猫泥棒と木曜日のキッチン の商品レビュー
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☆4 ――――――――――――――――――――――――――――― お母さんが家出した。わたしと弟のコウちゃんを置いて。だけど、友達の健一くんだって応援してくれてるし、私は大丈夫―。そんなある日、高校生みずきは道端で「絶望」に出会う。 ――――――――――――――――――――――――――――― 身勝手に、動物を、あんなふうに扱うおばさんにめちゃくちゃ腹が立った。フィクションだけど。フィクションじゃないのかも。みずきがんばれ。
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主人公は寂しい女の子(みずき)。 早く大人になることを求められ、大人であることを求められる。 だけど、みずきの寂しさには悲壮感がない。 静かに現実を受け止め、淡々とした日常の中にも幸せを見つける強さを持っている。 毎日はドラマチックじゃないし、奇跡もない。 だけど、決...
主人公は寂しい女の子(みずき)。 早く大人になることを求められ、大人であることを求められる。 だけど、みずきの寂しさには悲壮感がない。 静かに現実を受け止め、淡々とした日常の中にも幸せを見つける強さを持っている。 毎日はドラマチックじゃないし、奇跡もない。 だけど、決して悪くもないぞと思わせてくれる。 蛍光灯のように明るくないけど、ろうそくのようなやわらかな暖かさがあるお話。作者の橋本紡さんの視線がとても優しい。
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主人公は17歳の女の子、みずき。 母親のおかげ(?)で普通の主婦並みの事は立派にこなす。 父親とは死別、二人目の父親ももういない。 そんな中で恋多き母も家出してしまい・・・ それでも特に困る事もなく淡々と日常を過ごしていく。 5歳の弟、コウ。 事故で足が少し不自由になった高校生...
主人公は17歳の女の子、みずき。 母親のおかげ(?)で普通の主婦並みの事は立派にこなす。 父親とは死別、二人目の父親ももういない。 そんな中で恋多き母も家出してしまい・・・ それでも特に困る事もなく淡々と日常を過ごしていく。 5歳の弟、コウ。 事故で足が少し不自由になった高校生の男の子、健一くん。 彼らは木曜日に一緒にご飯を食べる事になり・・・ 妻子持ちの先生へのみずきの恋心。 そんなみずきに恋する健一くん。 サッカーに夢中なコウ。 そんな3人の穏やかな日常が描かれています。 そしてもうひとつのテーマ、猫泥棒。 とあることがきっかけで、みずきと健一くんは ある場所から猫を盗む事を決意する。。。 そんな物語です。 うーん、ちょっと物足りないなぁ・・・ それぞれのエピソードがもっと深く語られてもいいのに。 読後感は、なんかちょっとあっさりしすぎたかんじでした。
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猫好きといわれる橋本さんが、その屈折した愛情を猫泥棒となる17歳の女子高生に託す青春ノベル。 母親が家出して、17歳の女子高生・みずきと5歳になる弟・コウちゃんは家に取り残された。二人目の父さんなんてとっくの昔に失踪済みだけど、そんな環境にはへこたれない。 みずきの主婦顔負けの生活シーンとコウちゃんの能天気な明るさ、そしてみずきのボーイフレンド・健一のあたたかいまなざし。そんなものが散りばめられて、それぞれの悲惨な話もなぜか明るく読めてしまう。 人によっては拍子抜けする結末だろう。でも、物語の中でみずきが語るように、人生なんてそんなものかも。
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橋本紡さんの作品を初めて読みました。本の装丁と題名からイメージした内容とは全く違いました。親になる資格なんて何もなくて、大人になりきれない大人が親であるときに、その子供がしっかり生きていける強さがすべての子供にあったらと思います。
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橋本紡の作品で、これがいちばん好きかも。 なんかすごく共感できた。 みずきの割り切りも涙も、健一くんの恋心にも、みずきのママのどうしようもなさにも。 そんなふうに共感できるような、自分の気持ちがいい言葉で表現されてるのはうれしいな。 すごく身近な気持ちなのに、現実には...
橋本紡の作品で、これがいちばん好きかも。 なんかすごく共感できた。 みずきの割り切りも涙も、健一くんの恋心にも、みずきのママのどうしようもなさにも。 そんなふうに共感できるような、自分の気持ちがいい言葉で表現されてるのはうれしいな。 すごく身近な気持ちなのに、現実には絶対にないようなお話だった。 あとがきを読んだら、 子供ってそんなに弱くないんじゃないか? って思ってこの作品を書いたそうで。 作者の意図がきちんと伝わってくるって、実はすごいことだよなぁ。
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途中まで読んで、あれ?なんかこれ読んだことあるような気がする。と、考えたら、あれだ。「きみが見つける物語」に収録されてたんだ。というのはさておき。 解説にもあるけれど、ベースは「誰も知らない」に通じるモノがある。でも、みずきは高校生で、お金もあって。だから、あの子たちのような...
途中まで読んで、あれ?なんかこれ読んだことあるような気がする。と、考えたら、あれだ。「きみが見つける物語」に収録されてたんだ。というのはさておき。 解説にもあるけれど、ベースは「誰も知らない」に通じるモノがある。でも、みずきは高校生で、お金もあって。だから、あの子たちのような悲惨さはない。それでも、捨てられた子。というゆがみは垣間見えて。そういう不器用さがいとおしい。
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『流れ星が〜』の文章の雰囲気が好きだったのと、タイトルがよくて読んでみたんだけど、淡々と進んで淡々と終わって残らなかった。惜しいかんじです。
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ちょっと変わった女子高生と猫の物語。 高校生の甘酸っぱい恋もあったり、悲しい事件も起こるんだけど、それでも作品自体がほんわかした印象。 橋本さんの作品はのほほんとしてるなー。
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