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瓶詰の地獄 の商品レビュー

4

106件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    26

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2020/06/20

「死後の恋」は島田荘司の「ロシア幽霊軍艦事件」を思い出しながら読んだ。 表題作の「瓶詰の地獄」が切れ味としては抜群か。

Posted byブクログ

2019/11/25

読んでる途中で妊娠が分かって、つわりが落ち着くまでは読書が全然できなかったからかなり間が空いたのやけど、安定期入ったし最後まで読みました。 前回の妊娠中も夢野久作読んだよそういえば。 夢野久作てそんなにたくさん読んでないけど、ハズレがないのすごすぎない???ほんとにどれも面白かっ...

読んでる途中で妊娠が分かって、つわりが落ち着くまでは読書が全然できなかったからかなり間が空いたのやけど、安定期入ったし最後まで読みました。 前回の妊娠中も夢野久作読んだよそういえば。 夢野久作てそんなにたくさん読んでないけど、ハズレがないのすごすぎない???ほんとにどれも面白かったよ。 「冗談に殺す」は探偵モノ以外の江戸川乱歩感があったけど、鏡つうのはこの時代も重要なモチーフやったみたいやし、探偵モノ以外の江戸川乱歩と夢野久作てどっちも幻想怪奇系でちょっと作風似てるよな。みんな変態だよ。みんな。

Posted byブクログ

2019/08/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

以前読んだ『ドグラ・マグラ』が面白かったので、読んでみた。こちらは短編集。独特の不気味さ、気持ち悪さ、猟奇、エログロみたいな雰囲気があって、『ドグラ・マグラ』と似ている。こんなに気持ち悪いのに、引き込まれるものがある。重たくて、怖くて、読むのに精神力がいる。 解釈が難しかったり、色んな"仕込み"がある。一作品読んで、ネットでレビューを見て・・・という感じで作品の世界観を楽しんだ。 全部で7作品あるが、どれも味わいがあって、気持ち悪い。全作品のレビューを書く気力がないので、4つだけ。 「瓶詰の地獄」と「支那米の袋」が特に印象に残った。 そのうちまた読みたいな。 <瓶詰の地獄> ・無人島に漂着した兄妹の書いた、瓶に詰めた3つの手紙。作品は、この3つの手紙で構成される。夢野久作の作品では、この"書簡体形式"が特徴的だとか。 ・11歳の兄と7歳の妹は、10年以上、無人島での生活を続ける。島は自然豊か、食料は豊富にあり、楽園のよう。 ・読み進めるうちに、"地獄"が何かがわかってくる。ゾッとする。 ・3つの手紙がどの順で書かれたかで、異なる解釈ができる。こんな仕掛けを、こんな短編に仕込めるとは・・・。 <人の顔> ・シミュラクラ現象、パレイドリア現象。  日常でも、雲の形や壁のコンセントなんかが人の顔に見えてくることはある。それを考えれば、チエ子の言動も無邪気なものに思える。それなのに、作品から感じられる奇妙さは何だろう? ・母親がチエ子に飲ませたのは睡眠薬か?不倫相手との情事を悟られないため? <死後の恋> ・何というか、エログロ猟奇の気持ち悪い話。死体と宝石の描写が印象的。でも、ちょっときつい。 ・語り手が一方的に語る"独白体形式"。『ドグラ・マグラ』と似てる。他者が登場しないので、語り手が精神に異常をきたしているんじゃないかという気になってくる。 ・なぜあんな殺され方をされたんだろう?語り手の話は本当なのか?そんなことが気になって、読み直したくなる。気持ち悪いのに。 <支那米の袋> ・ロシア人のワーニャが日本の青年軍人に一方的に話す"独白体形式"。 ・ワーニャが話すのは、   - 可愛いから殺してしまいたい   - 恋仲になっていたアメリカ人ヤングのこと   - 彼から教えてもらった"遊び"(それは日本にもある)   - 支那米の袋に隠れて乗った軍艦での恐ろしい出来事 ・こういった話からラストでの伏線回収がすごかった。殺したいだけでなく、死にたかった。 -------------------- 読んでから気付いたが、どの作品も青空文庫で無料で読めるらしい・・・。

Posted byブクログ

2018/08/17

夢野久作の傑作選。 瓶詰めの地獄は言わずもがな。 死後の恋が好きだった。 そのほかの作品もそうだが、たくましい想像力と描写力を感じる。 そしてどこか狂気的で幻想的。

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2018/08/11

それぞれタイプの違う切口から狂気を描いていて読み応えのある1冊でした。 表題作の「瓶詰の地獄」は近代の楽園追放そのもので 純潔な2人が欲に気付いて崩壊していく様は、狂気的でありながら美しさを感じました。 「一足お先に」は解説にもありますがドグラ・マグラの前身的印象を受けました。 ...

それぞれタイプの違う切口から狂気を描いていて読み応えのある1冊でした。 表題作の「瓶詰の地獄」は近代の楽園追放そのもので 純潔な2人が欲に気付いて崩壊していく様は、狂気的でありながら美しさを感じました。 「一足お先に」は解説にもありますがドグラ・マグラの前身的印象を受けました。 尤も、ドグラ・マグラ自体20年に渡り執筆したそうなので既にこの手の構想はあったとは思うのですが このページ数で何重にも掛けられた精神操作のトリックを表現したのは素直に凄いなと思いました。 単純な事件の解決ではなく登場人物すら気付いていない潜在的心理の描写は、殺人などの恐怖とは違ってまるで心を見透かされているような恐怖を表現していて流石だなと改めて思いました。 また余談ですが、解説が中井英夫で流石は「三大奇書」とも呼ばれる傑作を執筆しているだけに、物語の噛み砕き方が面白かったです。

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2018/07/10

夢野久作って読んでも結局よくわからないんだけど雰囲気とか世界観が大好き。『鉄槌』の残酷だけど可愛い台詞がお気に入り。

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2017/12/10

一番印象に残ったのは「鉄槌」でした。悪魔のような人たちがゆっくり破滅してゆくようなお話に思えました。表題の「瓶詰めの地獄」は、主人公の思い詰めてゆく心情と美しい風景との対比が際立っていて、「一足お先に」はドグラ・マグラに似たようなどんでん返しの用意のしかたはさすがだなと思いました...

一番印象に残ったのは「鉄槌」でした。悪魔のような人たちがゆっくり破滅してゆくようなお話に思えました。表題の「瓶詰めの地獄」は、主人公の思い詰めてゆく心情と美しい風景との対比が際立っていて、「一足お先に」はドグラ・マグラに似たようなどんでん返しの用意のしかたはさすがだなと思いました。夢野久作の文章は不気味ながらもとってもすきです。感想がまとまらない。

Posted byブクログ

2017/04/30

以前ドグラマグラを読み面白かったので瓶詰の地獄も気になり読んでみました。 短編集。短い話だけれどどれも雰囲気がよくグイグイ読ませてくれる。面白かった。 夢野久作の入門編にはドグラマグラよりこちらをお勧めします。

Posted byブクログ

2017/02/21

大正時代のエログロナンセンスが体現されていて、読んでいてうっとりしたりどきどきしたりする。物語の中の矛盾も色んな推測ができて、そこもまた魅惑的。 私は大好きこの雰囲気、世界観。 夢野の作品はどれも(全部読んだ訳ではないけれど)言葉が綺麗で圧巻です。

Posted byブクログ

2017/01/10

標題の瓶詰の地獄だけに非ず、死後の恋、支那米の袋、鉄槌、一足お先に、どれもが珠玉の短編、中編小説で構成された一冊。

Posted byブクログ