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自然な建築 の商品レビュー

3.8

39件のお客様レビュー

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2012/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

水/ガラス以降の作品について、自然素材と地域に根ざした職人との協同によりいかに作品を作ってきたかが綴られている。 ・コンクリート+表層という現代建築の批判をしているが、 氏のデビュー時の代表作である、表層の塊のようなM2についての言及がない。 ・最終章でこれらの作品が「サステナビリティか」というまとめがあるが、はっきり言って苦しい。 紙や木を使用し断熱効果が得られない(エネルギー消費高)のではという質問に「環境負荷の計算をそもそも信じていない」 「日本では部屋全体を暖房せず、こたつ。頭がすっきりする。日本の生活の知恵」と言う。 ・「欧米流の画一的な評価をすることがまずい」 「プラスチックを使うことに胸をはれない。胸をはれないことから出発すべき」という逃げ腰の結論。 つまり、この本の論旨からわかるのは、彼は自然という言葉をメタファーとして使用しているだけで、サステナビリティやエネルギー問題に正面からは向き合っていないということだ。

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2012/02/22

20世紀の建材の代表である。コンクリートの脆さを指摘し、そこを一度否定し、その先にあるもの模索していくことが必要だと語っている。その答えを土地、素材に見出そうとしている。建築史の流れをみても、新ゴシックなどで過去への回帰は見られるものだが、隈がおこなっているものはただの過去回帰で...

20世紀の建材の代表である。コンクリートの脆さを指摘し、そこを一度否定し、その先にあるもの模索していくことが必要だと語っている。その答えを土地、素材に見出そうとしている。建築史の流れをみても、新ゴシックなどで過去への回帰は見られるものだが、隈がおこなっているものはただの過去回帰ではない。昔の思想や素材の使用方法を加味したうえで、その先に現代的な解釈をもって素材と向き合うことで本当の意味での幸福な建築を創りだそうと、今もなお建築を、建築の可能性を探り、表現し続けているように感じた。

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2011/12/13

これまで氏の作品はいくつか見てきたが、著書は読んでいなかった。 タイトルの自然な建築というのが、結局どういった建築を指すのかはよく理解できなかった。 自然素材を用いることなのか。考え方のプロセスが自然であるというのか。ちょっと整理できていない印象。 現代日本の経済優先の、切羽...

これまで氏の作品はいくつか見てきたが、著書は読んでいなかった。 タイトルの自然な建築というのが、結局どういった建築を指すのかはよく理解できなかった。 自然素材を用いることなのか。考え方のプロセスが自然であるというのか。ちょっと整理できていない印象。 現代日本の経済優先の、切羽詰まったスケジュールの中で設計の仕事をこなすには、今までに例があるディテールのコピーペーストにならざるを得ないのが通常であるという。そして、建築の仕上げの素材は平面プランや、全体構成が完成されてから最後に表面のテクスチュアを貼りつけるように決定されてしまう。このプロセスを経る限り、建物は魂のある建築にならない。全く同感である。 そこで、隈氏は最初にマテリアルを決定する方法論を採用している。コンテクストを読解いて、採用するべき素材を決定する。そしてその素材の大半は自然素材である。そして、その大半がルーバー状の使われ方である。 確かに、経済性だけでない建築を創ることには有効な方法であると思うが、もっと他の設計方法もあるのではないかと感じた。 しかし、本自体は読みやすく、また、「ぶっちゃけ」た施主の説得の仕方とか、妥協のときの自分の納得の仕方などが語られていて、等身大の人間が、真摯に建築に対して悩み苦しんでいるのだなと感じ、親近感の湧く内容であった。

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2021/06/22

隈研吾の建築は現物をどの建築家よりも多く見に行った。多分この本を読んだからだと思う。まぁ、いろいろあってからの人ですから、多少きわどい台詞も看過せざるをえないでしょう。これからの、隈研吾に期待!!

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2011/05/20

隈さんの建築物に対する思いと苦労がわかる。建築物は揺るぎない存在感を放っているので、迷いのないどっしりとした印象を受けるが、完成するまでに様々な悩みや試行錯誤、人々の協力がある。その過程を踏まえた上に成立していることに感動を覚える。本書はとてもわかりやすい言葉で述べられているので...

隈さんの建築物に対する思いと苦労がわかる。建築物は揺るぎない存在感を放っているので、迷いのないどっしりとした印象を受けるが、完成するまでに様々な悩みや試行錯誤、人々の協力がある。その過程を踏まえた上に成立していることに感動を覚える。本書はとてもわかりやすい言葉で述べられているので、すんなりと理解できた。ただ、私は建築を専門にしていないので単純に言葉を受け取ることができたが、専門家からすると矛盾を感じるんだろうな、とゆう印象を受けた。

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2011/04/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 二〇世紀の世界を覆い尽くしたコンクリート。 それは場所と素材との関係性を断ち切り、自然を画一化する建築であった。 自然さとは、素材や景観だけの問題ではない。 タウトやライトの作品にラジカルな方法論を読み解き、水、石、木、竹、土、和紙などの素材を、それぞれの場所に活かす試みのかずかずを語る。 [ 目次 ] 序章 二〇世紀とは 1 流れゆく水―水平へ、そして粒子へ 2 石の美術館―切断の修復 3 ちょっ蔵広場―大地と融けあう建築 4 広重美術館―ライトと印象派と重層的空間 5 竹―万里の長城の冒険 6 安養寺―土壁のデモクラシー 7 亀老山展望台―自然と人工の境界線 8 和紙―究極の薄い壁 終章 自然な建築はサステイナブルか [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2014/11/04

昔ながらの茅葺屋根の家とか、木の家とか、 観にいったり、あるいは一日だけ住んでみるには、 良いかもしれないけれど(安易なテレビ番組みたいに) 実際に長期的に住むことが現代人にできるのか、 あるいは耐震耐火構造上、建築許可が下りるのかといった問題は常に付きまとう。 か...

昔ながらの茅葺屋根の家とか、木の家とか、 観にいったり、あるいは一日だけ住んでみるには、 良いかもしれないけれど(安易なテレビ番組みたいに) 実際に長期的に住むことが現代人にできるのか、 あるいは耐震耐火構造上、建築許可が下りるのかといった問題は常に付きまとう。 かといって、コンクリートの構造に化粧だけ木や石を貼り付けて満足している建築には違和感を覚える。 じゃあ、どうすりゃいいのか。 という課題に正面から挑んでいる姿勢には好感が持てます。 写真もたくさんあって、実際に行ってみたいなあと思わせられます。 若干、筆が滑って、 言わずもがなな事を言ってるのが鼻につくのはご愛嬌か。

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2010/05/02

隈先生の著作は、とても読みやすい。 今回は自然がテーマ。 紙・竹・石を使った建築物の紹介。 実物を見てみたくなります。 10/04/29-58

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2010/04/24

隈さんの建築は今までいくつか見てきたけれど、こんなに深いこと考えてつくっていることが学べて良かった。 人間中身が大事なのと一緒なように、その人間が住まう建築もまた中身が大事なのだ。そんなことをわからせてくれる一冊。

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2009/12/13

詳細は後ほど。 著者の隈研吾さん自らが設計した「自然な」建物について、計画段階から建築まで建築家としての苦悩(あまり感じられないが)と工夫が読み取れます。 見に行きたーい。

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