女生徒 の商品レビュー
今まで太宰治はじ「走れメロス」しか読んだことがありませんでした。 ある企画のすすめでこの本を知り、読んでみたのですが…太宰治の印象ががらりと変わりました。 かわったというより増えました。こんな話を書く人なのね!と! 引用した文は表題の「女生徒」からのものです。 女生徒もすごく好...
今まで太宰治はじ「走れメロス」しか読んだことがありませんでした。 ある企画のすすめでこの本を知り、読んでみたのですが…太宰治の印象ががらりと変わりました。 かわったというより増えました。こんな話を書く人なのね!と! 引用した文は表題の「女生徒」からのものです。 女生徒もすごく好きですし、きりぎりすも、うおおおんと鳴きたくなりました。 男の人が書く女の人は、大抵くるめこまれたもののような気がしますが、この文たちは太宰治が女になって書いたんだなあと思います。 稚拙でアホで叶いようのない願いなのかもしれませんが、みんなを愛したい。と言葉に出来ることの美しさのようなものを感じました。
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太宰治の本をちゃんと読んだのは初めてかもしれない。 短編集で、女性の語り口調で書かれているから 少し読みにくいかな、と思ったけどそんなことなかった。 単純に面白かった。 他の小説も読んでみようかな。
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個人的には『人間失格』よりも鬱になった。鬱っていうか、恥ずかしくなる。女子高生のうちに読めて良かったです。
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なんでこんなに女心がわかっているんでしょうね。 だからもてるんですかね、太宰。 電車の座席のくだりが好き。
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太宰治が、すべて女を主人公にしてその繊細で一途なこころを書いた美しい短編集。 作家が、これほどまでに女の凛とした強さや、すこし歪んだロマンチシズムを鮮明に描き出せるのはどうしてだろう。 彼自身が、女性的な、つまり夢や空想の世界に逃避しがちで、甘い感傷を好む傾向にあったからだろうか...
太宰治が、すべて女を主人公にしてその繊細で一途なこころを書いた美しい短編集。 作家が、これほどまでに女の凛とした強さや、すこし歪んだロマンチシズムを鮮明に描き出せるのはどうしてだろう。 彼自身が、女性的な、つまり夢や空想の世界に逃避しがちで、甘い感傷を好む傾向にあったからだろうか。 読んでいて、これが「女らしさ」だな、と感じる描写がいくつも出てきてため息が出ます。
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太宰治、女性モノローグシリーズ。 昔の女学生も、今の女子高生も同じように青春を駆け抜ける。 急に笑ったり泣いたり、論理的ではなくて生理的に反応する。 そんな少女特有の可愛らしさと悪魔的な存在感は昔も今も同じかもしれない。しかし時代や社会の動きはどの少女も影響を与える。 いま...
太宰治、女性モノローグシリーズ。 昔の女学生も、今の女子高生も同じように青春を駆け抜ける。 急に笑ったり泣いたり、論理的ではなくて生理的に反応する。 そんな少女特有の可愛らしさと悪魔的な存在感は昔も今も同じかもしれない。しかし時代や社会の動きはどの少女も影響を与える。 いまどきの女学生はきっと不思議な行動だと想うかもしれないが、大人のオバさんになったときに分かることもある。 そしてオバさんの中の「こころは乙女」もあるんだよ。 太宰という人はホント女殺しです。
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青空文庫で『女生徒』を読み、 太宰治があまりに女心を理解していることに驚いたので、 表題作として含む短編集を購入。 ○女生徒 ◎皮膚と心 ○きりぎりす 女は、やっぱり、駄目なものなのね。女のうちでも、私という女ひと りが、だめなのかも知れませんけれども、つく...
青空文庫で『女生徒』を読み、 太宰治があまりに女心を理解していることに驚いたので、 表題作として含む短編集を購入。 ○女生徒 ◎皮膚と心 ○きりぎりす 女は、やっぱり、駄目なものなのね。女のうちでも、私という女ひと りが、だめなのかも知れませんけれども、つくづく私は、自分を駄目 だと思います。そう言いながらも、また、心の隅で、それでもどこか 一ついいところがあるのだと、自分をたのみにしている頑固なもの が、根強く黒く、わだかまって居るような気がして、いよいよ自分 が、わからなくなります。私は、いま、自分の頭に錆びた鍋でも被っ ているような、とっても重くるしい、やり切れないものを感じて居り ます。私は、きっと、頭が悪いのです。本当に、頭が悪いのです。も う、来年は、十九です。私は、子供ではありません。 -『千代女』冒頭より 彼には女性的な部分が多分にあるのでしょう。 ただ単なる客観的な考察だけならばこれらの小説は書けない。 女性とは、男性とはなんですか? 一般的なイメージ、男らしさ・女らしさからは逸脱する部分、 いわゆるジェンダー(社会的な性)と異なる自分・・・ よくわかりません あなたにもあるでしょう?
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少女口調。メルヘン。 文章上手すぎ。 太宰治はほんと尊敬する。 『桜桃』が分かればもう大人だね!
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最後の「私は、王子さまのいないシンデレラ姫。」が凄く好き。 私の中の少女・女性はこんな感じで、それは私自身でもある。どの作品も面白かった。
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女性の視点を女性よりも理解しているように書かれている作品。 とてもやるせない思いをする十代後半の女心をこと細やかに書いています。 とても素敵な文体です。
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