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ユダヤ警官同盟(下) の商品レビュー

2.9

29件のお客様レビュー

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2010/06/09

改変歴史SFの刑事物。 ロシアとアメリカの国境地帯に、1940年からユダヤ移民の住むシトカ特別区があったという設定。(そういう計画はあったのだそうです) イスラエル建国に失敗して流れ込んで住民も含め、独特なユダヤ人社会を形成していた。 刑事マイヤー・ランツマンの住む安アパートで殺...

改変歴史SFの刑事物。 ロシアとアメリカの国境地帯に、1940年からユダヤ移民の住むシトカ特別区があったという設定。(そういう計画はあったのだそうです) イスラエル建国に失敗して流れ込んで住民も含め、独特なユダヤ人社会を形成していた。 刑事マイヤー・ランツマンの住む安アパートで殺されていた麻薬中毒の男。 じつはチェスの天才だったばかりか、正統派ユダヤ教徒のリーダー(実はロシア・マフィアでもある)一家の一人息子メンデル・シュピルマンで、少年の頃にいくつかの奇跡を起こして見せており、ユダヤの救世主と期待された存在だった。 結婚の日に失踪し、親には勘当されたような状態だったが。 ユダヤの救世主と目された人物は1990年代にいたそうで、なんと同じ名前メンデル。(もちろんマフィアではないが) 作者はユダヤ系だがアメリカ人として生まれ育ち、何の差別も受けたことはないという。こういう濃い世界は自分の物ではないらしいが、親戚として興味はあったのでしょうか? ランツマンは事件捜査の過程で、事故死した妹に関連があったことを知る。 居留地の中にあるアヤシイ療養所に乗り込み、縛り付けられたベッドごと逃走のアクションシーンに。うつ状態から回復していく。 別れた妻ビーナとは結婚前に5年同棲したという長い仲で、離婚はしたものの、いちいちランツマンに対応してくれる。 ランツマンの伯父ヘルツはかっては敏腕の警察官、もっとも汚職とも縁が切れず、新聞報道されて失職している。 その息子で従弟のベルコは熊のような大男。母親は熊を名乗る家系の先住民。 何か知っていると伯父の暮らす居留地を訪ねると… 映画にもなりそうな波乱の展開でエンタテインメント性も高い。 著者は1963年ワシントン生まれ。

Posted byブクログ

2010/04/10

一気によみましたが、最後があっけない気がしました。こういった特定の人種の宗教がらみの話は、どうも心から読んだーって言う気がしません。上っ面の話だけを読んだだけのような気がして...多分いろいろわかった上で読むとさらに楽しめるんだろうな!

Posted byブクログ

2010/04/04

自分の常識と知識がなさすぎて、あとがき読んでから読めばよかったとおもった笑 あと上巻もちゃんと読んどけばよかったよね、うん

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2010/03/20

歴史改変 SF ? ミステリー? ハードボイルド? 悶々とした暗い話が、 スローペースで鬱々と続く。 ユダヤ、 それとチェスについての知識がある程度無いと、 非常にわかり辛い小説である。 コーエン兄弟による、 映画化の話があるらしい。 2007 年ネビュラ賞長篇小説部門受...

歴史改変 SF ? ミステリー? ハードボイルド? 悶々とした暗い話が、 スローペースで鬱々と続く。 ユダヤ、 それとチェスについての知識がある程度無いと、 非常にわかり辛い小説である。 コーエン兄弟による、 映画化の話があるらしい。 2007 年ネビュラ賞長篇小説部門受賞作品。 2008 年ローカス賞 SF 長篇部門受賞作品。 2008 年ヒューゴー賞長編小説部門受賞作品。 何とトリプルクラウン。 SF 系で評価されるのが、 私にはよくわかりません。

Posted byブクログ

2011/12/31

ジャンルとしてのSF小説はほとんど読んだことがないので、どう評価してよいのか分かりませんが、刑事小説、あるいはハードボイルドとしては普通の作品だと思います。背景となるユダヤ人社会についての知識がもっとあれば、楽しめたのかもしれません。

Posted byブクログ

2010/01/02

SF、ハードボイルド、宗教問題まで、いろいろと盛りだくさん。会話も面白く、展開が早くてついて行けない処も、、、そして、ディアスポラの力。

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2009/12/27

SF的なところと言えばパラレルワールドのアラスカシトカ区.チェスの天才でかつてはユダヤの救世主ではないかと言われていたヘロイン中毒者の殺人事件.ユダヤ系のランツマンはベルコと独自の捜査を続ける.ランツマンの上司で別れた元妻のビーナもはつらつとした良い味を出している.

Posted byブクログ

2013/03/11

「今年のミステリベスト1を『ミレニアム』と争うこと間違いなし」という評に期待して読んだ。おまけにヒューゴー・ローカス・ネビュラのSF3賞受賞だというじゃないか。帯には「ハードボイルド」という惹句もある。はてさていったいどんな話なのか。 読み終わっての感想は、どこがSF?確かに歴...

「今年のミステリベスト1を『ミレニアム』と争うこと間違いなし」という評に期待して読んだ。おまけにヒューゴー・ローカス・ネビュラのSF3賞受賞だというじゃないか。帯には「ハードボイルド」という惹句もある。はてさていったいどんな話なのか。 読み終わっての感想は、どこがSF?確かに歴史改変ものではあるけれど私の考えるSFではないよ。 ただ、あとがきを読むと、ユダヤ人という存在に関する思考実験として評価されているようだ。それは日本人にはわからんのじゃあないかな。 私としては主人公のダメ男ぶりとか、そうならざるを得なかったつらい出来事の引き受け方とか、一筋縄ではいかない登場人物達による丁々発止の言葉のやりとりとかがとてもおもしろかった。でも結末はちょっと??なんかすっきりしないんですけど。

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2011/08/09

上巻とはがらりと変わって、話が動き始める。 事件の謎を追い始めるランツマン。その動きのあちこちに上巻で語られた「ユダヤ」が絡んでくる。 苦痛ではあったけれど、それでもあれは必要だったのだと思う。 それでもすんなり理解できるわけではないけれど、馴染のない世界を進む手掛かりにはなって...

上巻とはがらりと変わって、話が動き始める。 事件の謎を追い始めるランツマン。その動きのあちこちに上巻で語られた「ユダヤ」が絡んでくる。 苦痛ではあったけれど、それでもあれは必要だったのだと思う。 それでもすんなり理解できるわけではないけれど、馴染のない世界を進む手掛かりにはなってくれている。 架空の都市が舞台とはいえ、かなり心配になる展開にもなっていて…、ランツマンの暴走振りと相まってはらはらしてしまった。 純文学で、SFで、ハードボイルドで。なんとも不思議な味わいのある作品だった。

Posted byブクログ