眠れぬ真珠 の商品レビュー
石田衣良の小説家としての力を魅せつけられることになる一冊。 45歳になる更年期を迎える銅版画家、内田咲世子という女性が主役。一般的な会社員ではなく、芸術家というところが一般的な現実性から離れるところはあるが、こうも女性を上手に、いや自然に描くことができるものであろうか。まる...
石田衣良の小説家としての力を魅せつけられることになる一冊。 45歳になる更年期を迎える銅版画家、内田咲世子という女性が主役。一般的な会社員ではなく、芸術家というところが一般的な現実性から離れるところはあるが、こうも女性を上手に、いや自然に描くことができるものであろうか。まるで著者は、主人公に乗り移って執筆したかのごとくである。 ここまで描くことのできる小説家はそうはいない。ここまで異性を自然に表現できるからこそ、いやもちろん他の登場人物の描写も素晴らしく、そうであるからこそ、石田衣良の恋愛小説は心に訴えるものがあるということだ。 しかもこんなエンディングを用意しているなんて、人生若くても老いても前向きに生きる力を少々分けていただける作品である。
Posted by
17違う下の彼との恋愛…私は25才ですが、年を重ねても咲世子さんみたいな魅力的な女性であれたらいいなと思いました。ちょっと前に読んでしまったのであまり内容を覚えていないです。。。覚えてないけど、素敵な本でした
Posted by
石田衣良の中では「美丘」と1、2位を争うくらいの泣けるラブストーリー!珍しく爽やかに終われるラブストーリーです。
Posted by
石田衣良さんの恋愛小説、久しぶりに読みました。 やっぱりいいわぁ~。 若い男性と、熟年女性との恋愛・・・って書いちゃうととっても俗っぽくなっちゃうけど、この小説はとっても素敵でした。 浮ついてなくてしっかりと自分の仕事や生活を自分の手で積み上げてきたかっこいい女性。私も数年後、...
石田衣良さんの恋愛小説、久しぶりに読みました。 やっぱりいいわぁ~。 若い男性と、熟年女性との恋愛・・・って書いちゃうととっても俗っぽくなっちゃうけど、この小説はとっても素敵でした。 浮ついてなくてしっかりと自分の仕事や生活を自分の手で積み上げてきたかっこいい女性。私も数年後、そんなふうになれたらいいな。小説のような若い彼との恋愛までもは望まないけれど、素敵な歳の重ね方をしていきたい。 しかし、石田さんはどうしてこんなふうに女性を素敵に描けるんだろう。男から見たいい女ではなくて、同性から見て素敵と思う女を、男性である石田さんが描いてみせてくれるってなんか不思議だわ。 性描写も石田さんの小説だと、たとえ内容がハードであっても、嫌悪感を感じない。ほかのおじさん作家では、たまに強烈にイヤだなぁと感じるものにも出会うのですが。本当に石田さんは不思議です。っていうか、私が好きなんでしょうね。 とっても好きなお話でした。
Posted by
女性の心情をとことんリアルに描写する石田衣良の才能が全面にでている本。驚かされる場面も多々あるが、すごく共感でき、涙がでてきてしまうシーンも、あった。 素敵な小説だとおもう。
Posted by
私の初の石田衣良作品でした。 最近ミステリーづいてるので、恋愛物はどうなんだろうと思いつつ・・・ 色っぽい文章を書く人だなぁと思いました。 読んでいると情景が頭に浮かんできて気がつくと物語の中に入ってる感覚。 かなり好きな感じです。 最後は切なくなって涙がでちゃいました。
Posted by
2010年8月25日読了。黒を基調とした版画を得意とする女流版画家・咲世子。更年期の始まり・若く魅力的な男性との恋の始まり・画商との愛人関係との終わりとストーカーによるとばっちり被害の始まり、そして新たな作品の誕生。更年期を迎え動揺し、好きな男性の前で恥らいつつも大胆に振舞う女性...
