涙の理由 の商品レビュー
茂木健一郎と重松清による対談集。両者共に「枠」で覆われていない人間であり、彼らの動向には何時の間にかアンテナが張られている。図書館で不意に発見して即効カウンターへ。 人が流す涙の理由をひたすらに語り続ける。彼らが示唆した内容に物凄く共感した。感動して涙を流すことは恥ずかしいこと...
茂木健一郎と重松清による対談集。両者共に「枠」で覆われていない人間であり、彼らの動向には何時の間にかアンテナが張られている。図書館で不意に発見して即効カウンターへ。 人が流す涙の理由をひたすらに語り続ける。彼らが示唆した内容に物凄く共感した。感動して涙を流すことは恥ずかしいことでも何でもないけれど、誰もが涙を流す場面での居心地の悪さを作り上げる現代の風潮には正直辟易している。「世界の中心で愛をさけぶ」「東京タワー」どちらの作品も持っているが、帯に書かれたメッセージを見るたびに煮え切らない気持ちがあった。 涙の共有を否定するつもりはないし、むしろ肯定的に捉えられる場面も幾らでもあるのだ。ただ、これは今後長いスパンで見ると非常に危険な要素を含んでいる。今私たち日本人が最も気にする「空気」の問題に直接的に繋がってくる気がする。「全米が泣いた」「絶対泣ける」との広告は絶対的な力を持ち、ある種涙の強要にさえ私の目には見えてしまう。 彼ら二人が言うように涙を流す行為はもっと個人的であってよいと思う。どんな場面にせよ、その人が流した一筋の涙にはその人だけが歩んで来た歴史が詰まっているはずなんだから。自分だけの歴史を作ることを好しとしないのが元来続く日本の習性だと思うんだ。みんな違ってみんないいよりは、みんな一緒だからみんないいと言ったお国柄であることは無論周知の事実。だが、自分だけの物語を持たない人がどうやって本物の涙を流すことができるのだろう。 やはり彼ら二人のように「枠」を押し広げる人になりたい。無疑問従順ではあまりに能がなさ過ぎる。今後も二人には注目していくべきなんだろう。
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小説家の重松さんと、茂木健一郎さんが3年くらいかけて練り上げた 内容だ。それぞれの立場でそれぞれの経験も交えながらの なんらかの結論を見出す内容だったが・・・ 東日本大震災でなくなった人と行方不明者あわせて3万人にのぼる 勢いだ。テレビで何人もの涙をみた。 自分がかつて涙を流し...
小説家の重松さんと、茂木健一郎さんが3年くらいかけて練り上げた 内容だ。それぞれの立場でそれぞれの経験も交えながらの なんらかの結論を見出す内容だったが・・・ 東日本大震災でなくなった人と行方不明者あわせて3万人にのぼる 勢いだ。テレビで何人もの涙をみた。 自分がかつて涙を流したシーンを思い起こしている。 歳を重ねるごとに涙の意味を考えよく生きることで自分なりの 答えを見つけたらよいのだろう。
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重松さんが好きで手に取った本。 涙ってなんだろう。 昔は人一倍泣き虫だった僕にとっては、興味深い議題だったし、本を読んで泣いたのは、後にも先にも重松さんの本だけで。そういう点では、なるほど、なるほどって読めた一冊。 対談形式だから読みやすいし、あっという間に読めたのだけど。...
重松さんが好きで手に取った本。 涙ってなんだろう。 昔は人一倍泣き虫だった僕にとっては、興味深い議題だったし、本を読んで泣いたのは、後にも先にも重松さんの本だけで。そういう点では、なるほど、なるほどって読めた一冊。 対談形式だから読みやすいし、あっという間に読めたのだけど。 読んでる最中は良いのだけど、読み終わると不意に消え失せてしまった。かな。何が?何がだろう。 ってな具合の不思議な感覚。 最近は小説ばっかりだったから、こういう本の読み方を忘れてしまったのかも。読み手である自分が整ってなかったかも。たまにはこの類の本も読んでいきたいな。
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涙は記憶が作る。 涙はカタルシス 【カタルシス】 ①悲劇などを鑑賞することによって鬱積して感情を解放し、心を軽快にすること。 ②精神分析で抑圧されている心のしこりを表出させることによって、それから解放させること。また、その療法。浄化法。 わりと好きな2人の対談で興味深かった。 ...
