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シビックプライド の商品レビュー

4.2

27件のお客様レビュー

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2011/05/16

特に先進国の都市で都市間競争が進んでいると主張。生まれ育ったという特権がない人にも選択してもらえないと、衰退する。 そういった問題意識のもと、都市が持続し、豊かになっていくためのコミュニケーションデザインの事例がきれいな写真とともに紹介されていて、眺めるだけでも面白い。 印象にの...

特に先進国の都市で都市間競争が進んでいると主張。生まれ育ったという特権がない人にも選択してもらえないと、衰退する。 そういった問題意識のもと、都市が持続し、豊かになっていくためのコミュニケーションデザインの事例がきれいな写真とともに紹介されていて、眺めるだけでも面白い。 印象にのこったキーワードは、 ・都市再生には文化的な挑戦が必要(ニューキャッスル/ゲイツヘッド事例) ・公共空間はそれ自体がメディアである。 また、都市の再生計画を推進するために、どの事例でも、粘り強く丁寧な市民向けの活動(展示会、参加型イベント、ロゴ・グッズの作成、計画的なマーケティングなど)が行われていることがわかった。 日本においてはどうだろうか。欧州の都市には歴史的な建造物が残っていて、それだけできれいに見える。日本は木造式の建物が多かったせいか、地震が多かったせいか、いまは歴史的な建物が少ない。歴史にもとづくシビックプライドでないものを求めるべきなのか。ある程度の緑と文化は共通して必要なのか?等、いろいろと考えさせられた。

Posted byブクログ

2011/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

建築はメディアなのである、そしてパブリック・アートも警官も公共空間も市民を鼓舞し、 都市を生きていくためのプライドを届ける手段なのである。 ト氏はシステムであると同時に、触れることのできる無数のオブジェクトの集まりである。 都市計画課は都市システムをデザインし、プロダクトデザイナーはゴミ箱やつり革や街灯をデザインする。 しかし私たちが体験する都市は、どちらかだけで成り立っているわけではない。 日本でもシビックプライドの概念が注目を集めている。 その背景には日本の都市が直面している2つの社会的変化がある。 ①縮小社会の到来:中法の小都市ではすでに大きな問題となっている人口減少は、今後大多数の都市の経験するところとなるだろう。 ②地方分権化による都市間競争の発生;90年代半ばに本格稼働した地方分権化の中で、都市はそれぞれの個性や目指す方向を明確にし、 住む場所・働く場所・学ぶ場所として選ばれることに意識的にならざるを得なくなってきている。 個人のプライドがシビックプライドとなって年に還元されていく。だから、都市が人に誇り高い人生を与えるだけでなく、 そのように年を自分自身と重ね合わせる人々のアイデアや技術などの資本が年にとっての財産なのである。 シビックプライド自信をデザインして市民に届けることはできない。シビックプライドは個人の中で醸成されるものだからである。 デザインすべきはシビックプライドの形ではなく、シビックプライドを醸成するコミュニケーションである。

Posted byブクログ

2010/05/09

美しい写真と情報価値の高い新たな視点で、EU統合によって地域文化への見直しが進む、現代の欧州の都市のコミュニケーションデザインの先進的な取り組みについて、おそらくはじめて体系的に紹介した素晴らしい本だ。18世紀にイギリスで生まれた「シビックプライド(=市民が都市に対してもつ自負と...

