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羆撃ち の商品レビュー

4.5

24件のお客様レビュー

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2011/07/24

北海道でハンターを営む著者と、相棒の猟犬フチ。ハンターへの道のりや、獲物をしとめる様子を生々しく書く。 ハンターって、あまり身近な職業ではありません。現実離れした雰囲気があるし…。しかし著者は、凛とした姿勢でハンターへの道をまっすぐ進んでいきます。ご本人には失礼ですが、かっこいい...

北海道でハンターを営む著者と、相棒の猟犬フチ。ハンターへの道のりや、獲物をしとめる様子を生々しく書く。 ハンターって、あまり身近な職業ではありません。現実離れした雰囲気があるし…。しかし著者は、凛とした姿勢でハンターへの道をまっすぐ進んでいきます。ご本人には失礼ですが、かっこいいと思いました。 狩りのシーンはすごくリアルです。血の色が目に浮かんでくるよう。北海道の大自然を感じました。

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2011/07/09

筆者が初めて羆を撃つシーン。最初に放った弾は生まれたばかりの小熊に当たる。怒り狂い猛然と立ち上がる母熊にもライフルを向け、仕留める。その側には母親と兄弟をなくしたもう一匹の小熊が。淡々と綴られるこのシーンを受け入れることが出来るかどうかで、その人にとってのこの本の価値は決まるだろ...

筆者が初めて羆を撃つシーン。最初に放った弾は生まれたばかりの小熊に当たる。怒り狂い猛然と立ち上がる母熊にもライフルを向け、仕留める。その側には母親と兄弟をなくしたもう一匹の小熊が。淡々と綴られるこのシーンを受け入れることが出来るかどうかで、その人にとってのこの本の価値は決まるだろう。 過剰な生命賛歌、自然保護、大自然との対決、など、妙な主義主張を振りかざすことなく、猟をすることが生活そのものであり、その様子を丹念に描いていく。私にとっては良書であった。

Posted byブクログ

2011/08/31

自分の命をみつめるということは 他者の命もきちんとみつめることなんだと思わされた 例えそれが獣や草木だとしても、何かの命を奪っていること そのことを忘れてただ奪っていては、自らの命さえみつめられない 自分の命をしっかりみつめられれば、他者のいのちをみつめられる そして生態系か...

自分の命をみつめるということは 他者の命もきちんとみつめることなんだと思わされた 例えそれが獣や草木だとしても、何かの命を奪っていること そのことを忘れてただ奪っていては、自らの命さえみつめられない 自分の命をしっかりみつめられれば、他者のいのちをみつめられる そして生態系から外れることはない と思った

Posted byブクログ

2011/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

北海道の道東で実際に羆撃ちをしていた方の実体験を元に書かれたエッセイ風の小説。 私自身が歩いたことのある地域に近いこともあり、切々と感じるリアリティと、雪山の静けさ、羆への敬意と恐怖、猟犬「フチ」への信頼と愛情が伝わってくる。 こういう生活に憧れる一方、作者自身も牧場を持ち、山での生活に区切りを付ける姿が印象的。

Posted byブクログ

2010/12/26

小さな頃から父に連れられて猟に出ていた私は 成人を迎えてすぐに銃のライセンスを取り 大学卒業後は故郷の北海道でプロの猟師になった。 雪の中にテントを構えビバークを繰り返しながら 何日もかけて羆やシカたちを追う。 猟師になって2年後に猟の方法を掴んだ私は 猟犬を育てるという夢を実現...

