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人生問題集 の商品レビュー

3.6

23件のお客様レビュー

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2015/09/15

世界に馴染めない2人が友情や怒りなど14のお題について本人達はいなって真面目に語り合う。 真面目ながらまっとうな世界からはどこかずれていて、へんな歌人と精神科医の対談集。 世界と自分とのずれに悩む中高生やなんとなく社会の中で生きにくいと感じている中高生に。 世界との付き合い方の手...

世界に馴染めない2人が友情や怒りなど14のお題について本人達はいなって真面目に語り合う。 真面目ながらまっとうな世界からはどこかずれていて、へんな歌人と精神科医の対談集。 世界と自分とのずれに悩む中高生やなんとなく社会の中で生きにくいと感じている中高生に。 世界との付き合い方の手がかりになる一冊。

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2015/05/08

春日武彦(精神科医)。穂村弘(歌人)。 この二人を知ったのは、吉野朔実の読書エッセイ〔コミック〕がきっかけである。 だからこの本を読み終わってすぐ、そのシリーズ6冊を再読してみた。 穂村弘はエッセイ「世界音痴」などで、散々自分の現実社会に対する対応力のなさを書いているので、てっ...

春日武彦(精神科医)。穂村弘(歌人)。 この二人を知ったのは、吉野朔実の読書エッセイ〔コミック〕がきっかけである。 だからこの本を読み終わってすぐ、そのシリーズ6冊を再読してみた。 穂村弘はエッセイ「世界音痴」などで、散々自分の現実社会に対する対応力のなさを書いているので、てっきり私と同レベルのダメダメちゃんだと思っていたのだが、この「人生問題集」を読むと、ちょっと違うんじゃないかと思えてきた。 春日先生のダメっぷり(変人度)の方が、明らかに上のような気がする。 いや、そんなはずはあるまい。 そう思っての再読だったのだが、やっぱり春日先生の方が変、な気がする。 「人生問題集」というこの対談集では、毎回お題があって、二人がそれについて語り合うというスタイル。 互いに自分のエピソードなどを紹介しながらテーマに沿って話しているのだが、枝葉末端の話がどんどん広がっていく春日武彦に対して、うまいこと話をまとめ上げる穂村弘。 それは歌人という、言葉を扱うことを生業としているためなのか、長い会社員生活の賜物なのか。 真っ当じゃないか、穂村弘。 と、ちょっとだけザンネンだったりもするのである。 「不安」 “春日 他者がどうというより、自分が変なことに陥りやすい人間で、世の中のスタンダードが俺には適用されない気がする。でも一方では、思い上がり感の裏返しのような気もしているんだよね。俺が特別な存在だからこそ、特別ひどい目にも遭うんだ、という。  穂村 受難ということか。なるほどね。” 春日先生、あなたは私ですか? 「言葉」 “穂村 歌や詩の言葉は本来、世界や神との垂直の関係性のツール、見果てぬ夢に架ける梯子であって、「今日、何食う?」で完璧に意味が通じるような水平方向の言葉とは全然違うんだよ。だけど、現代は水平方向のやり取りだけでみんな疲弊しきっていて、言葉もどんどんフラットになるから、決定的な呪文が書かれた経典を探しに行く『西遊記』みたいな発想はとても持てないんだね。” 「救い」 “穂村 今、無根拠な死というのは日常の中にいろいろ形を変えて存在していて、それに対する反応も過剰になっているでしょう。アンチエイジングとか年齢不詳肌とかさ(笑)。それは、老化という現象に対して、アメリカ的に真っ向から立ち向かうということでしょう。  春日 闘っちゃうと、もう身も蓋もないような救済になっちゃうんだけどね。第一、勝ち続けなきゃならないのは苦しいよ。” ランダムにページを開いても、うーむと思わされる言葉が溢れてくる。 常に世間に対して何らかの引っ掛かりを感じている二人だからこその観察力と、それを言葉に落とし込むことの技術。 そのうえでさらに存在する世間とのずれ。 「努力」 “穂村 だから、石田衣良さんに指摘された時は、恥じ入ったよ。「君のしゃべり方は不自然で気取っている」ということをマイルドに言われてさ。世間一般のイメージから見れば、石田衣良の方が気取ってる人でしょ?でも実際は気さくで、率直なしゃべり方も恐れない人なんだよね。内田樹にやり込められるならまだしも、石田衣良に完膚なきまでにやり込められるなんて、夢にも思わなかった(笑)。現実は深い。” 滑舌を不明瞭にしてゆっくりしゃべるのがセクシーだと思って、何十年も努力していた穂村氏。 絶対的にずれてる。 語りおろしの「読書」と、巻末の煩悩108コンテンツリストは、ページを破って日常的に持ち歩きたいくらい楽しい。 今度は吉野朔実も入れて、鼎談とかしてくれないかしら?

