るり姉 の商品レビュー

椰月美智子【著】

2013/02/18

恋人でも、片想いの相手でも、家族でも、
親友でも、近所のおじさんやおばさんでも。
大好きなひとがいるって、とても幸せなこと。

『るり姉』というタイトルですが、るり姉の物語ではなくて
るり姉という太陽の周りを、離れがたくぐるぐる廻る惑星のような
姪っ子三姉妹と、実の姉と、夫の物語です。

無邪気で、天然で、感激屋のるり姉を、みんなが好きでたまらない。
でも、その「好き」の伝え方が、姪っ子三姉妹でいえば

しっかり者の長女は、るり姉好みの言葉をカードに綴って送ること。
天邪鬼な次女は、「腐った赤キャベツ色の髪」を「ばかだね」と叱ってもらうこと。
天真爛漫な三女は、るり姉にかかれば魚も空を飛ぶと信じ、ひたすら甘えること。

というふうに全く違っていて、
そこにひとりひとりの個性が透けて見えるのが、とてもいいのです。

精神科病院に勤め、患者の「茅ヶ崎ヒューヒュー」が仕掛ける意地悪と戦い
『花とゆめ』を読み、時々はこっそりアニメイトに寄り道することで疲れを癒す
三姉妹の母で、るり姉の実の姉であるけい子や
結婚した今でもるり姉にゾッコンで、彼女のためなら
大好きな龍や鷹の刺繍が目に眩しいヤンキー服も、涙ながらに捨てる
二度目の夫のカイカイも、駄目さ加減がかえっていとおしい。

そして、みんなの太陽だったるり姉が放つ光を、病魔が翳らせたとき
惑星のように光を受ける一方だった彼らが
プライドも拘りも、年頃の反抗心も、すべてかなぐり捨て
なんとか自分なりに輝いて、るり姉の希望の光となろうとする姿に胸が熱くなります。

その人に何か起こったとき、奇跡を起こしてでも助けたいと思う。
そんな誰かを心の支えにして、誰もが生きている。
大切だと思える人がいる幸せを忘れそうになったら、読み返したい本です。

2013/02/04

ふわっと雰囲気を楽しみながら読む本。もっと深いのかなとちょっと身構えていたのでいい意味で裏切られ、幸せな気分で読了。いまの私の気分にはぴったりな感じでした。

るり姉の降り注ぐような愛情とそれを囲むそれぞれの、るり姉への愛情。年齢や立場でかたちは違えど、それぞれの想いが伝わってほのぼのした。

2013/01/19

るり姉の姪っ子３人、旦那のカイカイ、そして姪っ子たちの母親の５人の目を通して、るり姉の人となりが語られていきます。

長女でしっかりものの「さつき」。
次女で思春期真っ只中の「みやこ」。
三女でバレーボール娘の「みのり」。
なんだかんだあっても、仲が良く素直な娘たちです。
お母さんの妹である、るり姉が大好き。

旦那のカイカイは、るりと過ごせる日々をすごく幸せと感じています。
幸せすぎる怖ささえ感じ、神様に、
「幸せじゃなくていいです。どうか、普通でいられますように。」と、願います。
なんとも言えず、うるっとしてしまいます。

誰かといられる幸せ。日常の幸せ。家族で笑い合えるありがたさをひしひしと感じました。

2012/12/27

自由で自然体の明るいるり姉を取り巻く人々がそれぞれ語るるり姉とのエピソードが、ほのぼのとして、一人一人が少しずつ成長していく姿が微笑ましい。ところで、こういう犬ってどうしようもないけど、何故かかわいいのよね。

2012/12/14

叔母、妹、妻としての"るり姉"。姪、姉、夫それぞれの口から彼女との生活や思い出が語られていく。一緒の時間を過ごしていても皆それぞれの感情があって面白い。初っ端、姪のさつきの語る"るり姉"は、癌が見つかり次第に消耗していく姿を克明に描いていて悲しい。かたや夫のカイカイとの生活は明るく温かい。そして最後の数ページで幸せ気分一杯になります♡

2012/12/01

「るり姉」を取り巻く家族の一人一人が短編の語り部となり、時系列もバラバラに「るり姉」や自分について語る。そして最後はまさかの大どんでん返しのハッピーエンド。読み終わってほんわかとはした。

2012/11/04

進学の記念に高額の図書券を気前よくくれる叔母、るり姉は、３人の姪たちをかわいがり、いつも楽しくさせてくれる。
髪を染め、生きにくそうな年頃のみやこをあたたかく見守る。
先輩のお母さんのキングママがかっこいい。
そのるり姉が入院した！
るり姉の夫のカイカイもいい感じ。
ほっこりする、あたたかい作品。

2012/10/31

ビブリオバトルで紹介されていて読みました。
さらっと読みやすいです。深く考えて読むより、雰囲気をそのまま味わいながら読むのだと思いました。何気ない事の素晴らしさが沢山あると思います。
一休みに読むような、気持ちが休まる一冊だと思います。

2012/10/19

あっという間に読み終える。
大人の私にはちょっと物足りないと思えるところもあるけど、
明るいラスト、明るいるり姉をこの話に出てくる
３姉妹位の年齢の人に読んでもらったらいいなあと思う。
いいことも悪いこともたくさんある人生だけど、
心の底で明るいほうを向いていける人がたくさんいれば
この世は良い思い出を作る場所となると思う。

2012/10/19

るり姉は現実にいそうでいないかな～読みやすくあっというまだった。
2012.10.19