人類を救う哲学 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本書で主張されてる反経済成長・共生的価値観は、執筆時の2010年前後より「ミニマリズム」「地方移住」「緊縮財政」など様々な形で日本社会に表面化してきたことは興味深い。 こうした進歩史観への絶望を味わった人たちが、現代日本を回してるんだろうなと感じた。 特にバブル期の成長を味わってる世代は、希望からの転落の落差からより絶望が激しいのだろうと推測する。 日中韓アジア連合など、どことなく鳩山由紀夫っぽい世界観だと感じた。 本書では利己・傲慢が滅びへと繋がると主張しているが、それについては疑問を覚える。 というのも、人類史は傲慢な国が利他的な国を滅ぼしてきた歴史がほとんどだ。 利他的な価値観をもつチベットの現状を見れば、想像に易い。 つまり利他は力のあるものの自制の問題であり、前提として与えるだけの力が必要だと私は思う。 (著者はそれをわかった上で、読者に善を促すために単純化してるのかもしれない) ちなみに確か反哲学入門では『超自然』がプラトンより始まったものであり、古代ギリシャには残っていたという主張だったと思う。 一方こちらは農業を嗜むエジプトに元来あったものであり、エジプト人の奴隷であり農業をしなかったユダヤ人や、交易・戦闘民族であるギリシャ人には根付かず、人間中心の文明が出来上がっていったという違いが気になった。
Posted by
「草木国土悉皆成仏」の思想を再発見した梅原猛。16世紀以降のデカルト的近代哲学と科学の発展、それによる経済、産業の爆発的な成長が自然との共生を歪んだ方向にもっていってしまったという。
Posted by
稲森和夫氏の著作とのことで楽しみにしていましたが、やや期待ハズレ。哲学者梅原猛氏との対談でしたが、内容は現代社会への警鐘に始まり、宗教論など多岐に渡っていましたが、全体的に価値観の押し付けが多くどうにもピンとは来ず。
Posted by
京セラを設立し、経営者として日本のトップにいる稲盛和夫さん。 そんな人が「現代文明はここから先に進まなくても良い」と語る本書。 もう1人の著者は、人間中心の哲学を批判する哲学者梅原猛さん。 「足るを知る」という考え方をもって、現代に警報を鳴らす二人。 非常に興味深い会話形式のエ...
京セラを設立し、経営者として日本のトップにいる稲盛和夫さん。 そんな人が「現代文明はここから先に進まなくても良い」と語る本書。 もう1人の著者は、人間中心の哲学を批判する哲学者梅原猛さん。 「足るを知る」という考え方をもって、現代に警報を鳴らす二人。 非常に興味深い会話形式のエッセイ本と期待していたが、 読み進めるうちに、対談の内容に強い疑問を持つようになった。 これは人間の「善」の部分だけを純粋化した偏った理想主義なのではないか、 そして、その枠組みの中に、人間を囲い込もうとしているのではないかと。 自分たちがやってきたことだけを話のベースにしているように思えてしまう。 新しい学説や技術の創造のための勇気やたゆまない努力、尊敬すべきだが…。 誰もがそういう人間ではないということを頭に入れてはいないのではないか。 自分の中にある悪の部分を抑えて抑えて生きていくことなどできないと思う。 経営と学問のトップを走る二人だからこそ、具体化されうる怖さも感じた。 もっともなことを言ってはいるが、権威的なものも感じずにはいられない。 トップだけではなく、末端からの意見を汲み取るべきではないだろうか。 この枠組みが全世界をかけて、うまくいくとは到底思えない。無理だ。 人間は皆が同じ能力を持ち、同じスタートラインの上にはいないのだから。 ある枠組みは機能し始めると、そこから零れ落ちる存在に対しては冷酷だ。 1つの宗教や哲学、政治的主義で人間を全てを囲うことは出来ないと思う。
Posted by
吉村教授に誘われてエジプト旅行を体験したお二人による対談。ギリシャやイスラエルの文明は崩壊に向かう・・それは自然を破壊し欲望を増殖させたから。しかしエジプトは太陽信仰があった。朝日が昇り夕には陽が沈む。太陽こそ自然の摂理であり、それは日本の天照信仰につながる。 キリスト教的な一神...
吉村教授に誘われてエジプト旅行を体験したお二人による対談。ギリシャやイスラエルの文明は崩壊に向かう・・それは自然を破壊し欲望を増殖させたから。しかしエジプトは太陽信仰があった。朝日が昇り夕には陽が沈む。太陽こそ自然の摂理であり、それは日本の天照信仰につながる。 キリスト教的な一神教は道は進歩しかないが、日本のような多神教は自然を破壊せず共生していく。仏教は知足の文化・・節度ある生き方が望ましい・・・。 お二人の熱い対話は続く。国の先行きを憂い、それを乗り越えていく方法を真摯に考えようではないか。
Posted by
- 1