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2014/08/29

自分の輪郭がはっきり見えている人達の会話には 相槌が無い。 「見て下さい!こんな大きなシャボン玉をつくりました。」 「いや、ちょっと待て。俺のほうがでかいって。」 「連続技も出来ます、」 「俺のは色付きだぜ。」 「やりますね、では私は…。」 なーんてっ♪ どちらがより素敵な...

自分の輪郭がはっきり見えている人達の会話には 相槌が無い。 「見て下さい!こんな大きなシャボン玉をつくりました。」 「いや、ちょっと待て。俺のほうがでかいって。」 「連続技も出来ます、」 「俺のは色付きだぜ。」 「やりますね、では私は…。」 なーんてっ♪ どちらがより素敵なシャボン玉を生み出せるか? 競い合ってでもいるかの様な会話。 (…に、思えた。) とりあえず話題は人々が抱える悩みや問題について。 春日さんは精神科医なので、 これまでたくさんの患者さんを看てきた、その経験から なるほど。な、お話を。 穂村さんは思ったとおり、独特な世界感から自由奔放に語る。面白い。 「子供は世界を言葉に落とし込むスキルを持たないからね…」って、 大人だって持ってやしないよ!そんなスキルは(笑

Posted byブクログ

2013/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

非常にシックな表紙で好きだ。ちょっと難しげな雰囲気を出してるけど、中身は全然。生きづらさというか、『変』という、周りに自分がしっくりしていないという感じを持っているという二人が対談したもの。友情とか努力とか、テーマはいろいろ。こういうテーマに基づいて知り合いと話をしてそれが対談としてまとめられて本になるって、すごいなと思う。改めて。私もそんな仕事してみたい。つーか、それが本になるという価値のある人じゃなきゃダメだろうけど。

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2013/04/13

言葉についての章がとてもおもしろかった。 P178 —穂村さん/歌や詩の言葉は本来、世界や神との垂直の関係性のツール、見果てぬ夢に架ける梯子であって、「今日、何食う?」で完璧に意味が通じるような水平平行の言葉とは全然違うんだよ。だけど現代は水平方向のやり取りだけでみんな疲弊しき...

言葉についての章がとてもおもしろかった。 P178 —穂村さん/歌や詩の言葉は本来、世界や神との垂直の関係性のツール、見果てぬ夢に架ける梯子であって、「今日、何食う?」で完璧に意味が通じるような水平平行の言葉とは全然違うんだよ。だけど現代は水平方向のやり取りだけでみんな疲弊しきっていて、言葉もどんどんフラットになるから、決定的な呪文が書かれた経典を探しに行く『西遊記』みたいな発想はとても持てないんだよね。— ここが一番はっとした。 穂村さんは日々平行の言葉に埋もれつつ、垂直の言葉を探しているのだなあ。 そしてこれを読んで思い出した話がある。キリスト教における名前だ。 ——ミヒャエルという名は「神に似た者は誰だ?」を意味する。ミヒャエルは大天使の中で唯一、その名が問いなのだ。悪魔はこの問いに答えられない。これが大天使の剣である。アダムとは「私は似る」を意味する。その私が神の像に似せられて造られたものである。それはエックハルトがいう’魂の火花’なのだ。————— 普段私たちは言葉の力を忘れがち。 言葉が持つ呪術的なものは昔から信じられてきたのに、 「ひらけゴマ」で絶対何も開かないと思っているし、「バルス」で何も滅びないと知ってるし。ビートルズはacross the universe の中で「Jai guru deva, om」とサンスクリットの呪文を唱えている…。 こういうものに私もリアリティを感じたことはなかったんだけど、お経というものもあるわけだし、長く信じられているから呪文というものはあるのでしょう。今後垂直方向の言葉を意識してみよう。 すごくピンポイントなとこに注目したレビューになってしまったけど、言葉について、今一度考えたいなと思いました。 他の章は、「努力」の章はちょっとおもしろかった。 (努力のスタート地点まで正しくいければ半分くらいはできたようなもの、っていう所)

