くまちゃん の商品レビュー
私のなかで何かが壊れてしまったのだな。だから必死にこずえは自分に言い聞かせた。だいじょうぶだいじょうぶ。壊れたけど、すぐに元に戻るからだいじょうぶと、見知らぬ駅のホームで、なかばやけくそ気分で立ち食い蕎麦を食べながら。
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内容紹介 風変わりなくまの絵柄の服に身を包む、芸術家気取りの英之。 人生最大級の偶然に賭け、憧れのバンドマンに接近したゆりえ。 舞台女優の夢を捨て、有望画家との結婚を狙う希麻子。 ぱっとしない毎日が一変しそうな期待に、彼らはさっそく、身近な恋を整理しはじめるが……。 ふる/ふられ...
内容紹介 風変わりなくまの絵柄の服に身を包む、芸術家気取りの英之。 人生最大級の偶然に賭け、憧れのバンドマンに接近したゆりえ。 舞台女優の夢を捨て、有望画家との結婚を狙う希麻子。 ぱっとしない毎日が一変しそうな期待に、彼らはさっそく、身近な恋を整理しはじめるが……。 ふる/ふられる、でつながる男女の輪に、学生以上・社会人未満の揺れる心を映した共感度抜群の「ふられ」小説。 内容(「BOOK」データベースより) 4回ふられても私はまた、恋をした。なんてことだろう。あんなにつらい思いをしたというのに。きっとここにあなたがいる、傑作恋愛小説。
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長年、角田さんが大好きで角田さんの著書はたくさん読んできたのですが、この「くまちゃん」はとても角田さんらしい作品だなぁと思います。(偉そうな事はなにも言えませんが;)定職には就かない主人公たち、才能と夢について、自分が何者であるのか。終わる恋をめぐって時をさ迷い、それでも時は過ぎ...
長年、角田さんが大好きで角田さんの著書はたくさん読んできたのですが、この「くまちゃん」はとても角田さんらしい作品だなぁと思います。(偉そうな事はなにも言えませんが;)定職には就かない主人公たち、才能と夢について、自分が何者であるのか。終わる恋をめぐって時をさ迷い、それでも時は過ぎるなかでそれぞれが前に進んでいく様。人が表には出さない機微な部分が描かれてて読後、さらりと後味を残していきます。 最後に、あとがきで角田さんは42歳は既に仕事と恋愛は確固たる別物として確立された、と書かれてました。42歳になれば、自分が何者であるのか分かり、上記のようなことで思い煩うこともなくなるのでしょうか? 40代50代とわたしより一歩先に年を重ねる角田さんの作品、今後も楽しみにしています。
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最後の「乙女相談室」が1番好きな話だ。 こずえ同様ふられっぱなしの人生で、しかもずっと忘れられない人がいた。想い続けることはいけないこと良くないことだと思っていた。でもこの本を読んで前向きになれたきがする。あの人は私にはもう必要ないのかも。「必要でいるということを、守りきることができなかった」。ずっと恨んでたけどこちらこそごめんなさい(笑) 別れてそこで話が終わりじゃないのが良かった。恋人と別れてもふってもふられても人生は続いていく。そこが描かれていた。 友達が別れそうだからこの本を紹介してみようかな。
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恋愛小説はほとんど読まないけど、これはおもしろかった。『人を思う気持ちというものは、私たちのどんな器官より現金で頑丈』すごく的確。納得。
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あとがきを読んで『ふられ話』なんだと気付いた。 読んでる最中は『片思い』の話だと思っていたので。 恋愛経験豊富だと人生がより華やかで 恋愛経験が少ない人より上みたいな感覚 (特に若い頃は)だったけど、その分別れを経験してるわけで 悲しい経験もたくさんしてるんだな〜と改めて感じま...
あとがきを読んで『ふられ話』なんだと気付いた。 読んでる最中は『片思い』の話だと思っていたので。 恋愛経験豊富だと人生がより華やかで 恋愛経験が少ない人より上みたいな感覚 (特に若い頃は)だったけど、その分別れを経験してるわけで 悲しい経験もたくさんしてるんだな〜と改めて感じました。
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短編集ですが、 一つの話に出てた人が、次の話の主人公って具合につながっている話。 こういう短編集、好き。 人って、こちら側から見るのと、向こう側から見るのとでは、全然違うんじゃないの、っていうそんな気持ちになって。 "光の子"がよかった。こんなガチガチな...
短編集ですが、 一つの話に出てた人が、次の話の主人公って具合につながっている話。 こういう短編集、好き。 人って、こちら側から見るのと、向こう側から見るのとでは、全然違うんじゃないの、っていうそんな気持ちになって。 "光の子"がよかった。こんなガチガチな思いに囚われてる男子嫌だけど、話はよかった。 病院の待合室で読んでいて、涙がでそうになった。 一人部屋で読んですっきり泣けばよかったと思う。
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イライラする様な男が沢山出てくる。 あぁ、こんな男!と思うのに、登場人物たちは何故かこのイライラする男達からなかなか離れられない。 恋愛と仕事。女性の中でこの二つが同列に同じ重要性で重なる時期がある。
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前の話で相手を振った人が、次の話では振られてしまう、連続フラれ小説。 …ということを知って、面白そうだと、つまり各話の主人公が振られることを期待して読んでいたのに、 やっぱり、痛かった。 振られる予感、別れの気配を感じさせる場面場面で、苦しくなった。 相手に合わせ、尽くし、そして恐れる。 惚れたもん負け、という言葉がまさにピッタリだと思う。 どの話もとても良かった。個人的に一番好きなのはゆりえちゃん。 槇仁と久信はなんだか似たようなイメージになってしまっている。どっちもアーティストだからかな。 仕事や成功についても毎回書かれている。 成功ってなんだ。人生ってなんだ。 自分はいったい何なのか、何者になるのか。 相手がなければ恋愛は出来ないけれど、自分がなくても恋愛は出来ない。
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