美しい写真と情報価値の高い新たな視点で、EU統合によって地域文化への見直しが進む、現代の欧州の都市のコミュニケーションデザインの先進的な取り組みについて、おそらくはじめて体系的に紹介した素晴らしい本だ。18世紀にイギリスで生まれた「シビックプライド(=市民が都市に対してもつ自負と愛着)」という概念をテーマに、単なる地域振興や地場産業促進ではない、市民を主役にした新しい都市の活性化のアプローチを探っている。 事例では、オランダのアムステルダムの"I amsterdam"キャンペーンや、建築とアートで都市再生に成功したニューキャッスル、新旧を融合するハンブルグの港湾都市再生プロジェクト、バルセルナのクリエティブ都市への継続的な取り組み、ボルドーのガロンヌ川を軸にした新しい都市求心力の創造など、環境変化に対応し、自らの都市の歴史や資産を再認識しながら都市のアイデンティティを再生していくダイナミックなプロジェクトが紹介されておりどれも非常に興味深い。 これらの取り組みに共通するのは、観光や誘致・地場品販促のための外部向けの情報発信ではなく、住民が愛着・誇りを持てる都市のアイデンティティと求心力の創造を図っていること、そしてデザインやクリエティビティなどの感性価値のパワーをうまく活用していることだろう。 そういえば、かつての江戸の街は、莫大な人口を限られた資源とエネルギーでまかなうために、リサイクル・リユースなどの高度な循環型社会が成立していたエコシティだったという(木造建築と運河に彩られた、美しい江戸の街の姿を生で見てみたかったものだ)。また、例えば今日の東京は世界中のあらゆる食の資源が集中し、新たな価値が生み出される世界を代表する「食文化の都市」でもある。 グランド・ビジョン不在で秩序なくアメーバのように増殖・変貌を遂げているところも今日の東京という都市の独自の魅力ではあるが、経済主導のビルや道路づくりではなく、住民にとって自然豊かな環境都市として快適でエネルギー負荷の低い街の姿を豊かなクリエティビティで再生するとともに、圧倒的な魅力のある情報コンテンツを生み出すヒトのソフト・パワーの集積した都市の魅力をより活性化していってほしいと思う。

Posted byブクログ

2010/04/25

ヨーロッパなど都市計画が早い段階から進められてきた地域の成功例を紹介しながら、グローバリゼーションにおける都市計画のあり方を「シビックプライド=市民が都市に対して持つ自負と愛着」から考える試み 著者はシビックプライド研究会代表も務める方である 写真が多く掲載されているので(...

ヨーロッパなど都市計画が早い段階から進められてきた地域の成功例を紹介しながら、グローバリゼーションにおける都市計画のあり方を「シビックプライド=市民が都市に対して持つ自負と愛着」から考える試み 著者はシビックプライド研究会代表も務める方である 写真が多く掲載されているので(7割ぐらいはビジュアルの要素)専門を問わず観光気分で読むことができる 特にヨーロッパの記事に関しては日本にはない独特の国柄・デザイン気質が現れていて面白い この本の優れているところは、後編に「論考」と称し、ヨーロッパのシビックプライドを普遍の手法として捉え直しているところだと思う 日本にとってはまだ馴染みの浅い言葉だが、どの地域の人々も根源に持っている感覚であることには間違いなく、今後研究会からどういう成果が報告されるのか楽しみ

Posted byブクログ

2010/02/13

シビックプライドの醸成という切り口で欧州のアーバンデザインプロジェクトの取り組みをまとめた本です。 建築や景観、グラフィックデザインや情報システム、ロゴマーク、イベントといったソフト面に至るまでをシビックプライドという一つの目的のために戦略的に活用し、再生を果たしてきたきた欧州...

シビックプライドの醸成という切り口で欧州のアーバンデザインプロジェクトの取り組みをまとめた本です。 建築や景観、グラフィックデザインや情報システム、ロゴマーク、イベントといったソフト面に至るまでをシビックプライドという一つの目的のために戦略的に活用し、再生を果たしてきたきた欧州の取り組みからは、これからの日本でも学ぶべき多くの知見があるようです。 個人的には本書のブックデザイン自体も好きで、参考になります。 さすが代理店、情報整理がうまいなあと関心します。 軽く読める本ですのでおすすめです。

Posted byブクログ

2009/10/04

著者は、私の大学院時代の研究室の教授である。 都市と広告マーケティングを掛け合わせた事例がコンパクトにまとめられている。 主に先進事例としてヨーロッパ各都市を取り上げられている。 個々の事例は面白く、今後の日本における指針ともなり得るだろう。 本書は、「領域を跨ぐ」という意味で...

著者は、私の大学院時代の研究室の教授である。 都市と広告マーケティングを掛け合わせた事例がコンパクトにまとめられている。 主に先進事例としてヨーロッパ各都市を取り上げられている。 個々の事例は面白く、今後の日本における指針ともなり得るだろう。 本書は、「領域を跨ぐ」という意味では、私が目指している目標の一つであり、非常に素晴らしいモノだと実感している。

Posted byブクログ

2009/10/04

と、いう言葉に頼らないでまちづくりを表現したいと「実は」考えている今日この頃です。 愛知と栃木になにかしらの恩返しをしたいのです。

Posted byブクログ