涙は記憶が作る。 涙はカタルシス 【カタルシス】 ①悲劇などを鑑賞することによって鬱積して感情を解放し、心を軽快にすること。 ②精神分析で抑圧されている心のしこりを表出させることによって、それから解放させること。また、その療法。浄化法。 わりと好きな2人の対談で興味深かった。 タイトルにある涙の理由はわかったようなわからないような… でも読みやすかった。
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笑いのメカニズムは研究されているけれど、涙のメカニズムは深くは研究されていないとのこと。 「その涙」は一生に一回かもしれないからだ。 私はよく泣く。 自分の体験を刻んでいるからこそ流せる「自分だけの涙」を持っていたいと思った。
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涙はサンズイに戻るとかく。涙することでリセットする感覚って確かにある・・・。 最近「一万人が泣いた」などのキャッチが目立つが、みんなが泣けるから泣くは違う気がする。泣く、涙するは個々人で違う。 「自分だけの涙」が大切。 大切な人が亡くなったとき、みんなそれぞれ「自分だけの涙...
涙はサンズイに戻るとかく。涙することでリセットする感覚って確かにある・・・。 最近「一万人が泣いた」などのキャッチが目立つが、みんなが泣けるから泣くは違う気がする。泣く、涙するは個々人で違う。 「自分だけの涙」が大切。 大切な人が亡くなったとき、みんなそれぞれ「自分だけの涙」を流した。
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nil admirari 本書に一部出てきた夏目漱石の引用だが、今の自分にぴったりだと思った。 いつかイチローのように自分のためだけに泣きたい。
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私泣き虫です。自分のことを話そうとすると涙目です。 涙の理由なんてありません。冷や汗みたいなもんです。 ドラマで出てくるような泣かなきゃ行けないシーンでは泣けないんです。親の死に目にあったときも、娘が交通事故で運ばれたときも事務処理するだけで泣けませんでした。あとになって、立ち止...
私泣き虫です。自分のことを話そうとすると涙目です。 涙の理由なんてありません。冷や汗みたいなもんです。 ドラマで出てくるような泣かなきゃ行けないシーンでは泣けないんです。親の死に目にあったときも、娘が交通事故で運ばれたときも事務処理するだけで泣けませんでした。あとになって、立ち止まることが出来たとき泣けるんです。 高校の幾何の先生に同じと等しいは違うと教わったけど、感情に等しいものは一つとしてないのだと思うのです。だからお二人の言うようにみんな等しく感情を持っていなくてはいけないようになってきている感じがして、危機感を感じます。私も天に穴をあけるために涙をとっておこうと思います。
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人はなぜ涙を流すのか。 「泣ける」映画や本が売れる現代、いったいなにがどうなっているのか。 世論の動きと脳の動きの関係を、シゲマツ先生と茂木先生があつく深く語りつくす一冊。 大切なことほど易しくて長い言葉か、複雑で短い言葉しかつかえない、もどかしさ、大変さが、身にしみる。 被害者...
人はなぜ涙を流すのか。 「泣ける」映画や本が売れる現代、いったいなにがどうなっているのか。 世論の動きと脳の動きの関係を、シゲマツ先生と茂木先生があつく深く語りつくす一冊。 大切なことほど易しくて長い言葉か、複雑で短い言葉しかつかえない、もどかしさ、大変さが、身にしみる。 被害者と加害者の、当事者たちにしかわからないことを、目撃者たちが同情して「一瞬当事者」目線でしゃべる怖さ。 時代なのか、そうあってほしい意地悪な脳みその動きなのか。 不思議と納得する一冊。まだ読み切ってないけど、おもしろい。
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遂に45歳時の作品を全制覇! ■重松清さんの全作品を感想文にしてブログで挑戦中です。 重松清ファン必見! http://wwjdkan01.blog68.fc2.com/
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