小さな頃から父に連れられて猟に出ていた私は 成人を迎えてすぐに銃のライセンスを取り 大学卒業後は故郷の北海道でプロの猟師になった。 雪の中にテントを構えビバークを繰り返しながら 何日もかけて羆やシカたちを追う。 猟師になって2年後に猟の方法を掴んだ私は 猟犬を育てるという夢を実現するため犬探しをし 生れたばかりの雌の北海道犬、フチと出会った。 賢く忍耐強いフチはすぐに追い鳴き、止め鳴きを覚え 頼もしいパートナーとして成長する。 次にもうひとつの夢、ハンティングの本場アメリカで 腕試しをするためにプロハンター養成学校への留学を決意する。 フチを置いていかなければならなかったが 5週間に及ぶ集中講義が行われて見事17/19科目に エクセレント印をもらう。 その後インストラクターやガイドの仕事を得てアメリカに滞在するが ビザの期限が切れるため日本に戻り再びフチと共に猟に出る。 夢はさらに膨らみ、牧場経営もしたいしフチの子供も欲しい。 しかしフチの鼻に悪性のポリープが見つかってしまう。 装画:松尾たいこ 装丁:高柳雅人 日本唯一の羆ハンターである著者と猟犬フチの物語。 最初はどうして羆を殺して生活しようと思ったのかわかりませんでした。 フィクションでよく出てくるような 獲物を的としか思っていないようなハンターのイメージが強かったからか あまりいい印象を持たずに読み始めました。のですが。 ありきたりな表現ですが命と向き合う真剣さに胸を打たれます。 「ナイフを取り出しシカの腹を裂いた。その腹腔に凍えてかじかんだ両手をもぐりこませて温める。シカの最後のぬくもりが、痛いほどの熱さで両手に染み込んでくる。私はそのまましばしの間じっとしていた。最後の温もり、生命の温もりの全部を両手にもらった。」 こんな凄い文章経験してなければ絶対に書けません。 そして中盤からはフチの健気さがとても愛しい。 ペットとしての犬には可愛さしか求めていませんが 猟犬となると賢さや従順さ、忍耐強さなどが必要となり相性も大切です。 「アイヌ語で「火の女神」という意味を持つ「アペ・フチ・カムイ」から取って「フチ」と名づけた。この名前なら冬の凍えた唇でも呟ける。」 この文で泣きました。 苦境を共に乗り越えるためのパートナーとしてフチを選んだのだということが ひしひしと伝わってきます。 「大草原の少女みゆきちゃん」という家族ドキュメンタリーもあるそうなので 見てみたいのですが86年度文化庁芸術作品賞受賞って 今でも見る機会あるのかしら。

Posted byブクログ

2010/12/02

私の親世代 大学を卒業後 職業ハンターとなり 猟だけで生活を送る 獲るもの、捕らえるもの との間には 一瞬の隙も許さない 「気」があり 研ぎ澄まされた感覚をいっぱいに広げ 全人格で対峙する尊厳 が必要なのだ

Posted byブクログ

2010/08/22

ハンティングってどこが面白いんだろう、と思っていたが、ちょっとわかったような気になった。が、覚悟と代償が大きすぎる。命は奪っていない、といいわけのできるFFがぼくにはお似合いだ。

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2010/01/04

簡潔な文章で分かりやすく、その類い稀なる経験に圧倒される想いがした。命に対する畏れ、大切さ、そしてフチとの絆、筆者のタンタンとした語りにあふれている。

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2009/12/31

【ネタバレあり】 週間ブックレビューで紹介されていてとても興味を持ったので、図書館で借りて読みました。今年2冊目の熊狩猟関係の本です。 とても良かったです。 とつとつと語られる素直で読みやすい文体が筆者の人間性を表しているようでとても好感が持てました。これまで何冊も書い...

【ネタバレあり】 週間ブックレビューで紹介されていてとても興味を持ったので、図書館で借りて読みました。今年2冊目の熊狩猟関係の本です。 とても良かったです。 とつとつと語られる素直で読みやすい文体が筆者の人間性を表しているようでとても好感が持てました。これまで何冊も書いてきたかのような文体ですが、初めての著作なのですね。びっくりしました。そして、文章の端々に印象的な文が多々見られ、この筆者の表現力の豊かさに感心させられました。 今年「マタギ 矛盾なき労働と食文化」を読んだ私にとっては、すーと頭の中に入ってきて何の違和感無く、読むことができました。筆者が狩猟に魅了されるに至った経緯、そして、狩猟で食べていくんだ、これを生業としていくと決めて生活していく光景がとても克明にまた分かりやすく書かれています。 羆一頭で何十万円、鹿二頭で何万円、狸、兎・・・で年間計80万円ほどの収入で、諸経費込みで50万円で生活できるなどと書かれたくだりには狩猟を生業としている人(現在はほとんどいない)の生活 感が現れ、とても興味を覚える部分でもありました。 また、自然の中で感性、感覚が研ぎ澄まされ、自然と殺気が身についてしまったことや、狩猟で得た獲物をその場で解体し、心臓を火に炙って食べる様子なども、非常に印象に残っています。 そして、忘れてならないのは愛犬フチのことです。フチに対する筆者の愛情が溢れんばかりに表現されています。人間と犬はこんなにも互いを信頼できる関係になれるんだということに驚きを覚えました。 後書きはほんの数ページですが、その中に筆者の結婚後の生活、先に逝かれた奥さんのこと、大自然の中で生きる二人の娘さんのことなどが凝縮されていて、ちょっと泣けます。 読書期間:2009年11月中旬頃

Posted byブクログ

2009/10/28

日本唯一の羆ハンターの話。 本人が書いたノンフィクションのドキュメンタリー狩猟話でした。 事実なだけにリアリティがあってまぁ面白かったかな。 文体も癖がなくて読みやすかったです。

Posted byブクログ