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10万年の世界経済史(上) の商品レビュー

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30件のお客様レビュー

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2010/05/23

産業革命以前の世界経済を描いた上巻。 産業革命以前の「マルサス経済」は我々日本人にとって他人事ではない。 経済成長の無い世界では人口量だけが一人当たりの豊かさに関係する。 ここ数年まるで成長しない日本経済と減る一方の人口。 まるでマルサス経済学の世界である。 ...

産業革命以前の世界経済を描いた上巻。 産業革命以前の「マルサス経済」は我々日本人にとって他人事ではない。 経済成長の無い世界では人口量だけが一人当たりの豊かさに関係する。 ここ数年まるで成長しない日本経済と減る一方の人口。 まるでマルサス経済学の世界である。 自らの使命を知らぬ者に奨める。

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2010/03/22

2010/03/22 「タイトル買い」。新石器時代から産業革命まで世界人口1人当たり所得の変化がほとんどなかったという事実はまことに興味深い。「どこで調べたの、こんな数字」って驚くくらいデータによる仮説検証もしっかりしている。が、いかんせん文章が冗長で、読んでると眠くなるのが難...

2010/03/22 「タイトル買い」。新石器時代から産業革命まで世界人口1人当たり所得の変化がほとんどなかったという事実はまことに興味深い。「どこで調べたの、こんな数字」って驚くくらいデータによる仮説検証もしっかりしている。が、いかんせん文章が冗長で、読んでると眠くなるのが難点。

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2010/02/24

言いたいことは非常に少ないがそれなりに斬新(原始時代から産業革命まで、人類の生活水準は余り上っていない。富裕層の繁殖力の優位性が大きいことで文明が進歩し、英国で顕著だったことが産業革命の主因)。説得力を持たせるためにやたらとデータを引用しグラフを書くが、正直あまり説得力は増してい...

言いたいことは非常に少ないがそれなりに斬新(原始時代から産業革命まで、人類の生活水準は余り上っていない。富裕層の繁殖力の優位性が大きいことで文明が進歩し、英国で顕著だったことが産業革命の主因)。説得力を持たせるためにやたらとデータを引用しグラフを書くが、正直あまり説得力は増していないような印象。

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2010/02/21

西暦1800年までのマルサス的経済、1800年の産業革命、そしてその後の大いなる分岐の3つの時期に分けて世界経済史を眺める。ビッグ・ヒストリーの試み。こういうの大好き。 本書からわかるのは、マルサス的経済の頃は、資料が基本的に少なく、曖昧なのに理論的には理解ができる一方で、産業...

西暦1800年までのマルサス的経済、1800年の産業革命、そしてその後の大いなる分岐の3つの時期に分けて世界経済史を眺める。ビッグ・ヒストリーの試み。こういうの大好き。 本書からわかるのは、マルサス的経済の頃は、資料が基本的に少なく、曖昧なのに理論的には理解ができる一方で、産業革命以降の経済は、資料が豊富であり、理論も多数あるにもかかわらずよくわからないということだ。しかも、産業革命についても多くの謎が残る。 近代経済学や開発経済学の無能っぷりを連ねる一方で、用いられる手法はやはり経済学のものである。 大きな歴史のうねりの中で、今いるここは、どんな時代に位置づけられるのだろうか。とりあえず今、経済学が面白いことになっている。

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2010/01/02

 計量経済史という視点から、超長期の世界経済を、産業革命以前と以後に分けて論じた興味深い著作である。(日経・福田慎一:2009/12/27)

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2013/11/24

1200年〜1800年(産業革命前)の時代はマルサス的経済モデルでほぼ説明可能とのこと ・技術進歩→食料生産量が増加→所得増加→人口が増加→生産量逓減の壁(限られたパイを多い人数で分ける為)→所得低下→人口減少となり技術が進歩しても長期的には人口/(相対的な)所得は増えなかったと...

1200年〜1800年(産業革命前)の時代はマルサス的経済モデルでほぼ説明可能とのこと ・技術進歩→食料生産量が増加→所得増加→人口が増加→生産量逓減の壁(限られたパイを多い人数で分ける為)→所得低下→人口減少となり技術が進歩しても長期的には人口/(相対的な)所得は増えなかったとのこと ・ヨーロッパでは衛生観念が低かったため、病気(ペスト)や戦争などにより死亡率が高く、そのため(限られたパイを少ない人数で分ける為)1人あたりの所得は高くなったとのこと ・日本など東アジアでは衛生観念が発達していたため、死亡率が低く、そのため(限られたパイを多い人数で分ける為)1人あたりの所得は低かった(貧乏)とのこと ・日本で衛生観念が発達したのは稲作(=水に溶かした肥料を追加すれば2毛作可能)に糞便を肥料として使い、汚物が農家に売れたため  ヨーロッパは畑作(=土地を休ませる必要がある)のため、汚物はお金を払って処分するか、地下に捨てていた ・自然淘汰を勝ち抜くプロセスでは現状に満足する者は敗れ去る 「成功して幸福になるためには他人より多くの物を手に入れる必要がある」と考える嫉妬深い人々が生き残る そして現代人にその資質は受け継がれている

