エンジン・サマー の商品レビュー
最後に明かされる語り手の正体は哀切きわまりない。そこに至るまでの幻想的な旅の物語に入り込めたら、訳者のように「傑作!」と唸っていたかもしれないが、うーん、そこがどうにもなんというか退屈だったんで…。意味ありげで、でもよくわからないものが次々出てくるのに飽きてしまった。私はやっぱり...
最後に明かされる語り手の正体は哀切きわまりない。そこに至るまでの幻想的な旅の物語に入り込めたら、訳者のように「傑作!」と唸っていたかもしれないが、うーん、そこがどうにもなんというか退屈だったんで…。意味ありげで、でもよくわからないものが次々出てくるのに飽きてしまった。私はやっぱりもっとすっきりした話が好きだな。
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こんな読書体験は初めて。ディテールの描写が素晴らしい。翻訳家泣かせだったと推察。例えば時間を表現するのにキスに例えた場面など(362ページ) 美しい物語そして結末を読み終わった後の切なさ。
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●私が読んだのはハードカバーの旧版だったのですが、ふと気づくと裏表紙の内容紹介がそこはかとなくネタばれでびっくりしました。八割がた読んだ後でよかったよかった。 ●最初なかなか読み進めなかったのは、どうにもヴィジュアルイメージが掴めなかったせい。 平安時代の人が解釈した電子レンジ...
●私が読んだのはハードカバーの旧版だったのですが、ふと気づくと裏表紙の内容紹介がそこはかとなくネタばれでびっくりしました。八割がた読んだ後でよかったよかった。 ●最初なかなか読み進めなかったのは、どうにもヴィジュアルイメージが掴めなかったせい。 平安時代の人が解釈した電子レンジの説明を聞いても、すぐにそれとはわからないみたいな事かなあ。 しかも、こう言うタッチの作品を読む時のクセで、つい用心しながら読んでしまうせいもあり。(←SFだと主人公が一首二手二足構造の人間とは限らないしミステリは主人公=犯人なんじゃないかとつい思ってしまう悪いくせ。) いちおう話は理解したつもりですが、いまいち入り込めず読了しました。残念。
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年によっては,初霜のあと,太陽がまた熱くなり,しばらく夏がもどってくることがある。冬はもうすぐそこ。朝のにおいを嗅ぎ,半分色が変わりかけたカサカサの木の葉がいまにも落ちようとしている姿を見れば,それがわかる。なのに,夏が訪れる。ささやかな,いつわりの夏。ささやかな,いつわりのも...
年によっては,初霜のあと,太陽がまた熱くなり,しばらく夏がもどってくることがある。冬はもうすぐそこ。朝のにおいを嗅ぎ,半分色が変わりかけたカサカサの木の葉がいまにも落ちようとしている姿を見れば,それがわかる。なのに,夏が訪れる。ささやかな,いつわりの夏。ささやかな,いつわりのものだからこそ貴重な夏。リトルべレアではそれを------だれも知らない理由から------機械の夏(エンジン・サマー)と呼ぶ。 (本文p.108)
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