10万年の世界経済史(上) の商品レビュー
まだ上巻読み終わっただけだけど超絶面白い。 先進国と途上国では政策も価値観も変えなければいけないということは何となく感じてたけど、その理由を歴史的なデータを背景に説明してくれる。 著者本人も書いている通りここで書かれていることの全てが正しいというわけじゃないかもしれないけど、...
まだ上巻読み終わっただけだけど超絶面白い。 先進国と途上国では政策も価値観も変えなければいけないということは何となく感じてたけど、その理由を歴史的なデータを背景に説明してくれる。 著者本人も書いている通りここで書かれていることの全てが正しいというわけじゃないかもしれないけど、政策判断材料としてはこれで十分なんじゃないだろうか。 下巻読んだ後自分の頭でもじっくり考えたい。 久々に読んだハードカバー本。 なんで電子書籍化してくれないんだ。。。
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第1章 概論 世界経済史のあらまし 第2章 マルサス的経済の論理 第3章 生活水準 第4章 出生率 第5章 平均余命 第6章 マルサスとダーウィン 第7章 技術進歩 第8章 社会制度と経済成長 第9章 近代的な人間の登場
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なぜ産業革命がイギリスであの時期に起きたのか。 なぜ国々の間で格差が起きてしまっているのか。を解き明かそうとする本です。 アダム・スミスの否定もしています。 以下、ネタバレ多です。 ---------- 総合的に ■なぜ英国で産業革命が起きたか。 ①長期にわたる経済制度の安定 ②富裕層の出生率向上 ③富裕層の子供が下流層に下る ④下流層に知識・価値観の伝承 ⑤社会全体に知識蓄積 ⑥知識人多数により産業革命 ■マルサス的経済では生活水準と総人口は均衡状態だった ①一時的に人口が増えると一人あたりの食料が減り、人口が元の水準に戻る ②一時的に食料が増えると出生率が増加し、一人あたりの生活水準は元の水準に戻る ■盲点だったのは産業革命で恩恵を受けたのは、上流階級ではなく下流階級だったということ。確かに、上流階級の生活感は変わっていない中で下流階級の底上げが行われ、中流階級が増えている感覚が一番しっくりくる。 ■産業革命は特定の日に起きたのではなく、知識の蓄積により徐々にもたらされた。 ■現段階で国々の格差は効率性の違いしか説明できる要素がない。 ---------- 上巻 ■人間の幸福度が自分の生活の絶対的な水準で半九、他の基準的な集団と比較した相対的水準によって決まっているのは明らかだ。p38 ■産業革命前、任意の所得水準下において、ヨーロッパよりアジアの方が死亡率が低かった。(アジア人の方が所得が少なくても生きていけた)それはアジアの清潔な文化(湯船につかるなど)が関係している。p152 ■父から息子に受け継がれたおもな優位性とは、経済的な成功のノウハウなどの文化的なもの、あるいは経済的成功をもたらした父親の生来の性質という遺伝的なものだったのである。(遺産ではないと言っている)p201 ■インフレは死重損失を生む。p254 ■技能や訓練に対する報酬がもっとも多かったのは、産業革命よりずっと前の労働市場だった。p293 ---------- 下巻 ■イギリスで産業革命(工業化)が成り立ったのは、同時期にアメリカで農産物の生産性が向上し、それらの輸出入によって、工業に集中できたからでもある。p92 ■産業化以前の社会については、技術革新が起きない場合の効率性上昇率をゼロとする仮説は誤りである。生物依存的な生産体制では、ギジュて確信がなければ、同じ生産性を維持することも出来なかったのだ。p105(⇒p102) ■クズネッツ曲線の見解が違う。p136 ○一般的には 経済発展の初期には農業部門から工業部門に資金が移動して格差が拡大する一方、経済発展によって中間層が増えてくると所得再分配が行われるようになって格差が縮小する現象 ○本書では 農業部門から工業部門に資金が移動する(産業革命)すると格差が縮小する ■不平等の度合いを決定する極めて重要な要因の一つは総所得に占める労働所得の割合である。他の条件が同じならば、この割合が大きいほど、不平等の度合いが小さくなる。なぜなら、労働はすべての人間に平等に与えられるから。p139 ■豊かな国と貧しい国の所得の違い ①効率性の違い ②効率性の低い(ミスが多い)貧しい国はミスを補うため人を投入する。(人件費が安いから人の補充はコスト) ③その結果、教育されず効率性は向上しない。 ③また、生産高あたりの労働者数の割合が高いため、人件費の面での優位性は得られにくい。 ■産業革命によって生まれた新しい技術は、より大規模な分業をようするものであり、その過程でのミスは以前より許されなくなった。p268
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重厚な感じのする非常にきれいな装丁の本で、タイトルが「10万年の世界経済史」。どことなく「銃・病原菌・鉄」に近い雰囲気があり、そういう性向の持ち主には、非常に訴求力の強いパッケージである。というか、実際のところ著者もジャレド・ダイヤモンドを強く意識しているようである。しかしながら...
