シビックプライド の商品レビュー
10年以上前の本になるが、今でも気付けることが多々あり、また、それを求められていると言うことが、この「シビックプライド」と言う考え方が日本でなかなか浸透していないことを表しているのかなと思う。 都市計画のあり方として、今般、「シビックプライド」と言う言葉を掲げている自治体はいく...
10年以上前の本になるが、今でも気付けることが多々あり、また、それを求められていると言うことが、この「シビックプライド」と言う考え方が日本でなかなか浸透していないことを表しているのかなと思う。 都市計画のあり方として、今般、「シビックプライド」と言う言葉を掲げている自治体はいくつもあるが、本当にこれを市民に抱いてもらえるように醸成しようとしているのはどれくらいだろうか。 本書で示している海外の事例のほとんどが、市民と一体となって行う、市民を巻き込んで行うために、細やかなワークショップをベースに、魅力的な情報発信を行なっている。 しかしながら、日本の自治体における計画は、読むのに一苦労する雑誌ほどの厚みの計画を作るだけ作った後、これを広く市民に知ってもらおうとする努力が足りていないと思う。 何のための計画なのか、誰に知ってもらいたくて作っているのか、このポイントを打ち砕かなければ、市民が自治体を見てくれようとはしないのでは内かなと思う。自治体が、基本となる計画を市民に伝えようとしないのだから。 本書に記された海外の事例を海の向こうの別次元の話として捉えるのではなく、自らの自治体でどのようにいかせるかを、真剣に考えなければいけいない。 遅い、と言うことはあっても、間に合わないと言うことはない。 そんな 、自治体のあり方を見直そうとさせてくれる良い一冊でした。
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改めて地域を考える、自身の活動とどう関連させていくか、インプットとアウトプットのバランス、toではなくwith
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ヨーロッパの地方都市の再生について、主にデザインの観点から書かれています。都市の写真が美しく、この本自体の見た目もいいです。 もちろん、外見だけでなく、都市を育てるためのヒントが多く書かれていて、ためになります。
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シビックプライドとは、言葉通り、「市民が都市に対してもつ誇りや愛着」のこと。私は、いわゆる技術的な、ハード的な意味での都市・都市計画・建築といったものに対しては、最終目的としての関心は薄いです。 むしろまちへの愛着とか生活の幸福感のほうに興味の重心がある身として、この本はど真ん中...
シビックプライドとは、言葉通り、「市民が都市に対してもつ誇りや愛着」のこと。私は、いわゆる技術的な、ハード的な意味での都市・都市計画・建築といったものに対しては、最終目的としての関心は薄いです。 むしろまちへの愛着とか生活の幸福感のほうに興味の重心がある身として、この本はど真ん中の本でした。 シビックプライドは曖昧な概念です。 それゆえ、この本ではあえて厳密な定義をせず、西欧の都市事例(少し持ち上げすぎではないかと疑う。笑)を畳み掛けるように紹介することで、シビックプライドへの期待を高めてくれます。 みんな(この"みんなとは誰か?"問題は残る)が自分のまちを好きになると、こんなにワクワクするんだ、QoLが向上するんだ、という夢を持たせてくれました。
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オープンハウスロンドンに関する記事を探していて見つけた本。 「I Amsterdam」で成功したアムステルダムなどシティプロモーションやシティブランディングに関する海外事例を集めている。 「まちづくり」という言葉が好きではないのだけど、都市に愛着と誇りを持とうとする「シティプラ...
オープンハウスロンドンに関する記事を探していて見つけた本。 「I Amsterdam」で成功したアムステルダムなどシティプロモーションやシティブランディングに関する海外事例を集めている。 「まちづくり」という言葉が好きではないのだけど、都市に愛着と誇りを持とうとする「シティプライド」という言葉は私は割と好きかもしれない。 2015年に「シビックプライド2」が発売されていて、こちらは国内編となっている。
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"You are Your City"「あなた自身があなたのまちです」 このメッセージに代表される「シビックプライド」という概念は、「当事者意識を持つ自負心」を指す。プライドは個人が持つものであるが、そのプライドは個人の力だけでは完結し得ない。理想や救いが、都...
