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サブリミナル・インパクト の商品レビュー

3.5

33件のお客様レビュー

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2016/10/18

世の中のあらゆる情報、音楽や映像などが人間の潜在意識にどのように働きかけ、それが行動というものにどのように結びついてくるのか。 やや専門的な内容もあるが、わかりやすく説明しています。 潜在認知というものを理解していくと人に何を伝えるかどう伝えるかということの仕組みが分かってく...

世の中のあらゆる情報、音楽や映像などが人間の潜在意識にどのように働きかけ、それが行動というものにどのように結びついてくるのか。 やや専門的な内容もあるが、わかりやすく説明しています。 潜在認知というものを理解していくと人に何を伝えるかどう伝えるかということの仕組みが分かってくるし、外部からの情報をどのように取り入れるかということも分かってきます。 中でも第4章と第5章の内容は抜群に面白いです。 おすすめです。

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2015/12/03

『サブリミナル・マインド』(中公新書)、『〈意識〉とは何だろうか』(講談社現代新書)に続く、著者の3冊目の一般向けの本です。 本書は、現代テクノロジーが人間の潜在的な情動にどのように働きかけているのかということを解説しています。また、アーキテクチャをめぐる倫理的な問題提起もなさ...

『サブリミナル・マインド』(中公新書)、『〈意識〉とは何だろうか』(講談社現代新書)に続く、著者の3冊目の一般向けの本です。 本書は、現代テクノロジーが人間の潜在的な情動にどのように働きかけているのかということを解説しています。また、アーキテクチャをめぐる倫理的な問題提起もなされています。 先の2冊と比べると、やや問題領域が拡散しているような印象もありますが、こちらも興味深く読みました。現代のテクノロジーと人間の自由や倫理をめぐる問題になると、どうしても社会学的な文脈に頭が移ってしまうのか、著者の控えめなスタンスにちょっともどかしさを覚えました。むろん実証的な認知神経学の諸成果を踏まえてこそ、意義のある議論が成り立つということは分かるのですが。 最後の創発に関する議論は、著者自身まだ十分に考えを詰めていない段階なのかもしれません。

Posted byブクログ

2014/12/31

Sat, 11 Apr 2009 これもヨーロッパ出張にもっていって飛行機の中で読みました. 下條信輔先生は日本の認知脳科学(かな)で上位知能の研究の有名人. 特に潜在的な認知について,研究されている. 今回は,数年ぶりの新書ということで,かなり,軽い(?)内容だ. しかし...

Sat, 11 Apr 2009 これもヨーロッパ出張にもっていって飛行機の中で読みました. 下條信輔先生は日本の認知脳科学(かな)で上位知能の研究の有名人. 特に潜在的な認知について,研究されている. 今回は,数年ぶりの新書ということで,かなり,軽い(?)内容だ. しかし,社会的な危機意識もあってか,政治やメディアの問題に入っていくあたり, 脳科学者(非解剖系)と現代思想家・論客の距離的近さを感じる. (茂木健一郎しかり・・・) はじめ,視線と好意の関係で,実は,自らが相手を好きと意識する前に,視線の方が先に動いているという実験結果を示す. 行動と思考において,西洋的思想の一般的には知覚 >> 思考 >> ;行動の図式をとる. しかし,ユング流の逆の時間の流れはとらないにしても, 意識的な思考に媒介されず,行動が先に表出し,それを追認する形で意識に現れてくるということは,結構あるようだ. また,人間の記憶においても,意識の上で覚えたものよりも,理屈でなく潜在的な意識下で覚えたものの方が,無意識のうちに私達の行動を制約するという. そのはなしのながれのなかで,イラク戦争時のブッシュ政権の情報操作を批判,検討する. (このあたりから脳科学・認識の本としてはある程度逸脱が生じ始める.) 新聞の写真の表現に編集者の意図的な情報操作をよみとったり, 後半はさながら記号論,メディア論研究である. 議論はわかるが,どこまでそれが脳「科学」の知見に立脚してるのかは微妙である. 脳科学はどこかフワフワ漂う. 新書として読む分には面白くて,多少考えさせられる. まじめに下條氏の研究を勉強したい場合は,過去の本を参照したほうがいいのかもしれない.

Posted byブクログ

2014/02/25

・視線のカスケード現象。二つの顔を比べて好きな方を選ぶという課題。最初は均等に二つの写真を見ているが、選択するボタンを押す1秒くらい前から視線が偏りはじめ、片方を見ている確率が80%くらいに増大した時点でそちらをより魅力的と判断してボタンを押している。 二つの顔の魅力度を揃えてお...

