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瓶詰の地獄 の商品レビュー

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106件のお客様レビュー

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    29

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  3. 3つ

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2024/02/19

近代文学を克服すべく、あれこれ読んでいるうちに出会った夢野久作。湿っぽくて残酷で恐ろしいのにどこかワクワクしてしまう自分がいるような。 いずれドグラ・マグラにも手を出そうかと思います。

Posted byブクログ

2024/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夢野久作の短編集。 表題作の『瓶詰の地獄』は聖書に祈りを捧げながら両親の助けを待ち続ける、海難事故に遭った幼い兄妹の話。彼らが海に流した三つの麦酒瓶の中に入っている手記を読む書簡体。この兄妹は、たった離れ小島という閉鎖的環境で、お互いに異性として認識してしまう性的葛藤を描いている。とても短い話だが、助けを求める手紙も、懺悔も遺書も全て彼らの愛する両親のもとには全く届かなかったことを思うと、非常に遣る瀬無い…。 今まで『ドグラ・マグラ』をはじめ、結構な数の夢野作品を読んできたが、『死後の恋』が一番心に刺さった。この話は、1918年7月に、ロマノフ王朝の一家が銃殺された事件で、皇女アナスタシアだけは生き延びているのではないかという噂を基に描かれている。実はロマノフ王朝末期からロシア革命期の混沌とした崩壊具合が不謹慎ながら、かなり好み。 語り部のコルニコフは革命で居場所も家族も追われてしまった。そもそも、彼女がリヤトニコフに恋しているから宝石を見せたという解釈は、彼の妄想かもしれない。コルニコフにとっては、この話を第三者に肯定してもらわなければ、リヤトニコフ(アナスタシア)からの愛もただの幻想になり、宝石に抱いた邪な感情だけが残ってしまう。話を聞いてくれた日本の軍人も結局最後は立ち去ってしまった。その悲壮感と承認欲求の愚かさが最後の「アナスタシア内親王殿下…」に現れている。今まで読んだ夢野作品全てにおいて、読後にめちゃくちゃ疲弊するんだけど、人間の愚かさや心の中に隠したい欲求や黒い感情をまざまざと見せつけられるからなんだな…。なんだかようやくわかった気がする…。

Posted byブクログ

2023/12/16

一旦、表題作の感想を... 胸糞!と聞いていたので、3番目の手記で如何に恐ろしい内容が来るのかと構えていたら、呆気なく終わった.けど、それは逆に悍ましいし、全体としてみることで、不気味さがより伝わるのだと思う.

Posted byブクログ

2023/12/06

結果的に、わたしにはあまり夢野久作がハマらなかったということがよくわかった。死後の恋のビジュアル感、支那米の袋の臨場感はイイ!と思ったけど、全部の話で話長えよ〜!!って思ってしまうのは、もう相性の問題だと思った。鉄槌の主人公がいちばんサバサバしてて好感が持てました。

Posted byブクログ

2023/10/01

わずか10数ページの『瓶詰の地獄』がよかった。どの短編も江戸川乱歩の世界をもっと過激にした感じ。30年ほど前に読んだ『ドグラ・マグラ』もそろそろ再読したい。

Posted byブクログ

2023/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

湿っぽくて独特...。 これが夢野久作ワールドかと知り、ドグラ・マグラを読める自信が全くなくなりました。 いわゆるイヤミスとはまた違った後味の悪さあり。時間経ったらまた読みたくなる気もしてます。 『瓶詰の地獄』はネタバレなしに読んでたら衝撃だったし私には刺激が強すぎたかも。ほとんどの内容を知っていたから読み切れた感は否めない。 『死後の恋』がここまでの三作短編の中で一番グロかった。宝石との描写は芸術的な対比があるけど刺激が強すぎて惨すぎて...宝石を盗んだ男も軍兵も惨い。

Posted byブクログ

2023/02/03

表紙の可愛さを木っ端微塵に吹き飛ばす、独特の作品ばかりが詰め込まれた短編集。 どの話もなかなか読み進められず、ずっと物語の世界に閉じ込められているような気分だった。 あの肌に纏わりつく湿っぽさと陰鬱な思考回路はやっぱり苦手だけれど、夢野ワールドを堪能できる一冊だった。

Posted byブクログ

2023/01/26

瓶詰めの地獄のみ読みたくて、鉄槌の途中で断念 瓶詰めの地獄はもう素晴らしかった。 他の作品はえろグロ、と言った感じでついていけなかった

Posted byブクログ

2022/12/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「瓶詰め地獄」 いくつかの解釈を拝見しましたが、個人的には瓶の順番は2→3→1なのではないかと思いました、地獄ですね。ただ鉛筆が短くなってから書かれたものにしては1は少々長すぎますが…。 人に薦められる作品ではありませんが、僕はとても好きです。

Posted byブクログ

2022/04/21

 夢野久作の短編小説集。だいたい、昭和一桁年頃の作品群のようだ。西暦で1930年前後。  相変わらず性的にどこかヘンタイっぽく妙な小説が多い。一人称体の作品は『ドグラ・マグラ』と同様の、延々とトートロジックに吐き出される独白の急流が見られる。この文体や主題の取り方・筋などはとても...

 夢野久作の短編小説集。だいたい、昭和一桁年頃の作品群のようだ。西暦で1930年前後。  相変わらず性的にどこかヘンタイっぽく妙な小説が多い。一人称体の作品は『ドグラ・マグラ』と同様の、延々とトートロジックに吐き出される独白の急流が見られる。この文体や主題の取り方・筋などはとてもケレン味が強く、やはり文壇の王道よりはかなりかけ離れているのだが、この怪しげな欲望の奔流は、単なる娯楽作品という枠に閉じ込めきれるものではない。カルトな芸術である。あまりにもリビドー放出が激しすぎてしばしば日本語が壊れてしまうところが凄い。  1編読み終えてみるとちょっとすっきりしないような終わり方の作品も幾つかあった。  

Posted byブクログ