Posted byブクログ

2013/01/25

また読んじゃった穂村弘。 似たような似てないような二人の会話が面白い。 前書きで春日氏が書いてたけど、穂村さんは存外、論理的なのだ。 「未来の小さな死の待ち伏せを全部かわす」 「希望を持てば持つほど、反作用として小さな死はより牙をむく」 このフレーズにはちょっとグッときたが デー...

また読んじゃった穂村弘。 似たような似てないような二人の会話が面白い。 前書きで春日氏が書いてたけど、穂村さんは存外、論理的なのだ。 「未来の小さな死の待ち伏せを全部かわす」 「希望を持てば持つほど、反作用として小さな死はより牙をむく」 このフレーズにはちょっとグッときたが デートの時の振る舞い一つでそこまで理詰めになってたら そりゃ足もとおぼつかなくなるわなとも思う。 穂村さんはエッセイとして読むよりも対談の方がもっと深まって面白いな。 最後の「煩悩108コンテンツリスト」は ちょっと自分でもやってみたくなる。

Posted byブクログ

2012/11/26

偏屈だ…笑 ところでこういう話を延々と出来るのって、男性的だなと思う。経験則だけど。男の人の方が、理屈っぽく語る人が多いなと。同じ話題でも女性はもっと感覚的に話すようなー…とか考えてた。内容とあまり関係がない…

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2012/09/22

精神科医の実情がチラッと覗けたのは勉強になったけど、対談内容に時折自己愛臭がプンとするのが気になった。 やたら自己完結した発言が多いので、自分のようなヒヨッコには、すごい!と納得するよりも、何故言い切れる?という疑念の方が強く残ってしまう。疑念を払拭してくれる発言も最後までなかっ...

精神科医の実情がチラッと覗けたのは勉強になったけど、対談内容に時折自己愛臭がプンとするのが気になった。 やたら自己完結した発言が多いので、自分のようなヒヨッコには、すごい!と納得するよりも、何故言い切れる?という疑念の方が強く残ってしまう。疑念を払拭してくれる発言も最後までなかったし。お二人とも言葉のプロなので、お二人のことをよく調べずに本書に手を出したのが悪かったのか…。わざと暗算思考をしているなら、他の著書も読んでみるかなぁ。

Posted byブクログ

2012/07/10

14のテーマを語り合う対談集。 テーマが「仕事」の回だけ、ゲスト(高橋秀実さん)がいて3人。 どのテーマもとても面白く読めた。 なかなかすごいことをしれっと口にしているなという印象。 頼もしい大人って、こういう人達のことではなかろうかと思ったりした。 穂村さんはこの本が初(吉...

14のテーマを語り合う対談集。 テーマが「仕事」の回だけ、ゲスト(高橋秀実さん)がいて3人。 どのテーマもとても面白く読めた。 なかなかすごいことをしれっと口にしているなという印象。 頼もしい大人って、こういう人達のことではなかろうかと思ったりした。 穂村さんはこの本が初(吉野朔実さんのエッセイでは何度か)だったけれど、他の本も読んでみたくなった。 7年間SEだったという話にはびっくり。 エッセイとかにその辺の話が書いてあったりするのだろうか‥。読んでみたいなぁ。 巻末の「煩悩108コンテンツリスト」には分からない単語が結構あった。 人名は説明がついていても「ふーん」としか感想がなくてつらい。 「ちくわぶ」に笑った。私も好きです。

Posted byブクログ

2012/03/27

他の人のレビューに 「どっちも変な人」と書いてあって まさに!と思った次第です。 様々なテーマについて書かれてて読み応えありました。 春日先生ぶっちゃけすぎだろ、とも思ったけど。

Posted byブクログ