改造版 少年アリス の商品レビュー
少年アリスと友人の蜜蜂、犬の耳丸は、蜜蜂の兄から借りた本を置き忘れた夜の学校へ向かった。そこでは思いがけないことが起こり… 不思議な、おとぎ話のような、儚さと美しさ、危うさと不安感が漂う短い物語。
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もともとの作品を読んでいないので、どこがどう改稿されたのかわからないまま読了。 確かにデビュー作とは思えぬほどの緻密な世界観の構築。 『テレヴィジョン・シティ』と同じく閉塞感漂う世界で、少年二人の冒険なのだけれども、こちらはSFというよりも宮沢賢治に近い。 兄から借りた鳥類図鑑を学校に忘れ、取りに行かねばならない蜜蜂。 お供するのは飼い犬の耳丸と親友のアリス。 本を手にして安堵したとき、理科室から声がする。 覗いてみると授業が行われているのだが、生徒の中に見知った顔が一つもない。 これはいったいどういう…。 その時耳丸が外に飛び出していき、慌てて追いかける蜜蜂と一人取り残されるアリス。 そんなアリスに教師が…。 私たちが日常知っている世界とは違う理屈で回っていく世界。 もしかして、私が知らないだけで、そうなのかもしれないなあと思わせる反面、やっぱり突拍子なくも感じる。 そういうあたりが宮沢賢治っぽいなあ、と。 改造版には『少年アリス辞典』というのが併録されているのだが、要するに注釈。 これがあいうえお順に並んでいるわけで、使い勝手悪っ。 注釈は、読みながら順に確認していくので、注釈2の「敷布」の次が注釈39の「シジュウカラ」というのは、まったくもって不便。 注釈3は「石膏」なので、次のページを探すだけですんだけど、注釈4は「ノウゼンカズラ」なのである。 探すのが面倒すぎる。 けれど、そうして行ったり来たりさせるのがまた、作者の手なのかもしれなと思ったりもする。
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短くて読みやすい。 色々な植物の名前が出てきて情景を思い浮かべやすい。 最後に出てくる男の子で少し余韻が残るところも良かった。 緩く読むにはちょうどいい。
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面白かった。軽く読み始めたけど、引き込まれて一気に読み終えた。 風景の描写や、少年達の成長が素敵なファンタジー☆
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初版を読んだ時は全体的に尖っているのに脆い印象でした。今回読んだ改造版は柔らかく滑らかな感じ。でも、どちらも透明感があって改めて初版を読みたくなりました。
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オリジナル版より描写が具象的に、文章が平易になってる気がする。 使われてる語彙も意識して「長野まゆみ作品らしい」ものを盛り込んでるような印象で、綺麗な装丁や最後の言葉辞典も含めてセルフパロディ的な意図が強い一冊なのかなと思った。 大きく変更されたラストにはびっくりだけど、一度発表...
オリジナル版より描写が具象的に、文章が平易になってる気がする。 使われてる語彙も意識して「長野まゆみ作品らしい」ものを盛り込んでるような印象で、綺麗な装丁や最後の言葉辞典も含めてセルフパロディ的な意図が強い一冊なのかなと思った。 大きく変更されたラストにはびっくりだけど、一度発表された物語にこうやって大胆なアレンジを加えるのはまさに「改造版」って感じの面白さだし、宮沢賢治の作品が改稿を積み重ねていったのと似たものも感じる。 だいぶ印象変わったとはいえ、物語の素晴らしさは健在。 この改造版から長野まゆみ作品に触れても充分楽しめる名作です。
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長野まゆみさんの著作は中学生のときどっぷりハマって読み漁った時期があり、特にデビュー作である『少年アリス』には思い入れがあります。 懐古と憧憬が相まって、自分にとって大切な一冊。 改造版ということで、装丁も随分と凝った仕上がりになっており、ぜひ本棚に納めたい…!と思って購入し、懐...
長野まゆみさんの著作は中学生のときどっぷりハマって読み漁った時期があり、特にデビュー作である『少年アリス』には思い入れがあります。 懐古と憧憬が相まって、自分にとって大切な一冊。 改造版ということで、装丁も随分と凝った仕上がりになっており、ぜひ本棚に納めたい…!と思って購入し、懐かしく読みました。 アリスと蜜蜂、二人の少年の一夜の冒険が美しい描写と耽美な筆致で描かれています。 改めて大好きな本だなあと思いました。
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図書館でたまたま見つけ、読んでみようと借りてみた。『少年アリス』の方は文庫版を購入して読了済み。そこで「改造版」というのが気になった。『少年アリス』より説明が詳しく書かれていて読みやすかった。『少年アリス』の方は、説明が少なく、色々想像で補うことが多く、不思議なことは不思議という...
図書館でたまたま見つけ、読んでみようと借りてみた。『少年アリス』の方は文庫版を購入して読了済み。そこで「改造版」というのが気になった。『少年アリス』より説明が詳しく書かれていて読みやすかった。『少年アリス』の方は、説明が少なく、色々想像で補うことが多く、不思議なことは不思議という感じだったが、こっちは不思議の中で、ある程度説明がなされ、理解しやすかったような気がする。でも、相変わらず長野さんだけが出せるこの世界観は好き。
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初めて改造版を読んだときは、こっちの方が好きかな~と思ったけど、再読したら、そうでもないかも?と思い、旧版が読みたくなって、そっちも電子書籍で買ってしまった… 比較したら、アリスと蜜蜂が、お互いがどんな存在か想ったり、自分の弱いところについて考えたりする部分が全部削られててびっくり!行間を読めってこと? あと、遠くを見ているアリスの横顔を蜜蜂が見ているところも好きなんだけど、なくなってる… 文章は、初期の漢字が多くて硬質なものから、ひらがな多用の文章に変わっていて、全体のかんじは新しい方が好きかなあ。 要するにふたつでひとつだな、と思った。 改造版が出たときの「文藝」長野まゆみ特集を読み返すと、決定稿は存在しないとおっしゃっているし。 最後も変わっていて、これはこれで続きが読みたくなる。
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少年が成長していく過渡期にありそうな冒険譚。植物、鳥、鉱石。星の巡り、色彩の表現。宮沢賢治的な匂いが漂ってきます。少年二人が主人公であるところも「銀河鉄道の夜」を連想させます。 夜にしか見えない質感や色合いを思い浮かべながら読みたい。
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