くまちゃん の商品レビュー

角田光代【著】

2018/07/10

太陽と毒グモ？っていう強烈な題名の作品から始まって、何冊目かの読書です。綺麗な色合いの表紙を手に取ると角田さんの作品でした。
失恋って言葉をキーワードに、しりとりでグル〜っと回るような楽しい作品でした。なんだかワタシの中でも角田作品が一回りして今度の作品からは２週目のように感じます。
よく練られた完成された良い作品でした。

2018/04/12

運命なんてものはなくて、今、自分がここに居て、相手がそこに居るのは、今まで積み重ねてきた、延長線だ。

2018/02/17

返却期限もあったので途中で断念。
前の話で振られた人が、今度は振る番になるという皮肉な連鎖。でも、だんだんと「あー自分ってこんなだから振られたのかな」て無意識のうちに気づいていたりして。
印象深かったのは、マキトの話。姉のようで姉ではない女が普通の顔していたら、確かに初見で誰だてめえってなるわ。

2018/01/28

面白かったです。前のお話でふった人が、次のお話ではふられる、連作短編集でした。
恋って、その最中では一生懸命ですが、終わってみたらこんなものか、となるのかも。ふったり、ふられたり、わたしもありましたが、今はすっかり離れました。幸せも確かにあったけど、辛く歪な心にもなりました。
終わってすぐはとても辛くても、きっとまた恋をするのだろうなと思います。いつになるかはわかりませんが、もうしばらくかかるかな…。
私のつまんなさは私のものだし、私は私以上にはなれない、という最終話の台詞が残りました。
今、読めて良かったです。皆、幸せになれたらいいです。

2017/11/12

続々と主人公たちがふられていく話は決してここちよいものではなかったけど、『光の子』の話でとても救われた気がした。

2017/08/07

ふった側の人間が、次の作品ではふられる側になる連作小説。
「この人には感情移入できないなぁ」と思っていても、次の作品ではその人視点で物語が進み、その人の心情が理解できる。つまり、前作で「ふった」心理もわかるというしかけ。
なにより、角田光代の筆力が圧倒的。どんな人間の心理も「わかった」という気持ちにさせられる。

2017/06/22

『乙女相談室』の最後の部分を何度も頷きながら読み返した。仕事と恋愛が絡んでしまうのはよく分かるし、あとがきで角田さんが「仕事は確固たる何かになってしまったから、恋をしたとしても仕事とは別物だと思う」と書かれいて、そこまでの境地に達してみたいものだと思った。
失恋し、傷がいつまでも治らないときに手にしてよかった。自分だけじゃない、と少し元気づけられました。

2017/05/09

６人の男女の失恋物語。
それぞれが様々なかたちの恋愛を経験したことで
無駄な恋愛のように思えて、実は成長している様が面白い。
自分を振った、あの人はどんなことを考えて自分と付き合っていたのか。
なぜ、好き同士なのにうまくいかないのか。
なぜ、あんなに辛かったのにまた恋愛をしてしまうのだろう。
といった思春期永遠の謎に迫る名作。
また、忘れた頃に読み返したい。

2016/10/11

この可愛らしいタイトルや装丁…一体どんな内容？て感じですが、失恋話の短編集でした。主人公というのか、語り手の失恋相手が次作の語り手になり6編続き…最終章だけ、やや独立した感じ。最初の章から、6章の間に10年もの月日が流れている。最初の章に登場したソノコが6章では10年後の姿になっていて、その時間の流れを思うと時間旅行をした気分かも。10年の月日の重さ。

2018/12/19

ふる/ふられる で繋がる、失恋をテーマにしたリレー方式の短編集。
恋愛話だけだと退屈感は否めない。

「勝負恋愛」一番面白かった。
憧れのバンドマンと同棲までこぎつけた"ゆりえ" 。しかし、彼の同郷の姉のような存在の"さより"に耐えられなくなる。
さよりがどのような人なのか、彼のことをどう思っているのか、さよりを主人公にした話が読みたかった。
(図書館)