なわれれるという感じなので、どのようにバランスをとるのか、というのが問題だと思いました。 市場で価格が決まる、ということがとても大事なことだとわかりました。
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取り扱う題材の範囲が広い本は、初学者が概要を把握するために詳細を省いたものと、習熟者が効率よく復習するために詳細を省いたものがあるが、本書は後者。 いくら戦後に絞ると行っても、世界の60年を新書一冊で語るのが難しいのは当然。因果関係が見えにくい政治と経済においてはさらに難易度が上...
取り扱う題材の範囲が広い本は、初学者が概要を把握するために詳細を省いたものと、習熟者が効率よく復習するために詳細を省いたものがあるが、本書は後者。 いくら戦後に絞ると行っても、世界の60年を新書一冊で語るのが難しいのは当然。因果関係が見えにくい政治と経済においてはさらに難易度が上がる。 例えばモルゲンソープランが東西対立の一因であったとかマーシャルプランが欧州を救ったみたいな、経済政策がストーリーを作ったと明確に語られるわけではないのだが、そもそも歴史をストーリー抜きで理解するのは難しい。 であれば、間違っている前提として乱暴なストーリーで概要を把握しつつ、その後各要素について詳細を抑えるのが良いだろう。 その意味で本書は、アルゼンチンやフランスの内情といった馴染みにくい部分の詳細は他に任せ、戦後日本の猛追や社会主義経済各国の没落、東アジアの成功とアフリカ大陸の停滞といったわかりやすい流れを抑えるには悪くないだろう。 ただし、間違っているという前提を忘れてしまっては痛い目を見るかもしれないので注意が必要。
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タイトルの通り、時間的には第二次大戦終戦から現在まで、空間的には米欧、日本、アジア、ソ連(ロシア)・東欧、アフリカ、南米まで全世界をカバーし、経済史を鳥瞰する試み。 著者自身、はじめに断っているように、厳密な通史の形はとっていませんが、わずか350頁ほどの新書で、これだけの広い範...
タイトルの通り、時間的には第二次大戦終戦から現在まで、空間的には米欧、日本、アジア、ソ連(ロシア)・東欧、アフリカ、南米まで全世界をカバーし、経済史を鳥瞰する試み。 著者自身、はじめに断っているように、厳密な通史の形はとっていませんが、わずか350頁ほどの新書で、これだけの広い範囲に亘る経済の変遷のイメージを大掴みできるだけのクオリティがあります。 あまりに対象範囲が広いので感想を書くのもなかなか難しいところですが、特に印象に残ったところをピックアップすると以下2点。 戦後、ソ連・東欧、中国をはじめ、世界中の多くの国・地域で計画経済を運営しようとの試みが実行されたが、全て失敗に終わった。 最終的にはソ連邦解体やベルリンの壁崩壊により終焉を迎えるが、それよりもずっと前の段階で破綻をきたしていた。 その根本的原因は、経済とは本質的に不確実なものであり、中央の計画当局がそれをコントロールすることは不可能であったということに尽きる。 現場の人間しか分かり得ない個別具体的な知識を中央当局は知り得ず、適切な資源配分は不可能となり、配分は政治的に決定される。 現場の個別具体的な知識を「価格」を媒介にして情報流通させるのが「市場」の役割であり、その意味で市場経済は万能ではないものの、計画経済に勝る理由があったのです。 もう一点。 現在、ドルの地位低下、基軸通貨としての資格喪失を論じるのがトレンドとなっています。 米国の、イラク戦争開戦を巡る横暴的な姿勢やサブプライム危機を招いた行き過ぎた金融資本主義に対する批判から、米ドルの地位低下を「ざまあみろ」的に歓迎する空気がどこか漂っている印象があります。 が、こうして歴史を振り返ってみると、戦後復興(とりわけ欧州復興)に果たした米国の役割は多大だった(マーシャルプランなど)。 また、米国は、意図的に適度な輸入超過を作ることで、諸国のドル不足を防ぐという、基軸通貨国としての責任を果たしてきた(もちろんそれを常に完璧にこなしてきたわけではなく、それゆえプレトンウッズ体制は崩れていったわけですが)。 そうした大きな役割を担うことで、米国自身見返りとしての覇権を得てきたわけではありますが、基軸通貨国の責任とはきわめて重いものであり、米国が凋落したとして、その代りを誰が担えるのか? 米国を嗤えば済むという単純なものではないということです。
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新書本ながら小さな文字で約380ページにわたり戦後の世界経済史について簡潔にまとめた本。戦後を10~20年ごと区切り、各地域を網羅しつつ、機械的にではなく適当なテーマを設定しつつ、わかりやすくまとめられている。私も大学で経済を学んだことがあるが、世界経済史については、さまざまな多...
新書本ながら小さな文字で約380ページにわたり戦後の世界経済史について簡潔にまとめた本。戦後を10~20年ごと区切り、各地域を網羅しつつ、機械的にではなく適当なテーマを設定しつつ、わかりやすくまとめられている。私も大学で経済を学んだことがあるが、世界経済史については、さまざまな多数の書籍・文献を読んだ(読まされた)経験があり、苦労した思い出があるが、この本は、とてもわかりやすく、大事なところをうまくまとめていると思う。特に、全世界がほぼ網羅され旧社会主義国、東南アジア、アフリカまで言及されておりとても勉強になった。著者がむすびで述べている、「政治的安定、私的所有権の確立、法の支配が、経済的に豊かな社会の基本的前提となる。」が、この本における結論であろう。いずれにしても、戦後世界経済史の教科書といえる名著であると思う。
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戦後経済史のまとめ。東側の復興についてはよう知らんかったのでありがたい。ハンガリー動乱に至る同期が政治的なモノだけでなく経済的なものもあったとは。副題の「自由と平等の視点から」は今後も重い命題
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戦後世界経済学史と勘違いして、気合を入れて読んでいたら、よくみたら戦後世界経済史だった。網羅的に書かれていて、新書の割にはページ数も多かったのだが、読みやすかった。社会主義的、計画経済的な体制なり政策は失敗するということが戦後世界各地で多く見られたと言うのが総括だろうか。
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戦後の世界の経済がいっきに判る気がする。難しい話なのだが、意外とすいすい読めた。この後も、世界の経済は激変してきているが、これまでの流れを知る上でも良い。
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