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2009/10/18

面白い! 今の豊かな世界になったのは産業革命からだが その前の経済は何万年もの間まったく豊かには なっていなかったことを理論的に論証している。

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2009/10/04

過去のデータを詳細に分析し、現在に至るまでどのような経済活動をしていたのか、そしてこれからどうなって行くのかを大胆に論じた経済本。 上巻・下巻と2部構成になっており、上巻では主に産業革命が起こった18〜19世紀以前の経済の動向に焦点をあてて推論を展開させている。 本書では経済の...

過去のデータを詳細に分析し、現在に至るまでどのような経済活動をしていたのか、そしてこれからどうなって行くのかを大胆に論じた経済本。 上巻・下巻と2部構成になっており、上巻では主に産業革命が起こった18〜19世紀以前の経済の動向に焦点をあてて推論を展開させている。 本書では経済の変遷を論じるにあたり、一人当たりの収入を主要な指標として時代時代の経済状況を測定しているが、そこに「マルサスの罠」という単純なるも説得力の高いメカニズムを導入して、過去の経済史がどのような因果関係で栄枯盛衰してきたかを解説している。 マルサスの罠とは、技術革新による短期的な所得の増大が人口の増加で相殺されている、というもの。 物質的生活水準が上がれば、それに伴って出生率も上がり、死亡率も低下するが、人口が増加してゆくに伴い、物質的生活水準がげらくするらしい。 産業革命が起こる1800年以前はマルサスの罠のメカニズムで物質的生活水準が向上と下落のサイクルを繰り返していた模様だが、驚くことに紀元前1000年まで遡ってみても、西暦1800年時点の個人所得額とそれほど大差が無い範囲で上下している。 西暦が始まってからのある時代では、紀元前よりも貧しい生活(物質的生活水準という意味で貧しい)をおくっていたと聞き、驚きを隠せない。 これまで人類は、多少の乱高下はあったものの着実に右肩上がりの線を描いていたと思い込んでいた私にとっては、新しい発見であり、歴史に対する興味も沸き起こってきた。 上巻では主に1800年以前の経済史の歩みが主な内容だが、下巻では1800年以降、特に産業革命がもたらした「大いなる分岐」という経済史上重大なターニングポイントと将来経済はどう変遷するのかについて書かれている。 歴史もそうであるが過去を紐解いてみるのは面白いものである。

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2009/10/04

何故産業革命はイギリスで起きたのか。産業革命が起こる前の社会と以後の社会は何が違うのか。 経済のみならず文化人類学的視点から、大きなスケールで産業革命の通説を切る名著。

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2011/08/07

上巻の初めに数ページの著者によるまとめがあり、ほぼそれで言い尽くされている感もある。1800年頃まで、効率性がほぼ一定であったのに、産業革命以降爆発的にそれが増大したのはなぜか、という内容。1500年ころから現代までの分析がほとんどで、邦題の10万年、、、はちょっと言い過ぎか(原...

上巻の初めに数ページの著者によるまとめがあり、ほぼそれで言い尽くされている感もある。1800年頃まで、効率性がほぼ一定であったのに、産業革命以降爆発的にそれが増大したのはなぜか、という内容。1500年ころから現代までの分析がほとんどで、邦題の10万年、、、はちょっと言い過ぎか(原題は A Farewell to Alms)。「豊かさ」という問題を扱っているが、統計が整備されている現代はともかく、昔の人々の豊かさをどう評価するかという試行錯誤はちょっとおもしろかった。体格の良さなのか、子供の数なのか、労働時間の短さなのか、エンゲル係数なのか。。。産業革命以前の世界では、収穫は全て土地から得られており、一人ひとりの豊かさを決定するのは人口であった。人口が増えすぎると一人一人は貧しくなるため、産児制限や間引きはどの文化でも常態化していた。著者はこれを「マルサス的世界」と呼び、この基本原則は狩猟社会(人口は極めて少なく、労働時間が短いという意味では豊かな社会)でも農耕社会でも変わらなかった。マルサス的世界は、下方移動の世界であり、社会の下層に属する人々は子孫を残せず、上層の人々も世代を経るにつれ、下層に移動する子孫の割合が多くなっていった。ただし、豊かな人たちの子孫が生き残ることにより、読み書きや計算能力が広まっっていった。また、労働時間は長くなり、社会の中の暴力も減少した。産業革命以降は土地というしがらみがなくなり、指数関数的に効率がよくなっていった。

Posted byブクログ