中国抗日軍事史 の商品レビュー
《強国日本は弱国中国になぜ敗れたのか?》という問いから出発、中国近現代史の立場から、主に国民政府・国民党の軍事・政治・経済的な役割に注目した中日戦争史。 前半部分(第一章〜第三章)の戦況の段階的推移をめぐる記述は、日本側のいわゆる公刊戦史(戦史叢書)のコンテクストを見極める...
《強国日本は弱国中国になぜ敗れたのか?》という問いから出発、中国近現代史の立場から、主に国民政府・国民党の軍事・政治・経済的な役割に注目した中日戦争史。 前半部分(第一章〜第三章)の戦況の段階的推移をめぐる記述は、日本側のいわゆる公刊戦史(戦史叢書)のコンテクストを見極めるうえで、きわめて重要。また、軍事面を中心とする中国をめぐる外交関係や、国民党系各種テロ組織・運動集団(藍衣社、C・C団)、中国国外の華僑ネットワークが果たした役割、国民党政権が抗戦と戦時経済建設を強引に推し進めた結果、国共内戦での支持基盤を失っていく様子など、背景要因についての分析も勉強になった。 個人的な関心では、南洋華僑による経済的な抵抗、粘り強い武装闘争は、太平洋戦争期の日本軍による《宣撫工作》《文化工作》を考える補助線になる。たとえば、映画『マレーの虎』でハリマオは、妹を中国人テロ組織に殺されたことから、復讐に立ちあがっていた。
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