毒と薬の世界史 の商品レビュー
日本・海外問わず様々な毒と薬の成り立ちなどが分かる本。薬は使う量により毒にもなるが、人間がそれを理解してきたのはかなり最近の話。様々な知識の積み重ねで病気に勝てるようになってきた経緯がわかる。 副題の「ソクラテス、錬金術、ドーピング」と書いてあるが、読んでみるとそこに特化したわけ...
日本・海外問わず様々な毒と薬の成り立ちなどが分かる本。薬は使う量により毒にもなるが、人間がそれを理解してきたのはかなり最近の話。様々な知識の積み重ねで病気に勝てるようになってきた経緯がわかる。 副題の「ソクラテス、錬金術、ドーピング」と書いてあるが、読んでみるとそこに特化したわけではない。参考文献のりすとだけで12ページもあるくらい様々な事項が載っている通史といえる。 本編に入る前の5〜6Pの「地球の誕生から現在を1日に置き換えると人類誕生は12月31日の午後2時」という部分がかなり納得した。
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まさに薬毒同源。 薬の発展は毒の発展であり、薬との戦いもまた毒との戦いである。 内容はどちらかといえば薬寄りがメインになるかなと。近代に入って単離がうまくできるようになってからの発展は目まぐるしいものだ。 薬は古くから、成分がわからないまま、一部は不確実なものが使われてきた。で...
まさに薬毒同源。 薬の発展は毒の発展であり、薬との戦いもまた毒との戦いである。 内容はどちらかといえば薬寄りがメインになるかなと。近代に入って単離がうまくできるようになってからの発展は目まぐるしいものだ。 薬は古くから、成分がわからないまま、一部は不確実なものが使われてきた。でも毒は必ず毒として使われてきている。その点が面白いという個人的な感想。
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古代から現在までの「薬」「毒」と人類のかかわりを網羅的に整理している。雑学的なエピソードがてんこ盛りで情報量の多い著作だが、それだけでなく、医薬開発の負の側面(戦争犯罪、非道な人体実験、公害、依存症など)に対する問題意識が明確で、特に日本における薬害の多さや医薬分業の遅れ(薬剤...
古代から現在までの「薬」「毒」と人類のかかわりを網羅的に整理している。雑学的なエピソードがてんこ盛りで情報量の多い著作だが、それだけでなく、医薬開発の負の側面(戦争犯罪、非道な人体実験、公害、依存症など)に対する問題意識が明確で、特に日本における薬害の多さや医薬分業の遅れ(薬剤師の地位の低さ)に対する批判は手厳しい。ともすれば「(薬剤師からではなく)医師から薬をもらう」という意識を持ちがちな我々の姿勢に反省を促している。
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中公新書定番の○○の世界史シリーズ。テーマごとに掘り下げてくれるので、一般的な通史と違った視点で歴史を見ることができて面白い。 一番驚いたのは、トウガラシの伝来は、中国、朝鮮、インドよりも日本が先、というくだり。和食にトウガラシを使った辛い料理が少ないのが昔からの疑問で、きっとト...
中公新書定番の○○の世界史シリーズ。テーマごとに掘り下げてくれるので、一般的な通史と違った視点で歴史を見ることができて面白い。 一番驚いたのは、トウガラシの伝来は、中国、朝鮮、インドよりも日本が先、というくだり。和食にトウガラシを使った辛い料理が少ないのが昔からの疑問で、きっとトウガラシが伝来するのが遅かったからだろうと勝手に思ってた。でも、日本に先に伝来したとすると、なぜ日本で普及せず、アジアで普及したのか、ますます疑問が深まるばかりで。
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タイトル通り、世界史から毒と薬に関するトピックを網羅的にピックアップ、現代も対象。だけに、断片的となるきらいがあるが、リファレンスとしては充分で、膨大な参考文献へのポータルになる。読み物としては教科書的で面白くは無い。
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私たちは農薬のような毒があるものであっても適切に使用すれば人の役に立つ事を知っている。同時に小さいケガや病気であれば絆創膏や痛み止めなどの薬を使用しているが、間違えた使用方法だと人に害をなすことも知っている。そんな毒と薬が歴史の中で人によってどのような変遷を経て来たのかが記載され...
私たちは農薬のような毒があるものであっても適切に使用すれば人の役に立つ事を知っている。同時に小さいケガや病気であれば絆創膏や痛み止めなどの薬を使用しているが、間違えた使用方法だと人に害をなすことも知っている。そんな毒と薬が歴史の中で人によってどのような変遷を経て来たのかが記載されていて、身近すぎて気にしていなかった薬がとても気になってきた。(第2閲覧室 491.59/F)
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時代ごとに薬に纏わる話が羅列されている。一つ一つの事実に深く立ち入る本ではない。医薬分業が日本で進まなかった理由についての記述が興味深い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
雑学本の一つであり、ある特定のテーマから歴史を読んでいくという本のつくり方自体は、それほど珍しいものではありません。コーヒーとか酒とか、いろんなものをモチーフに歴史を追いかける本は他にもたくさんあります。 著者が薬学部出身ということもあってか、内容的にはそこそこ専門的です。医学、薬学、化学あたりを専攻している方であれば大半は既に知っている内容かもしれませんが、そうでもない方にとってこれだけの量の情報と知識をまとめて読める資料はそうそうないでしょう。 面白かったんですが、星はやや低めに3つとしてます。理由の一つに、著者本人が後書きで断っている通り、著者が歴史の専門家ではないために「歴史的な連続性のある記述」ができていない、という点があります。この内容量でそこまで求めるのはやや酷だとは思いますが、各論が個別のテーマで終わってしまっていて、それが前の時代からどのようにつながってきたのか、そして次の時代にどのようにつながるのかが見えにくかったことから、少し評価を下げました。 一方で、新書サイズの割に参考文献をしっかりぎっちり載せてる点は非常に好感を持っています(この程度のことができない新書が最近は多いように思えます)。この参考文献表からさらに各論に飛べるので、こういう丁寧な本のつくり方ができる著者は、本当にしっかりした「理系の人」なんだな、と思います。
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そのタイトルが表す通り、「毒と薬」を人類史的な観点から追いかけた本。本書を読んでいくと、毒や薬物が歴史を動かした事例が、意外にも多いことに気づく。中国の歴代皇帝の水銀中毒しかり、ローマ皇帝の鉛中毒しかり、アヘン戦争しかり、クレオパトラの自殺しかり。 雑学本としては、なかなか楽しめ...
そのタイトルが表す通り、「毒と薬」を人類史的な観点から追いかけた本。本書を読んでいくと、毒や薬物が歴史を動かした事例が、意外にも多いことに気づく。中国の歴代皇帝の水銀中毒しかり、ローマ皇帝の鉛中毒しかり、アヘン戦争しかり、クレオパトラの自殺しかり。 雑学本としては、なかなか楽しめた。
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おもしろい。特に、江戸後期〜明治までのシーボルトとビュルゲル、北里柴三郎の研究に関する記述が目を引いた。現在の薬剤師の立場についての改善を薬学部出身の著者が丁寧に指摘している。
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