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泥ぞつもりて の商品レビュー

3.5

50件のお客様レビュー

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  5. 1つ

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2009/12/05

「雨の塔」「白蝶花」がふつう、くらいだったけど、これは良かった。この人の好きなところが濃く出てたので。 陽成帝の母、高子を中心に。 多分時代考証とかはツッコミどころが多いと思うけど、メインはそこじゃないから問題なく読めた。 男女の、男同士、女同士の恋。 兄と妹、父と娘、姫と女房...

「雨の塔」「白蝶花」がふつう、くらいだったけど、これは良かった。この人の好きなところが濃く出てたので。 陽成帝の母、高子を中心に。 多分時代考証とかはツッコミどころが多いと思うけど、メインはそこじゃないから問題なく読めた。 男女の、男同士、女同士の恋。 兄と妹、父と娘、姫と女房の情。 「そなたはあの夜、誰よりも美しかった」 女が、美しい女の美しさを貴いものに思うこと。 ある不自由な境遇に置かれた女たちの、何を苦痛に思って何を望むのかは、当然ひとりひとりで違っているということ。 この人が書いてくれる自分の好きなところ。 相変わらずよく目配りがされている。 阿衡の紛議で「よっしゃあ出家するか!」て大喜びするくらい疲れちゃってる藤原基経がいい。 半生(もっとかも)にわたる、喧子の高子への片思いの話。に見えた。

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2011/08/30

藤原高子を中心とした、天皇四代にわたる御代のお話。 天皇による親政を望みつつも、思うように生きられない帝たち。 政治の道具として後宮に送りこまれ、叶わない思いに苦しむ女たち。 男も女も、ままならぬ思いに苦しめられるのはいつの世も同じ。 そういう意味では現代と地続きのような感じがし...

藤原高子を中心とした、天皇四代にわたる御代のお話。 天皇による親政を望みつつも、思うように生きられない帝たち。 政治の道具として後宮に送りこまれ、叶わない思いに苦しむ女たち。 男も女も、ままならぬ思いに苦しめられるのはいつの世も同じ。 そういう意味では現代と地続きのような感じがして、登場人物たちの心情がすんなり心に入ってくる。 若手作家の時代物を読むと、何かこなれないというか、ちぐはぐな感じがすることがありますが、この本は全然そんなことなかった。 匂い立つような文章で読み手の感情を煽り、心の水面が波立つ感覚を味わわせてくれました。

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2009/11/09

偶然図書館でみつける。宮木さんの小説は連作形式なのがとても嬉しい。 平安時代が好きなのでのめりこみました。

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2009/10/04

覚書? *泥ぞつもりて 時の天皇、陽成そしてその周辺の者たち、紀氏の姫をめぐる物語 *凍れるなみだ 清和帝とそれをめぐる女性たちの物語 *東風ふかば 宇多帝と菅原道真、時の権力者藤原氏をめぐる物語

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2009/10/08

2009.08.12 平安の膿んだ艶めかしさに、権力を廻る思惑でがんじがらめになる。 思うようにならぬ身の上に嘆く姿が心に迫る。

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2009/10/04

久しぶりに小説読んだ!面白かった。 セレモニー黒真珠が気になっていたけど図書館に無い! 後どこかで宮城あや子に書かせるほど恋のドロドロというか濃さはない。 って事で読んでみた。 ちょうど古文で大嘗祭や新嘗祭を読み方覚えようって意気込んでいたところだったから目に入って読むこと決定!...

久しぶりに小説読んだ!面白かった。 セレモニー黒真珠が気になっていたけど図書館に無い! 後どこかで宮城あや子に書かせるほど恋のドロドロというか濃さはない。 って事で読んでみた。 ちょうど古文で大嘗祭や新嘗祭を読み方覚えようって意気込んでいたところだったから目に入って読むこと決定! いきなり主人公は年増好きやら人切ったら性的興奮を感じるやら近親相姦に近い同性愛。 濃ゆ! えっ!てなったのが一冊丸々この話でいくかと思ってウキウキしていたのに3分の1位で終わったこと。 オムニバス式形式で面白かったけどね。 いっそ天皇初代から遡って全部読んでみたいぐらいだった。 改めて実感したのは世界史より日本史のほうが好きだって事。 このドロドロとかもどかしさとか日本に感じられるものでよかった。

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2009/10/07

平安朝の女と男の物語。清和、陽成、宇多天皇と藤原北家、それを取り巻く女たち。 帝は国の頂点として、藤原北家の摂政は政の実権を、そして帝の元に入内する女たちは、それぞれが国のトップの地位を占めるも、その心は誰一人満たされることなく思い通りにならない。 ストーリー展開は突飛では...

平安朝の女と男の物語。清和、陽成、宇多天皇と藤原北家、それを取り巻く女たち。 帝は国の頂点として、藤原北家の摂政は政の実権を、そして帝の元に入内する女たちは、それぞれが国のトップの地位を占めるも、その心は誰一人満たされることなく思い通りにならない。 ストーリー展開は突飛ではないけど、文章がとても美しく、艶やかな色彩を感じさせる耽美な世界観が楽しめます。 何一つ思い通りにいかない人生を歩んできた、かつて憎みあった二人の女たちが寄り添い合う様子は美しくももの悲しい。

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2014/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

歴史モノを読むと、大抵の場合はああ勉強しておけばよかったなと思うのだけれど、今回は勉強したいなと思った。 そういや高校のときちょろっとやったなとかやっといて良かったなとか。 友情というには少し違う、女の子同士のつながりがとても良い。 おなごの苦労を描きつつ、種まきをさせられるがわの苦痛も同等に扱われているのが新鮮。

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2009/10/04

女は待ち、男は孤独を知る 清和、陽成、宇多天皇 いつの時代も女に生まれれば同じこと 平安末期にまつわる男女の尽きせぬ狂おしい想い 「儚いものえ、花も、女も」 紫宸殿の奥、七殿五舎には隅々まで、そこに暮らした女たちの流した血と堪えても溢れた涙が染み込んでいる。 「余はこれから何人...

女は待ち、男は孤独を知る 清和、陽成、宇多天皇 いつの時代も女に生まれれば同じこと 平安末期にまつわる男女の尽きせぬ狂おしい想い 「儚いものえ、花も、女も」 紫宸殿の奥、七殿五舎には隅々まで、そこに暮らした女たちの流した血と堪えても溢れた涙が染み込んでいる。 「余はこれから何人の女を抱かねばならぬのだろう」 救ってくれと主上は言った。救うために天子となる子を産む。それ以上はきっと求められない。主上はおそらくわたくしを愛したりはしないだろう。 R-18文学賞受賞『花宵道中』の著者が描く艶やかな愛のかたち

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2009/10/04

平安時代の恋愛模様を描いた作品。恋愛といっても自由恋愛ではなく、世継ぎを生むための女の争い模様など描かれておりなかなか興味深かった。

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