・視線のカスケード現象。二つの顔を比べて好きな方を選ぶという課題。最初は均等に二つの写真を見ているが、選択するボタンを押す1秒くらい前から視線が偏りはじめ、片方を見ている確率が80%くらいに増大した時点でそちらをより魅力的と判断してボタンを押している。 二つの顔の魅力度を揃えておいても、極端にしていても同様だった。好きな方ではなく、嫌いな方を選ぶとか丸顔を選ぶ、などの課題ではカスケード現象は生じない。好きな図形を選ぶなどでも同様の結果だった。目隠しして布の感触から好きな方を選ぶ課題でも同様の傾向がある。 ・言語はもともと動物の叫び声やほえ声のように情動的な新号だったはずで、それが次第に状況を記述したり、情報を伝えたりするものへと進化してきたと考えられる。これが言語の進化の主な道筋です。だとすると、そこから枝分かれした、いわば裏街道で、逆に情動的なコミュニケーションに特化して発生したのが音楽だとは考えられないでしょうか。 ・これらの結果は何を意味しているのでしょう(ポーカーのセミプロと一般人がPCでポーカーゲームをすると、セミプロの方が手札の計算などの回路の活動は低く、全体的な活性化はセミプロの方が高い。その脳の使い方は他のくじ引きなどのゲームでも敷衍される。) まず何かに習熟するとはどういうことか、それにヒントを与えてくれます。習熟するとは、同じ理論/計算をより全力をあげてやることではありません。考えてみれば当たり前の話です。そうではなく、状況や手がかりから実際の計算をせずに直感的に解くことなのです。 ・ポーカーの研究は「神経系の活性化」がゲームの面白さ、ひいては快感につながることを示しています。しかしそれだけではありません。ポーカーのゲームを複雑にしている要因…たとえば報酬や感覚間の統合、メンタライゼーション(相手の思考を読むこと)など「社会的な知能」の動員が欠かせないのではないか。そういうことも示唆しているのです。 …このような社会的知能がそうでない(たとえばモノを操作する)知能の基盤になっていて、決して逆ではない。これがポイントです。ポーカーのセミプロの脳内活動のパターンは、まさにこのことを連想させるものだったのです。 この結果を見たとき私は、ポーカーが不滅の人気を誇ることも納得できる気がしました。それとともに、現代社会における音楽の隆盛を理解するヒントを得たように思いました。よく考えると、この章の前半で音楽の起源として挙げた四つないし五つの説は、すべて社会的知能に関わるものではありませんか(求愛説、集団のアイデンティティ説または儀式/祭礼説、子育て説、そして言語との共通起源説です)。 ・モンキーTVプロジェクト。 サルがジュースを得るために視覚識別を行っているときと、ジュースの報酬なしでただ単にショートムービーを観ているときとで、それぞれ特異的に反応するニューロンを探した(サルに見せたムービーは、毎週Youtubeからトップ10のムービーをダウンロードして使いました。動物が出てくるムービーや、カンフーなどのアクロバティックなアクション物が、サルは特に好きなようです)。 結果は興味深いものでした。調べたニューロン全体のうち、約3/5が報酬に応答するニューロンでした。そのうちの約半分がジュースの報酬のみに反応するニューロンだったのは、従来の知見通りでした。しかしそれ以外に、ムービーだけに反応するニューロン、ジュースとムービーの両方に反応するニューロンが、それぞれ1/4ぐらいずつ見つかったのです。 ・知覚は注意を向けた対象の変化を、わずかでも敏感に検出するのが特に得意なのです。親近性へのチューニングが、新奇なものの検出を助けたことになります。この「新奇なものを検出する」機能は、時間軸上、または空間軸上での「ポップアウト」現象(特に目立つ物が飛び出して見えたり聞こえたりする現象)と言い替えることもできます。そうです、「地」から「図」が飛び出す仕組みに他なりません。地と図が互いに相手を強調し合うように、親近性と新奇性も相手を強調し合う仕掛けになっています。

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2013/05/02

ずいぶん昔のことだが、サブリミナル効果というものが世間を賑わしたことがあり、その時、人の心の潜在意識について、あちこちで話題になったことを覚えている。 人は何らかの意思をもって行動するとき、それを起こす要因となった情動はどこからきているのか?それに潜在意識はどう関与しているのか。...

ずいぶん昔のことだが、サブリミナル効果というものが世間を賑わしたことがあり、その時、人の心の潜在意識について、あちこちで話題になったことを覚えている。 人は何らかの意思をもって行動するとき、それを起こす要因となった情動はどこからきているのか?それに潜在意識はどう関与しているのか。また顕在意識と潜在意識とはどのような関係にあるのか。 そして、これらの科学を駆使して、やってくる周辺環境に対してそれを見抜いて抗うことができるのか?そこもまた興味深いところです。 また、本書の終わりには、いわゆる暗黙知と形式知についても言及されており、現在、ある事象について、暗黙知を形式知にするためにはどうすればいいかを考えており、その一助にもなった一冊でした。

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2020/05/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