重厚な感じのする非常にきれいな装丁の本で、タイトルが「10万年の世界経済史」。どことなく「銃・病原菌・鉄」に近い雰囲気があり、そういう性向の持ち主には、非常に訴求力の強いパッケージである。というか、実際のところ著者もジャレド・ダイヤモンドを強く意識しているようである。しかしながら、実際のところ詳しく扱われているのは10万年ではなく、良くて紀元前、下手をすると1200年代のイギリス以来といったところ。やや誇大広告といった趣が強いかもしれない。上巻の内容は、マルサス経済学的歴史の再検討だが、実際のところ上巻をすべて掛けるほどの内容が書かれているとは思えなかった。マルサス経済学とは、基本的には、「実質所得の過剰な状態は人口増を招くため、技術の進歩は長期的な所得の増大に繋がらない」ということを論じたものである。結局のところ、マルサス経済学のモデルは、一人当たりの実質所得を、生存必要な最低の所得に追従させるようなフィードバック制御系のモデルに相当する。したがって、過去の社会がマルサス経済学モデルに従うかどうかの検証は、ゲインや入力を変化させたときに、出力が発散するかどうかの議論になるべきなのだが、どうも著者にはその辺のモデルがどのような挙動を示すかといったイメージがないらしく、的外れな議論がだらだら続くだけであった。それだけなら19世紀の経済学の議論と何ら変わるところはない。いろいろな統計的資料を集める手腕にだけは感服するが、ハーバードのPh.Dでもバカな人がいるんだなぁ、という印象しかない。
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上巻下巻のうちの、上巻。 世界経済の歴史はひとつのグラフで表せるとする。そのグラフは3つの問題を提起する。1つは、紀元前1000年前から西暦1800年までの人口一人当たりの所得、生活水準はほとんど変わっていないのはなぜか?これをマルサスの罠という。2つめは1800年を境に爆発的に...
上巻下巻のうちの、上巻。 世界経済の歴史はひとつのグラフで表せるとする。そのグラフは3つの問題を提起する。1つは、紀元前1000年前から西暦1800年までの人口一人当たりの所得、生活水準はほとんど変わっていないのはなぜか?これをマルサスの罠という。2つめは1800年を境に爆発的に伸びている国と減少している国があるが、それがイギリスで、1800年ごろの産業革命のときにはじまったのは何故か?3つめは、その結果「大いなる分岐」が起きたのはなぜか? 上巻では古代から1800年ごろの産業革命直前期までマルサスの罠(マルサス的経済モデル)とし、その論証を行っている。そのモデルは3つの仮定で表わされる。 1、各社会の出生率は物質的生活水準が上昇すれば増大する。2、各社会の死亡率は物質的生活水準の上昇にともなって減少する。3、人口の増加に伴い物質的生活水準は下落する。 この3つの過程で1800年までの経済史をぶったぎっている。 上巻で示されるのははマルサスモデルが適用できるという論証のみ。その論証も際どい。書き方もぼかしつつ(推論だから?)。マルサス経済モデルという切り口で見直すのはおもしろい視点だと思う。下巻に期待。
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本書は産業革命に軸を置き、それ以前と以後で世界経済が如何に変容したかを丁寧に解説している。重要な用語として多数登場するのが経済学者マルサスが唱えた「マルサスの罠」という思考法である。 世界経済において物質的生活水準は、人間の出生率と死亡率の二つの相関関係で全て説明できてしまうとい...
