三文オペラ(訳:千田是也) の商品レビュー
金持ちだけが幸せに生…
金持ちだけが幸せに生きることができる社会への皮肉と批判の劇。
文庫OFF
1928年、クルト・ヴァイルの音楽つきで初演されたブレヒトの作品。かなり前に読んだものを再読。 改めて読んでみると、結構面白い笑劇。主人公メッキー・メッサーをブレヒトは自ら「ブルジョワ」と位置づけているのが意外。 げすな言葉が飛び交う、象徴的な意味のないナンセンスなコメディ...
1928年、クルト・ヴァイルの音楽つきで初演されたブレヒトの作品。かなり前に読んだものを再読。 改めて読んでみると、結構面白い笑劇。主人公メッキー・メッサーをブレヒトは自ら「ブルジョワ」と位置づけているのが意外。 げすな言葉が飛び交う、象徴的な意味のないナンセンスなコメディといったところで、感情移入を阻みどこかクールに笑っているような気配が、ブレヒトらしさなのか。
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この本編とはまた別で、ポリーとルーシー、メックとブラウンの話が読みたい。 メック 「まあ、今は物語の初めだと思ってくれ。初めってやつは何でも難しい。……」 ピーチャム 「人のこの世の権利は 幸せに生きることさ 人生は短いから 好きなことして生きるのは 立派な生きる権...
この本編とはまた別で、ポリーとルーシー、メックとブラウンの話が読みたい。 メック 「まあ、今は物語の初めだと思ってくれ。初めってやつは何でも難しい。……」 ピーチャム 「人のこの世の権利は 幸せに生きることさ 人生は短いから 好きなことして生きるのは 立派な生きる権利さ。 でも、そうはうまくいくもんじゃねえ……」
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モリタートで三文オペラの存在を知って、ずっと気になってたあらすじをやっと知れた! なんじゃこりゃ、って感じだけど生で観たら結構楽しめそう。
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山田うんさんがツイッターで「ブレヒトばかり読んでいたから…」とつぶやかれていたので、誰だろうと思って調べたらこの本が出てきた。それで、いつものごとくブックオフを巡回したら100円コーナーに発見。 第二幕のフィナーレの歌が良かった。 「諸君、どうしたらまともに生きられるか 犯罪がやむかとお説教する先生たち まずその前に食うものをよこせ。 お説教はそのつぎ、まず食うこと。 自分の満腹と俺たちの善意を愛する諸君 まずそのことを心得ておきたまえ どうごまかそうとはぐらかそうと まず食うこと、それから道徳。 まず貧乏人までがでっかいパンから 手前の分を切りとれること、これが第一。 一体、人間はなんで生きるんだ? いったい人間はなんで生きる? たえず 人を苦しめ裸にし襲い絞めそして食う。 人間は生きているのさ、根こそぎ 人間であるのを忘れることで。 諸君、うぬぼれはやめたまえ、 人間は悪業によってのみ生きるのだ。」 われわれ日本人も様々な国や地域の人たちの過重労働や低賃金や貧困によって食っている。今や国内においても経済格差は広がり裸にされ襲われ絞め食われるものが出てきている。とても現代的な演劇なのではないかと思った。観てみたいなぁ~と思って、検索したら東京では9月に新国立劇場でやっていた。やはり東京は凄いなぁ~ Mahalo
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世に名高い作品だが、もともとは作曲家クルト・ワイルとの共作による、文字通りのオペラだった。戯曲としてはイギリスのジョン・ゲイによる『乞食のオペラ』をブレヒトが改作したものである。ある意味では相当に難解な作品である。それは、登場人物たちが形而上的なセリフを並べるからではない。彼らの語るセリフは、警視総監のブラウン以外、およそ教養からは遠いものだろうし、プロットも実に明瞭だ。にも関わらず、マクヒィスは2度も逮捕され、最後には馬上の使者が現れるのだ。ブレヒト自身の注があるが、それで納得できるというものでもない。
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生き方も哲学も安っぽい私にはとても読みやすかった。 一種のメシア主義的な物語だった。背景にはひたすら音楽があって――。
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異化作用は評価するが、中途半端だと思う。ウォルターのが推せる。ブレヒト幕。別件だが、マックザナイフはロリンズの名盤『Saxophone Colossus』のモリタートか、エラフィッツジェラルド『Live in Berlin』のそれが推し。
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オペラ脚本。 もともとのタイトルは『乞食のオペラ』だったらしいです。よかったねえ、変えといて。今なら差別用語とかで問題になってタイトル変えさせられたかも。 内容。 『乞食の友』という会社を経営する男がいます。この店はにわか乞食に服を貸します。手足がないように見せるために、義手とかも貸します。裕福な人が同情してくれるような見てくれを日夜考えてます。 彼の可愛い一人娘はなんと盗賊の嫁になります。 彼は冗談じゃないと怒って、婿を絞首刑台に送るために画策します。さて娘ポーリーと悪党どすのメッキー(マクヒィス)の運命は? ラストは強引な大円団。 どたばた喜劇なので、面白いんですが、劇で見た方が面白いのかも、と思いました。 1961年に初版発行。 どうりでキャラ紹介のところに「淫売たち」とか書いてあるわけですね。今なら「娼婦」にするでしょう。 文句は「マクヒィス」ポーリーの旦那。「マティヤス」マクヒィスの部下。 この似たような名前。ト書きだから余計、混乱する。兄弟かと思ったけれど、違うらしい。
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ブレヒトは人間の綺麗じゃない部分を描いていて面白い。 劇中に挟まれる歌の仕組みもミュージカルとは異なっていて、ブレヒトの演劇への姿勢を表しています。
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