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夜をゆく飛行機 の商品レビュー

3.5

64件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

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2012/10/02

飛行機に乗ったことがなくても、 大空高くを飛ぶ飛行機を数え、 願い事を心の中でとなえる。 そんな、なんでもない、ほんの小さなくせや習慣の日常を、 大きく切り取ったおはなし。

Posted byブクログ

2012/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

角田光代さんの作品は、だいたいにしてオチがない。だからこそ、リアルなんだと思う。 この作品も、酒屋を営む家族のどたばたで、そのまま余韻を残して終わっている。 小説ではイベントともいえる事件や、なんだか誰かの生き方をかえてしまいそうな出来事がない。 常にざわざわ波が押し寄せる、そんな感じ。 山場がないかわりに、山場まで持たせるエピソードもない。言い換えれば、どの場面も何の伏線でもない。だから楽しい。 小さな出来事や、誰かのつぶやいたセリフ、そういう所から、何かに置き換えられそうなものを救いあげてる。 どこかにいそうな、騒がしい家族の内側を覗き見してしまった気分。 虚しいようで、読み終わるとなぜだかほっこりする。

Posted byブクログ

2012/05/15

4姉妹の末っ子である主人公が、あまり真面目ではなく、のらりくらりと生きているところが角田先生らしい小説だと思う。「好きになってくれたから好きになる」というのは違うなと、この本を読んで勝手に決めつけてます。

Posted byブクログ

2012/06/08

2つのことを感じ取った。幸せな中での孤独感と、ゆるやかな変化と成長。 母親は専業主婦でいつ帰っても、いつも家にいてごはんを作ってくれて、父親もちゃんと毎日帰ってくる。兄弟もいる。私の子供の頃はそんな感じだった。子供にしてみれば恵まれた環境と言えるのだろう。でもそんな中でも時折孤...

2つのことを感じ取った。幸せな中での孤独感と、ゆるやかな変化と成長。 母親は専業主婦でいつ帰っても、いつも家にいてごはんを作ってくれて、父親もちゃんと毎日帰ってくる。兄弟もいる。私の子供の頃はそんな感じだった。子供にしてみれば恵まれた環境と言えるのだろう。でもそんな中でも時折孤独を感じることがあった。それは、たまたま帰った時に家人がいない場合や、何かの拍子に静かな一瞬が訪れたりした時である。急に一人ぼっちで世界全体と向き合うような感じになる。遠近感とかも何かおかしくなって、近くにあるものを妙に大きく感じたりとか… あの感覚は何だったんだろう。『夜をゆく飛行機』を読んで思い出したのは、そんな懐かしい感覚だった。里々子に時折訪れる孤独の感覚は私にはとてもなじみのあるものだった。 他の姉達だったり親だったり親戚に起こる出来事や会話でこの小説はできている。自分のことを振り返った時に、私の世界もとても身近な人による会話や出来事でかなりの部分が埋まっていたのではないかと何となく思いながら読んでいた。そして、自分と近しい家族とのつながりを感じるのはまさにお葬式の時なのである。ミハルちゃんが亡くなった後の時間をやり過ごす場面の感覚も、自分にはとてもわかるものだった。こういう感じを書いてくれる作家がいるのだなと嬉しくなる。 そして、訪れる里々子への変化。ぴょん吉のことを忘れていたことに気づくところ。何かを忘れて、新しいことへ踏み出す。激動の人生を送っていないという自覚がある私のような者からすれば、こういうささやかな出来事はどれも愛おしい。 折にふれて、いろんな場面を思い出したい小説。家族にもすすめてみようかな。

Posted byブクログ

2012/02/15

谷島酒店の家族の日々を描いた物語。 家族モノだからほのぼのとした作品になるのかと思いきや、一筋縄ではいかないのが角田光代の小説。 家族だからといって、全部が全部受け入れられるわけではない。 でも、家族にしか共有できない思いもある。 どんな家族も平凡なようであり、本当にいろんなこ...

谷島酒店の家族の日々を描いた物語。 家族モノだからほのぼのとした作品になるのかと思いきや、一筋縄ではいかないのが角田光代の小説。 家族だからといって、全部が全部受け入れられるわけではない。 でも、家族にしか共有できない思いもある。 どんな家族も平凡なようであり、本当にいろんなことが起こっているのだと感じた。

Posted byブクログ

2012/01/24

相変わらず、人間の持つ嫌なところやいい加減な部分を描くのがうまい人だなあと思う。 家族の距離感や関係性も気持ち悪いくらいリアリティがあって、登場人物たちの魅力が全然ないはずなのに、読んだ後に「なんだか素敵な話だな」と思ってしまった。

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2012/01/19

怜二の言った「世の中ってきちんと型にはまるようなことだけじゃないよ」という言葉が心から離れない。 幸せになることが幸せなのか。 空想というものもまたその人にとっての現実なのか。 自分なりの矜持を見てもらえたことが一番の幸せなら、幸せになることに頑張る必要なんてないのかなと思った...

怜二の言った「世の中ってきちんと型にはまるようなことだけじゃないよ」という言葉が心から離れない。 幸せになることが幸せなのか。 空想というものもまたその人にとっての現実なのか。 自分なりの矜持を見てもらえたことが一番の幸せなら、幸せになることに頑張る必要なんてないのかなと思ったり。 実在しない人の物語が読みたい。その気持ちは僕にはなかったもので、そういう気持ちをこれからは大切にしていこうと思いました

Posted byブクログ

2011/12/31

~111230 生きていくことは、戻れないことに気付くことでもある。そうやって尊いものに気付いていくんじゃないかなと思います。家族であることは変わらないけど、家族の形は変わっていく。そういう切なさと無常さを感じました。

Posted byブクログ

2011/12/11

酒屋を営む普通の家族のstory。 4人の娘をはじめ、みんな個性豊か。 家族は、色鉛筆やクレヨンのようにひと箱には入っているけれど、開けてみれば、夫々は夫々自分の色を持っている、そんなことを思わせるお話しでした。

Posted byブクログ

2011/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

谷島酒店の四姉妹の物語。日本のどこかにこんな家族本当にいるだろうな~と、思わせる角田さんのキャラ設定は面白い。物語自体は特に大きな事件もなく、日常が過ぎてゆくだけなのだが、世の中に不変なものはないって思うとちょっと切なくなった。

Posted byブクログ