本書は産業革命に軸を置き、それ以前と以後で世界経済が如何に変容したかを丁寧に解説している。重要な用語として多数登場するのが経済学者マルサスが唱えた「マルサスの罠」という思考法である。 世界経済において物質的生活水準は、人間の出生率と死亡率の二つの相関関係で全て説明できてしまうというものだ。 つまり、出生率が死亡率を上回ると所得が減る。死亡率が出生率を上回ると所得が増える。 そしてこれらはいずれ中間点に戻り、この公式によって世界経済は常に変動が抑えられ、安定している。 というものだ。 世界経済は産業革命までこの公式から抜け出すことができなかった。 故に、題名にもあるように、10万年前から1800年の産業革命まで世界経済の生活水準はほぼ同じなのだ。狩猟採集時代から定住農耕時代に移行してもなお、人間の生活水準は相対的に変わっていないという事実は驚嘆だった。 本書では出生率、死亡率、社会制度、技術力等から、如何に産業革命まで何故世界経済が「マルサスの罠」から抜け出せなかったのか、そして何故産業革命によって世界経済が飛躍的に進歩したのか、を様々なデータを挙げて検討している。 知的好奇心に駆られる実に良い学術書である。 何より、原住民族も英国紳士も相対的には皆等しい生活水準だった(あるいは前者が後者を優越する)というのは考えもしなかった。 本書は3部構成であり、マルサスの罠、産業革命、それ以後、の3点について書かれおり、上巻はマルサスの罠を非常に詳しく記してある。 読むに当たって経済学の知識は不要なので、経済専攻じゃない人にも優しい。 新しい思考法を得るために的確な踏み台を用意してくれるので読むといいと思う。
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何が前提で何が結論なのか分かりにくい議論が多くて、通読は挫折。 興味深い指摘は多いが、その論証に納得感は少ない。 面白そうな箇所だけ拾い読みして無責任に楽しんだ。
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うーん。。そもそも冗長だし、文章も読みにくいし、更に、分析が主観的過ぎて納得出来ないし。。 それにも関わらず、みんなの評価が高いので、下巻に期待 はするものの。。。
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上巻では主に1800年までの世界を経済(特にマルサス理論)を元に読み解く。 全体としては、1800年までは、よくモデル化ができているが、1800年以降はよくわかっていないというのがひとつの結論。 しかし、1800年までが、人口数とリソース量の関係から単純なモデルで説明できている...
上巻では主に1800年までの世界を経済(特にマルサス理論)を元に読み解く。 全体としては、1800年までは、よくモデル化ができているが、1800年以降はよくわかっていないというのがひとつの結論。 しかし、1800年までが、人口数とリソース量の関係から単純なモデルで説明できているということに感動。(マルサス理論) 悪政/戦争/疫病が人間の生活の質を向上させたという皮肉には目からうろこが落ちる思い。 出生数/死亡率の推移から社会の動きを読み解く切り口の鮮やかさ 今後日本の超高齢化社会を考えると、この切り口から推論される結論はなんだろうか 過去は富むとは確かに子供を多く残すことであった。(出生数、死亡率の2つから) 現在は、富むことと子供を多く残すことは一致しない。
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上巻では、マルサスの罠という、以下のような原理を説明している。 ・各社会の出生率は、物質的生活水準が上昇すれば増大する。 ・各社会の死亡率は、物質的生活水準の上昇にともなって減少する。 ・人口の増加にともない、物質的生活水準は下落する。 ゆえに、以下のことが言える。 ・死亡率...
上巻では、マルサスの罠という、以下のような原理を説明している。 ・各社会の出生率は、物質的生活水準が上昇すれば増大する。 ・各社会の死亡率は、物質的生活水準の上昇にともなって減少する。 ・人口の増加にともない、物質的生活水準は下落する。 ゆえに、以下のことが言える。 ・死亡率曲線を上昇させる要因、たとえば戦争、病気の流行、衛生状態の悪化などは物質的生活水準の上昇をもたらした。 ・死亡率曲線を低下させる要因、たとえば医療の進歩、公衆衛生の改善、平和と治安の確保などは物質的生活水準の低下につながった。 人類が産業革命以降、どのようにしてこのマルサスの罠から抜け出ることができたかについては、下巻まで読まないといけないだろう。上巻だけだと、著者の言いたいことは理解できるが消化不良。
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