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ナショナル・ストーリー・プロジェクト(1) の商品レビュー

3.8

39件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

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2024/07/31

ポール・オースターのラジオ番組に、全米のリスナーから送られてきた、いろいろなアメリカ人の短い身の上話がまとめられている。日本にいると目に入らない普通のアメリカが、短くても実話の持つ迫力で語られる。

Posted byブクログ

2024/07/24

人はみんなストーリーを持っているって思った。 昇華するものしないもの、燻り続けるもの。 自分だけの宝物にしておきたいストーリー、人に伝えたいストーリー、自分の胸だけに収めておけないストーリー。 どれも大切なひとつひとつ。小箱を開けるように読み進めていく。 アメリカにもこんな時...

人はみんなストーリーを持っているって思った。 昇華するものしないもの、燻り続けるもの。 自分だけの宝物にしておきたいストーリー、人に伝えたいストーリー、自分の胸だけに収めておけないストーリー。 どれも大切なひとつひとつ。小箱を開けるように読み進めていく。 アメリカにもこんな時代があったのだなと柔らかな気持ちで読ませてもらう。

Posted byブクログ

2024/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・動物 KKKの覆面をしていても犬は飼い主の匂いに尻尾を降ってとびついていく滑稽さ 空へ飛んでいったインコが時を経て、別の家で無事暮らしていたと知る ・物 卒業式を迎える息子のために結婚指輪を売って長ズボンを買う母 ・家族 ・スラップスティック ・見知らぬ隣人

Posted byブクログ

2024/04/06

くすりと笑えるものから悲しい気持ちになるものまで、色んな人たちの嘘みたいな本当の話を集めた本。 顔も知らない海の向こうの国の人たちの人生を覗き見してるみたいで読んでいて楽しかった。 色んな人が寄稿しているから文体がバラバラで中には読みにくい話もあったけど、これは良い読みにくさだと...

くすりと笑えるものから悲しい気持ちになるものまで、色んな人たちの嘘みたいな本当の話を集めた本。 顔も知らない海の向こうの国の人たちの人生を覗き見してるみたいで読んでいて楽しかった。 色んな人が寄稿しているから文体がバラバラで中には読みにくい話もあったけど、これは良い読みにくさだと思う。 「ラスカル」、「縞の万年筆」、「二重の哀しみ」、「ケーキ」、「マーケット通りの氷男」が特にお気に入り。

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2023/04/16

全て実話だそうだ。信じられない運命の話や、物語の中で作者を支えるの心のあり方に、 作者を通してアメリカの国民性や社会や歴史のバックグラウンドが見えてきて、惹き込まれる。1話がショートストーリーより短いのも簡潔で良い。こういう話って日本でも起こりうるのかな?

Posted byブクログ

2022/07/20

おもしろい。意味はないけど、こういうことを聞いたり語ったり経験したり、ということが生きているということかも。 日本版の元ネタを読めてよかった。 柴田さん。

Posted byブクログ

2022/05/22

ラジオ番組の企画からできた本とのこと。 全米のリスナーから送られてきた実話を、オースターが選定して、朗読するというものだ。 以前から読んでみたいと思っていた本。 本書はそれをまとめた本だが、テーマごとに整理されている。 この一巻は「動物」「物」「家族」「スラップスティック」「...

ラジオ番組の企画からできた本とのこと。 全米のリスナーから送られてきた実話を、オースターが選定して、朗読するというものだ。 以前から読んでみたいと思っていた本。 本書はそれをまとめた本だが、テーマごとに整理されている。 この一巻は「動物」「物」「家族」「スラップスティック」「見知らぬ隣人」。 寄せられた話は、大恐慌時代のものもあれば、この本ができたほぼ同時期(90年代)のものもある。 注釈が欲しいところもあったが、アメリカ社会のいろいろな部分が垣間見えて、興味がつきない。 アルコールやドラッグに溺れる人がごく身近にいたり、HIVで苦しむ人も少なくない社会。 でも、その一方で、家を失った見ず知らずの一家に、自分たちのためのクリスマスの準備を差し出し、純粋に喜びを感じている人々のいる社会でもある。 自分がもしアメリカで暮らす人であったなら、どんな社会的な記憶を持つことになったのだろうか、なんて思ってしまった。

Posted byブクログ

2021/01/09

些細で読み終わるまでに忘れてしまうような話もあれば、ショックで一旦本を閉じてしまう話もある、人生のペーソスが積み上がったバウムクーヘンのような本。どちらかというとつらい。