"You are Your City"「あなた自身があなたのまちです」 このメッセージに代表される「シビックプライド」という概念は、「当事者意識を持つ自負心」を指す。プライドは個人が持つものであるが、そのプライドは個人の力だけでは完結し得ない。理想や救いが、都市とそこに暮らす人たちから与えられ共有されることで、自分自身が都市のかけがえのない一員であると認識し、都市に誇りを感じるようになる。 本書では、この「シビックプライド」を醸成するためのコミュニケーションデザインを、欧州各都市の事例を挙げて検討している。 特に英国での事例が多く取り上げられているのは、シビックプライドという概念が産業革命時代の英国各都市で先駆的に醸成されたものだったからだと本書は指摘する。 当時は市庁舎・大聖堂・ミュージックホールなどの大規模な公共建築を通じて、都市のプライドが礼賛された。そして両大戦を経て英国病の苦しみを体験した英国では、サッチャー政権からブレア政権の時代に各地で都市再生が叫ばれるようになる。それは物質環境に留まらないソフト面での充実、すなわち「人の再生」を志したものだった。 都市が人々の中で誇らしく偉大な存在になれるかは、都市が彼らのエモーションを喚起し、それに真摯に応えられるシステムとなっているかどうかに拠る。 そのツールとなるのコミュニケーションをどうデザインするかは、長期的な視野に立ち戦略性を持ちながらも試行錯誤していく他はない。 紹介されている事例が、日本の各都市にそのまま置き換えられるものでないことは当然だが、シビックプライドを醸成するために必要な要素がシンボル的に可視化されてくる。 マクロな視点の本だけに、ミクロな部分への示唆に富んだ一冊。繰り返し読みなおしたい。
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環境システム学科の先生が特におススメしていた1冊!豊富な図版で読みやすい。 (芝浦工業大学大宮図書館スタッフT)
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綺麗な写真で、シティブランディングの事例がよく分かる。 プランナー的に使いやすい要素が多々あり、とても助かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み終わり。第1章で海外事例を展開して、第2章で論考、そして最後にシビックプライドの育て方の提案。 海外の事例はアムステルダムやバルセロナ、イギリスの事例など、建築から広告にいたるまで、地域もアプローチの仕方も様々な先進事例が紹介されていて、読みながら福岡でできるのか?既に取り組んでいるものもあるのでは?もっと深く関わっていけるものはないのかとぐるぐる。 シビックプライドの育て方 :誇りの種を発見→誇りの種を植える→誇りの芽を育て世話をする→繰り返し 詳しいレビューは他の方のレビューが参考になるので控えます。 改めて、まちづくりとはハードとソフト、ロジックとエモーションと、生きて行く知識の総合フィールドだなと実感。もっともっと人間力あげて取り組んでいく分野だな。まちづくりの本もだけど、古典的な本も読みたくなった。 正直一回読んだだけでは血肉になった感がないので、もっと色々勉強した後にまた読みたい。
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Civic Prideというと事例紹介されるのはやっぱりアムステルダムやバルセロナなのかな。p12の「ケーススタディに見る都市のコミュニケーション・ポイント」という切り口は面白かったので、もっとWeb/映像/印刷物やフード/グッズの切り口に力を入れている事例も紹介してもらえると嬉...
Civic Prideというと事例紹介されるのはやっぱりアムステルダムやバルセロナなのかな。p12の「ケーススタディに見る都市のコミュニケーション・ポイント」という切り口は面白かったので、もっとWeb/映像/印刷物やフード/グッズの切り口に力を入れている事例も紹介してもらえると嬉しい。あと最後の「シビックプライドの育て方」のまとめ方も、当たり前といえばそうだけれど、分かりやすくて気に入った。
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