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花妖譚 の商品レビュー

3.5

29件のお客様レビュー

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2018/03/10

これは 短編であるが 花にまつわる話が うまく描かれている。 司馬遼太郎と名乗っていない「福田定一」の頃の作品である。 言葉の運び方 使い方など 妖しいほどに うまい。 「森の美少年」を読んで・・・ インスピレーションがわいた。 花にまつわる話が 歴史を深く掘り下げていくのが...

これは 短編であるが 花にまつわる話が うまく描かれている。 司馬遼太郎と名乗っていない「福田定一」の頃の作品である。 言葉の運び方 使い方など 妖しいほどに うまい。 「森の美少年」を読んで・・・ インスピレーションがわいた。 花にまつわる話が 歴史を深く掘り下げていくのが楽しい。 こういうジャンルの 物語を紡ぐ必要がある と感じながら 最初から 再び読み返した。 司馬遼太郎は 短編で十分の そのチカラを発揮する。 私は 『睡蓮』 が一番よかった。 そのタクミな広がりは 衝撃を与える。

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2012/10/07

司馬遼太郎には珍しい幻想小説。今まで数々の司馬氏の歴史小説を読んできたが、このジャンルは初めてである。それもそのはず、司馬遼太郎がまだ、司馬遼太郎でなかった頃の、いや紛らわしいか、本名の福田定一の名前で執筆した、新聞記者時代の作品なのである。 本書は、花にまつわる男女の悲しい小編...

司馬遼太郎には珍しい幻想小説。今まで数々の司馬氏の歴史小説を読んできたが、このジャンルは初めてである。それもそのはず、司馬遼太郎がまだ、司馬遼太郎でなかった頃の、いや紛らわしいか、本名の福田定一の名前で執筆した、新聞記者時代の作品なのである。 本書は、花にまつわる男女の悲しい小編恋物語を10篇集めたもの。舞台は古代ギリシャ、漢、宋、清、モンゴルのチンギスハンの時代、日本の大和時代、戦国時代など様々。「幻想」であるため、どれも私好みではなく、流して読んだ感じだった。やはり司馬遼太郎作品はリアリティあふれる作風の方が好きである。司馬遼太郎ファンとして、こんな作風もあるのかと分かっただけでも良かったかな。

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2012/09/13

いけ花「未生流」の会報誌に連載された幻想小説を集めたもの。花にまつわる瀟洒な短編が並ぶ。モンゴル帝国の伝騎兵と百姓娘の恋を描いた「蒙古桜」が切ない。氏のキャリア初期の作品で、初出は本名の福田定一名義。まだ産経新聞の記者だった。

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2011/10/15

司馬遼太郎の記者時代の短編集。特にこれというのはなく、さくっと終わってしまった。花は妖しいということか。

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2011/09/29

歴史にまつわる花についての短編集です。どれも短い話ですが、妖しく印象深い話ばかりでした。美しい花が持つ妖しい二面性と、その花に魅惑されていく人々の姿が、歴史の中で幻想的に垣間見えます。

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2011/06/11

「司馬遼太郎はこわい」と河内出身の母が言った。母の指すこわいとは宮言葉のようで、(それがどうして母の口をついたのかはわからないが)ほそくするどい様を表すそうだ。こわい、は人に用いると「気のふれた、あるいは今にもふれてしまいそうな」様を暗喩するという。触れればたちまちに傷がつくだろ...

「司馬遼太郎はこわい」と河内出身の母が言った。母の指すこわいとは宮言葉のようで、(それがどうして母の口をついたのかはわからないが)ほそくするどい様を表すそうだ。こわい、は人に用いると「気のふれた、あるいは今にもふれてしまいそうな」様を暗喩するという。触れればたちまちに傷がつくだろう精神の切っ先は、狂気すらを感じさせる。折れる寸前まで研ぎ澄まされた洞察が歴史を抉り出し、そこからにじみ出たインクのしみを、私たちは拾っているのかもしれない。 インクからは死と狂気のにおいが立ち昇る。その香りを一度嗅げばあっという間に虜になって、離れられない。 司馬遼太郎は、やっぱりこわい作家なのだ。

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2011/05/22

 花にまつわる幻想小説集。    「司馬遼太郎」になる前、新聞記者時代に本名で書かれていた作品たちだそうで…。  司馬遼太郎の根底は、<わかりやすさ>なのだなと思った。  「花神」読んでから、しばらくどっぷりつかっていた司馬遼太郎なのだけど、どの作品でもシンクロできるというか、...

 花にまつわる幻想小説集。    「司馬遼太郎」になる前、新聞記者時代に本名で書かれていた作品たちだそうで…。  司馬遼太郎の根底は、<わかりやすさ>なのだなと思った。  「花神」読んでから、しばらくどっぷりつかっていた司馬遼太郎なのだけど、どの作品でもシンクロできるというか、シンパシーを感じる人物であり、シーンがあった。過去に生きた人たちなのだけど、人間である基礎というものはゆるぎないものであると感じてきた。  それがようするに<わかりやすさ>なのだろう。  いや、人としての軸を明確にしている、といえるのかもしれない。  花が題材なので、妖艶で耽美な短編だ。  が、そこには赤江瀑のような退廃はない。  あくまで、健全で健康的だ。  そう。月下の話であっても、薄曇りの月ではなく、朗々と毅然と明るい月であるのが司馬遼太郎の魅力なのだろう。  面白かったです。

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2011/02/18

花にまつわる、少し不思議な物語集。 むせかえるほど匂い立つ花の生が、 妖しげだったり、生々しかったり、美しかったり、儚かったり。 生の人と花との絡まりが良いです。

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2011/01/06

静かだけど濃厚な気配に、時に噎せそうになりながらもいろいろな花の色と香りを楽しませていただきました。

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2010/11/04

内容(「BOOK」データベースより) 清の八十翁・松齢の庭に突如咲いた一茎の黒い花。不吉の前兆を断たんとしたその時に現われたのは(黒色の牡丹)。人間稼業から脱し、仙人として生きる修行を続ける小角がついに到達した夢幻の世界とは(睡蓮)。作家「司馬遼太郎」となる前の新聞記者時代に書か...

内容(「BOOK」データベースより) 清の八十翁・松齢の庭に突如咲いた一茎の黒い花。不吉の前兆を断たんとしたその時に現われたのは(黒色の牡丹)。人間稼業から脱し、仙人として生きる修行を続ける小角がついに到達した夢幻の世界とは(睡蓮)。作家「司馬遼太郎」となる前の新聞記者時代に書かれた、妖しくて物悲しい、花にまつわる十篇の幻想小説。

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