 本人も与り知らない無意識の認知メカニズムの存在が、ヒトの本性を規定するとともに、現代社会に特有の諸現象にも深く影を落としている。日常の行動のかなりの部分が、無意識の仕組みにになわれている。自由な意思による選択にも無意識が関与している。習慣化した行動やからだの慣れが、理性的判断を裏切ることもある。  人間の記憶の大部分は、むしろ潜在的である。人のからだは、感性的な判断が働く前に、からだの生理や記憶が反応してしまう。大脳皮質の高次レベルの認知機能とは無縁のところで、さまざまな身体の適応機能が働いている。しかも、低次や皮質下の働きは自覚されにくい。そのため無意識の優位反応を練習で培い、期待した結果が得られるように「練習は本番のつもりで。本番は練習のつもりでやれ」などと言われるのである。  2012年6月11日 紀伊国屋書店 流山おおたかの森店で購入 1996年10月25日 初版、2011年3月25日 第14版

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2012/03/08

全体として面白い しかし学問がいつもそうでありがちなように部分にばかり眼が行っていて 物理的に過ぎるように思う 確かに一般向きに書かれているとはいえ 随分と専門用語や造語らしきものや熟語が多い どうせならばもう一歩普通の言葉にまで噛み砕いてくれたならば 読む方も素直に...

全体として面白い しかし学問がいつもそうでありがちなように部分にばかり眼が行っていて 物理的に過ぎるように思う 確かに一般向きに書かれているとはいえ 随分と専門用語や造語らしきものや熟語が多い どうせならばもう一歩普通の言葉にまで噛み砕いてくれたならば 読む方も素直に楽しめるし読者層も増えると思う たとえばここでは未知(知らないこと)を新奇性と呼びなおしたり 既知(すでになじんでいること)を親近性と呼ぶ 著者にとってはニュアンスの違いを感じるのかもしれないけれど 読者にとって見慣れない字で流れをさえぎられることを考えると勿体無いと思う 潜在と健在を無限と有限ととらえるならば 情動系と認知系には相対するべき愛系が抜け落ちているように思える

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2011/09/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

同著『サブリミナル・マインド』に続く著作、彼曰く「サブリミナル・マインドは基礎編、サブリミナル・インパクトは応用編」らしいです。が、どっちから読んでも構わないと感じました。 サブリミナル、つまり知覚されない精神や感情等(平たく言えば無意識)について脳神経分野や脳科学の分野から展開されています。 単純提示効果や認知的不協和、また「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい」という理論を至って平易に解説しています。 作者が危惧する点、 マーケティング戦略や政治の広告等にこれが応用されている…小泉元首相の分かり易い二分法(善悪二項対立)やブッシュ前政権の「テロとの戦い」についてもそのナショナリズムを「サブリミナル」な視点から述べています。 他にも、快楽はどこから来るのか? 天才(独創性の高い人物)の要素とは? など、興味深い内容となっています。 ただ、先述の天才論については詳細なデータ等が無く、あくまでも作者の論証によって展開されているため懐疑の念が拭えないです(笑) それを差し引いても面白い! サブリミナル、つまり意識に上らない情報やその理論を解明したことについては瞠目に値します。また難しい語句等は使用しておらず、初心者からでも内容の理解できるものとなっています。「これが新書だ!」と言えるくらい(笑) 無意識に自動化された思考を今一度考えなおす。この本はそういう事を言いたいんだろうと思いました。 また後半で、「天才の閃き等は様々な学問の知識が無意識のうちに連携して、突然スパークする」云々ありましたが、それは僕も常々思っていたことで、多様な視点から考察することで解決できる問題も多いと感じます。 学校教育問題も、その分野だけでなく、社会心理学や文化心理学、また歴史、今流行りの複雑ネットワーク等、一つの問題を解決するにあたり、一つの学問だけに傾倒する。これではいずれ限界が見えてきます。ついでに言えば、縦割り学問の教育には辟易しますね(笑) ま~そんなことを教えてくれた(改めて気付かされた)一冊でした☆

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2011/07/27

非常に興味深い示唆と空中分解じみたややこしさが共存する一冊。 情動・潜在認知から如何に社会現象を論じることが出来るか、という試みの書でもある。 本書の構成を(無理やり)3つに分けるなら、 ・主張 ・データと先行研究 ・主張 という感じで、どうしても中だるみ感が拭えな...

非常に興味深い示唆と空中分解じみたややこしさが共存する一冊。 情動・潜在認知から如何に社会現象を論じることが出来るか、という試みの書でもある。 本書の構成を(無理やり)3つに分けるなら、 ・主張 ・データと先行研究 ・主張 という感じで、どうしても中だるみ感が拭えない。 一方で終章前後は伝えたいメッセージらしきものが見えてきて、とてもスリリングかつ野心的な著者の研究状況を感じることが出来て面白かった。読んでて楽。 ガチの教養とするには浅いし、自慢げに話すネタとしてはちょっと硬い、 総じてこんな感想です。 ところでちゃんと参考文献の一覧を巻末に書いている辺りが誠実で良いですね。

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2011/05/28

サブリミナルというより潜在知に関する雑多な話。政治の話とかは結構深刻だと思うのだが、わりとあっさり書いてた。

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