Posted byブクログ

2020/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

事実は小説よりも奇なりを往くアメリカの実話。 ひとつひとつがとても短い。ブログだったりtwitterだったり、そういうSNSでバズる話を読んでいるような感覚かもしれないし、それほど瞬間的な掴みではないとも思う。けれど、これがすべて実話、しかもラジオで話してほしい、電波に乗せて伝えたい、と誰かが書き送った話だと考えると、途方もない気持ちになる。That's Life, これが人生。いつもハッピーエンドとは限らないけれど、捨てたものではない。なんだかザクザクしたダイジェスティブビスケットを食べているような作品だ。

Posted byブクログ

2019/05/11

オースターがアメリカのラジオで一般市民から募集した「あなたに起こった現実の話」を集めたもの。 4千もの応募作から選んだ170作だけあって、どれも面白い。 ちょっとしたウィットのような笑える小話。絶望的な悲しい思い出。嘘のようなホントの偶然の話 などなど かなりバラエティに富ん...

オースターがアメリカのラジオで一般市民から募集した「あなたに起こった現実の話」を集めたもの。 4千もの応募作から選んだ170作だけあって、どれも面白い。 ちょっとしたウィットのような笑える小話。絶望的な悲しい思い出。嘘のようなホントの偶然の話 などなど かなりバラエティに富んでいる。 一つづつの話は、1ページから数ページ。 作者により語り方も、事実の切り取り方も違う。 読んでいる時の感覚としては以下のような感じ。 自分の目の前の椅子に、次々に色々な人が座って自分に話しかける、話は5分程度で終わり、次の人がまたやってくる。 最初は語り手が男なのか女なのか若いのか年取っているのかも分からない場合もおおい、だから目の前に座った黒い影が語り出し、語っている間に徐々に輪郭が明るくなりその人自身がうっすらと見える。 小説家が書いた短編集であれば、その小説家のトーンだとか、プロとしての分かりやすい話の運び方によって、ある程度のテイスト、トーンの統一感があるから一つ一つの短編毎を読むのに頭を切り替える必要がない。 だが、この本は、それぞれの語り手が違うので一つ一つの話を読むのに導入部分にいちいち時間がかかる。 だから、さっさと読めるない。 でも、だからこそそ、数ページの中にその人らしさが出ている。そこに惹かれる。 最初の方の話は、自分がなくしたもの、別れた人と巡り巡って再会する、また出会うというような話も多く、ある意味、人に話したくなるオチのある話が多い。 一方、小説や「お話し」だったら必要とされるようなドラマだとか、オチがない話も多い。 それはこの話達が事実からされているから。 常に現実は地続きで終わりはない(あるとしたら死かな?)、そういうなんだか続いていく人生、現実というものをただ単に切り取ったという話に、その切り取り方に「その人そのもの」「その人とその世界」が表れているように思う作品が多いのだと思う。 全体的に淡々とあったことを誠実に、そしてセンシティブに注意深く観察された内容が魅力的に語られているような作品が多いと思う。 そして、教訓めいたメッセージを発するとか、自己主張、自己顕示欲など、話を必要以上に作りこんだような物語がないところが素晴らしい。 ●私自身が特に惹かれたのは以下。 なんとも奇妙な、不安感と愛情 情愛を求めるが、むくわれず、また報われたとしても短く、儚く消えてしまう。喪失感。 ・別れを告げる  刑務所に入っている男が親類の葬式参加するために一時的に牢屋を出て、家族に会い、そしてまた別れる、それだけの話。喪失感、家族への思い、家族、人間関係の儚さ。 ・ハンドバック  なじみの人が、1か月後なぜかいなくなっている。いままで信じていた世界が一部知らないうちにかわっているような足元がぐらっとしたように感じるような話。 ・一千ドル 親子のすれ違い。若いもがきの痛々しさ。 強権的でいて、滑稽な、絶対権力者の父親 ・学ばなかった教訓  しつけの厳しい父親。だけど娘である語り手は  「あの日パパに教わったのは、責任というものをめぐる教訓ではない」 ・雛鳥狂騒曲  小鳥がかわいそうと言いながら周辺の皆を虐げていることは平気。 ・ヴァーティゴ  いう事を聞かない馬(ヴァーティゴ)になんとか力ずくで立ち向かう、マッチョ志向の父だが、上手くいかない無力さ。ただし、チャレンジをし続ける。 不良との小競り合いを淡々と。だけれども何とも言えない空気感と余韻のある話 ・アンディと蛇

Posted byブクログ