2010年8月25日読了。黒を基調とした版画を得意とする女流版画家・咲世子。更年期の始まり・若く魅力的な男性との恋の始まり・画商との愛人関係との終わりとストーカーによるとばっちり被害の始まり、そして新たな作品の誕生。更年期を迎え動揺し、好きな男性の前で恥らいつつも大胆に振舞う女性心理の描写が見事、と感じる。(私は女性でないので分からないが、巻末に小池真理子がコメントを寄せているので確かだろう)版画や映像作品、力のある女優の描写などにもなかなかに迫力がある。正直、著者のことを「所詮は多筆な流行作家」と軽く見ていたが、さすがに観察力と文章力には確かのものがある人物なのだな・・・。
Posted by
すんごく疲れてる。 電車に乗ればすぐ眠くなるし、テレビをつけたまま寝ちゃう。 目覚ましで起きられない。 でも、この本はさくっと帰りの電車と、道すがらで読了しちゃった。 いやはや、都合のいいことこの上ない。 バツイチの45才の版画家の女性がいきつけのダイニングバーで出会ったの...
すんごく疲れてる。 電車に乗ればすぐ眠くなるし、テレビをつけたまま寝ちゃう。 目覚ましで起きられない。 でも、この本はさくっと帰りの電車と、道すがらで読了しちゃった。 いやはや、都合のいいことこの上ない。 バツイチの45才の版画家の女性がいきつけのダイニングバーで出会ったのは、 ちょっと困った表情の25才のウェイターだった。 才能のある映像作家の彼と恋に落ちる主人公。 不倫相手との決別、その相手を付け回すストーカー女性との邂逅。 若い才能との出会いと別れが、作家に新しい道を開く。 心から血を流しながら身を引く主人公が、最後に見つけた答えとは? 恋愛小説にエンディングは2つしかない。 そちらでなければこちら、ということだ。 だからこのエンディングは、想像通りのような意外。 あるいは意外な必然? 読者が女性か男性かによって評価はわかれるのだろうが、 リアルに描かれた女性の衰えと性とが、私には割と面白かった。 でも一番私にとって魅力的だったのは、 丁寧に書き込まれた版画の技法と、コトバだけで綴られた映像の美しさ。 本当にカノジョの版画を、カレの映像を、見たいと思った。
Posted by
25歳の誕生日を目前にして、 近頃年を重ねることへの恐れや不安が急に姿を表してきた。 目の周りにくまができるようになり、 疲れが取れにくくなり、 心なしかハリを失ったような気がする肌。 そんなカラダの衰えとに反して、 心にたまった余分なものを捨てられず、 なかなか成長できない...
25歳の誕生日を目前にして、 近頃年を重ねることへの恐れや不安が急に姿を表してきた。 目の周りにくまができるようになり、 疲れが取れにくくなり、 心なしかハリを失ったような気がする肌。 そんなカラダの衰えとに反して、 心にたまった余分なものを捨てられず、 なかなか成長できない自分。 アンバランスな自分に悩んでいる時、 あっとういう間に過ぎていく時間の流れにとまどっていた時、 そんな時にこの作品に出会った。 女には2種類あるらしい。 外へ外へと輝きを放つダイヤモンドの女と、 内にまばゆい輝くを秘める真珠の女。 たいていの男性に気づいてもらえ、愛されるのはダイヤモンドの女らしい。 ただ、私は主人公紗世子のような真珠の女になりたい。 年を重ねるごとに深み、輝きを増す真珠。 すべてを包みこむような穏やかさを持った真珠。 紗世子の葛藤が教えてくれる。 年を重ねることは、必ずしも恐いことでもなく、 老いてゆくことでもなく、さみしいことでもない。 いつだって、今日は明日より1日若い。 その「今日」を大切に、慈しんで、 やってくる「明日」を恐れず気持ちよく迎えたい。 まだまだ「石っころの女」でしかない私。 そろそろ真珠の女に近づくために本腰を入れなければ。
Posted by
うーん、トレンディドラマ見てるみたいな感じ。 中堅アーティストの45歳の女と若い映画監督の男の恋愛。 咲世子の芸術への取り組みとか更年期障害とか面白く読んでいたけど、一方でホントにおっさんが書いたもんだな、と思いながらも読んでいたので、何となく淡々と読み終えてしまった。 辛口だけ...
うーん、トレンディドラマ見てるみたいな感じ。 中堅アーティストの45歳の女と若い映画監督の男の恋愛。 咲世子の芸術への取り組みとか更年期障害とか面白く読んでいたけど、一方でホントにおっさんが書いたもんだな、と思いながらも読んでいたので、何となく淡々と読み終えてしまった。 辛口だけど、ストーリーはやはりトレンディドラマ感が否めない。咲世子よかったじゃん、とあっさり。出来すぎな気がする。 でも年取った女のその時を切り取ってるという面ではよかったかも。男の人がよく更年期の女をここまで書いたなー、凄いと思う。
Posted by