エンジン・サマー の商品レビュー
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切ないです。一生懸命喋ってることをひたすら記録される〈しゃべる灯心草〉、彼は文明が滅んだ世界で聖人になるためにいくつもの共同体を巡りたくさんの人に会うけれど。。 自分探しの旅かな、と思ってたら最終的に…天使たちに何かを教えるためにコピーされたのかな。浮いてる島それはラピュタ、と思っていたら終盤で「ラピュタ」と呼ばれていました。ガリバー旅行記の頃からラピュタはあるのでもう古代遺跡みたいなものか。 ラスト切ない。いつもはスイッチ切られてるのかな……このことを踏まえて最初に戻ると。。
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遠い未来のアメリカ、インディアンの末裔たち、天使たち(過去の人間)が残した機械文明の残骸を利用し生きる。あれ?どこかで読んだ設定。と思ったら、つい先日読んだル=グインのオールウェイズ・カミングホームに設定が似ている。内容は、しゃべる灯心草という名の少年が語る自らの物語。ラストを読...
遠い未来のアメリカ、インディアンの末裔たち、天使たち(過去の人間)が残した機械文明の残骸を利用し生きる。あれ?どこかで読んだ設定。と思ったら、つい先日読んだル=グインのオールウェイズ・カミングホームに設定が似ている。内容は、しゃべる灯心草という名の少年が語る自らの物語。ラストを読んで、最初に戻ると切ない・・・。幻想系のSF作品。
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9/24 読了。 はるか数千年前、機械文明は死に絶えた。地上に残った人びとが作りだした蜂の巣状の迷路街リトルビレアでは、「ひも系」「みず系」「このは系」「しめがね系」などと呼び習わされるトーテムを同じくする者同士が結びつきながら暮らしていた。文明崩壊後に空を目指した人びとのことは...
9/24 読了。 はるか数千年前、機械文明は死に絶えた。地上に残った人びとが作りだした蜂の巣状の迷路街リトルビレアでは、「ひも系」「みず系」「このは系」「しめがね系」などと呼び習わされるトーテムを同じくする者同士が結びつきながら暮らしていた。文明崩壊後に空を目指した人びとのことは長い時間を隔てて伝説の物語となり、リトルビレアでは彼らを<天使>と呼んでいた。物語の記憶を司るトーテム「てのひら系」の少年<しゃべる灯心草>は、あるとき<一日一度(ワンスアデイ)>という「ささやき系」の少女と出逢う。互いに惹かれ合うものの、ワンスアデイは自らのルーツを求めて、リトルビレアの外からやってきた<ドクターブーツのリスト>の人びとについて行ってしまう。いつか聖人になりたいと願う<灯心草>も、彼女からしばし遅れてビレアを出、外の世界を見に行く決意を固める。 幹線道路やネジや時計やアメリカ国旗が今と全く違う意味を持って神話と化した世界で、ネイティヴ・アメリカンのようにトーテムを重視するビレアに生まれ、猫(虎)を神のように崇めて都市の遺跡でヒッピー的な生活を送るリストの人びと、荒野に散らばる遺物を拾って暮らすアベンジャー、そして空の都ラピュタの天使たちに出逢う<灯心草>のジュブナイル小説。SFのサイエンスの部分が巧妙に隠されているので、口承の物語のなかにある「なぜ世界がこうなったのか」のヒントを繋いでいくのが楽しい。文明崩壊後の世界は一見ユートピアのようにも思えるが、そこかしこにディスコミュニケーションの重たい壁が立ちはだかり、人びとは途方に暮れて立ち尽くしている。物語る想念となった<灯心草>は「物語は人を救うことができるのか」と切なく訴えかけているように思える。
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極上のファンタジー、です。 通勤電車で細切れにではなく、たっぷり贅沢な時間のお供に連れて行ってください。勿体無くてページがなかなかめくれません。 読んで終わって薄暗くなってて、「あ、電気つけなきゃ」なんて、久々に体験しました。ほわぁ、よかったぁ~。これが出版されたとき、大学受験を控えた年の瀬でした。あのとき無理に読まなくてよかったような、そういう年齢で読んでおきたかったような。
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特異な幻想世界の日常を描いてるんやけど、根底にSFがって感じは『旅のラゴス』に近くて好み。 面白かったけど、誰にでもおすすめ出来るものじゃないです。世界観に入りこめんと辛いものがある。
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好きな感じの世界観ではあるのに、なぜか言葉が頭に入ってこず、読み進めるのが辛かったたため、半分読んで挫折。 何年か後に再トライしよう。
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幻想文学と思いきやSF。とても面白く読めたうえ、エンディングのもの悲しさと来たら、もう。素晴らしい一冊でした。読んで良かった。
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大森さんの末尾の解説が私にはよかった。 というか、こんな難しい本を翻訳しようとした志に脱帽。それほど読みづらくなかったし。 希望としては『エンジン・サマー』という原著名より、大森さんの『機械の夏』の方を題名にして欲しかった。その方が中身にもあっている気がする。 結構、読み終わると...
大森さんの末尾の解説が私にはよかった。 というか、こんな難しい本を翻訳しようとした志に脱帽。それほど読みづらくなかったし。 希望としては『エンジン・サマー』という原著名より、大森さんの『機械の夏』の方を題名にして欲しかった。その方が中身にもあっている気がする。 結構、読み終わると寂しくていたたまれなくて、だから個人的にはそんなに好みじゃない。
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名作復刊。ファンタジーの皮をかぶったSFであります。宮崎駿の「天空の城ラピュタ」の元ネタはスウィフトの「ガリバー旅行記」だと言われていますが、直接はこの作品ではないかと思うのですよね。
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SF。機械文明崩壊後の遠未来もの。 過去の物語を語る「聖人」を目指した少年の冒険と恋。 独特の世界観と意外な結末、様々な遺物の解釈などなど、随所に工夫が凝らされているということは理解したが、この小説の良さを真に理解するには、私には恐らく、SFを読んだ経験と、想像力と、純な感受性...
SF。機械文明崩壊後の遠未来もの。 過去の物語を語る「聖人」を目指した少年の冒険と恋。 独特の世界観と意外な結末、様々な遺物の解釈などなど、随所に工夫が凝らされているということは理解したが、この小説の良さを真に理解するには、私には恐らく、SFを読んだ経験と、想像力と、純な感受性が不足していたのであろう。 小説世界に没入できず、彼の冒険も恋もともにすることができず、途中からは正直惰性で読んでいた。 こーゆー類の小説は、その世界に自分も行きたいと思えるか否かが、楽しめるかどうかの鍵だと思うが、私にはこの小説は合わなかった。 SFの読書経験も多くないので、このジャンルで本作品が成し遂げた成果についてもよく分からない。
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