寒椿ゆれる の商品レビュー
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近藤史恵さんの時代物のシリーズ「寒椿ゆれる」、猿若町捕物帳シリーズ、2008.11発行。読み応えがあって楽しめました。同心玉島千蔭34歳が主人公。小者の八十吉がサポート。祝言間近のおろく28歳(目が鋭く、算術に長けて、頭がよい)がいい役どころを。猪鍋、清姫、寒椿の3話。
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「猪鍋」 千蔭の父・千次郎の妻お駒が懐妊した。しかしつわりが酷く何も食べられない。このままでは衰弱してしまうということで周りはあれこれ食べられるものを探す。そして巴之丞の薦めで,「乃の字屋」という店で猪鍋を試してみることに。お駒は猪鍋がすっかり気に入った様子で,これ以降少しずつ食...
「猪鍋」 千蔭の父・千次郎の妻お駒が懐妊した。しかしつわりが酷く何も食べられない。このままでは衰弱してしまうということで周りはあれこれ食べられるものを探す。そして巴之丞の薦めで,「乃の字屋」という店で猪鍋を試してみることに。お駒は猪鍋がすっかり気に入った様子で,これ以降少しずつ食が戻ってくるが,食事の最中,店で刃物を持った男が暴れるという事件が。乃の字屋はその後立て続けに災難に見舞われてしまう。お駒の調子が良くなったこともあって,千蔭は事件の真相を探り始めるが。 一方で千蔭に再び縁談が。 「清姫」 千蔭は縁談相手・おろくを誘って,中村座の芝居見物に出かける。その数日後,巴之丞が何者かに切りつけられるという事件が発生する。芝居見物の時,おろくが怪しい若い女を見たという。巴之丞が襲われた時見た相手はまさにその女だったようだが,全く見知らぬ女だという。 「寒椿」 金貸しの伊勢屋に盗賊が入ったという事件が発生。南町は当番ではなかったが,北町の大石が盗賊に繋がっているという疑いをかけられてしまう。大石をよく知る千蔭は濡れ衣だと信じ,疑いを晴らすために独自に調査を始める。
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猿若町シリーズ第四弾。 今回は女絡みの内容で面白かった〜! 巻を重ねるごとに面白くなるのでたまらない♪ 相変わらず事件を読むのは冷静沈着、頭が回る千蔭 でも女心を読むのはダメダメです( ̄▽ ̄) 千蔭に見合いの話が持ち上がり、あれよあれよという間に結納が近づきます。 梅が枝の真...
猿若町シリーズ第四弾。 今回は女絡みの内容で面白かった〜! 巻を重ねるごとに面白くなるのでたまらない♪ 相変わらず事件を読むのは冷静沈着、頭が回る千蔭 でも女心を読むのはダメダメです( ̄▽ ̄) 千蔭に見合いの話が持ち上がり、あれよあれよという間に結納が近づきます。 梅が枝の真意はまだまだわからないし、この許嫁がいいキャラなんでこのまま結婚かなぁと思いきや… 前回からちょいちょい出てきた北の同心・大石新三郎が事件に巻き込まれ、千蔭の許嫁が事件解決のお手伝い! 新三郎、許嫁おろく、前作で出てきた女形・与四郎 もこの先脇に加わるようなので、ますます面白くなりそうです\(//∇//)
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千蔭のライバル?堅物で嫌みな北町同心大石新三郎が、最後に見せる純情にニヤリ。秘めた恋心を相手に知られたら、「自害するぞ」とわめく大石に、「なんだ、あれは。あまりにも大人げない」と深いため息をつく千蔭。おろくには彼のこと「友」って言ってたよね。 まさか、堰き止められた思いってのが、ここに繋がるとは思いませんでした。
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猿若町捕物帳 シリーズ4 南町同心・玉島千蔭の義理の母・お駒が、懐妊した。 春先には、生まれるらしい。 悪阻が酷く、食も進まない、お駒を、周りの人間は、心配する。 そんな時、千蔭に、縁談。 相手は、奥右筆組頭の六女・おろく。 とりわけ美人でもなく、愛想もない。しかし、おろくの...
猿若町捕物帳 シリーズ4 南町同心・玉島千蔭の義理の母・お駒が、懐妊した。 春先には、生まれるらしい。 悪阻が酷く、食も進まない、お駒を、周りの人間は、心配する。 そんな時、千蔭に、縁談。 相手は、奥右筆組頭の六女・おろく。 とりわけ美人でもなく、愛想もない。しかし、おろくのまことを感じた、千蔭。 とんとん拍子に、縁談が進み、来年の年明けには、結納…と言う段取りになった。 ところが、伊勢町の金貸しの内藤屋に盗賊が入り、大石新三郎が手引きをしたとされた。 新三郎は、南町同心で、千蔭は、嫌味を言われたりするが、仕事ぶりは、評価していた。 その、新三郎の嫌疑を晴らす為、千蔭は、動くが、 その結果、またしても、千蔭の縁談が壊れる羽目に・・。 このシリーズで、今回が、一番面白かった。
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このシリーズは、時代物だが気風のいい町人が出てきて事件を解決していくようなものではない。人と人とのつながりが良い時もあれば、つながりが濃いが故に事件の引き金になってしまうこともある。 そんなやるせ無さを感じてしまう。 面白くないわけでは決してないが、読み終わったら何だか切なくなっ...
このシリーズは、時代物だが気風のいい町人が出てきて事件を解決していくようなものではない。人と人とのつながりが良い時もあれば、つながりが濃いが故に事件の引き金になってしまうこともある。 そんなやるせ無さを感じてしまう。 面白くないわけでは決してないが、読み終わったら何だか切なくなってしまう。
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現代のミステリーや刑事モノが続くと、時代物がやたらと読みたくなることがある。 もちろん、捕物系。 同心や岡っ引きが江戸の町を走り回る作品には、底辺で生きる人々の生き生きとした表情、悲しみや苦しみ、そして熱い絆が、ゆったりと流れる時の中で描かれる。 しみじみと味わい深く、読み...
現代のミステリーや刑事モノが続くと、時代物がやたらと読みたくなることがある。 もちろん、捕物系。 同心や岡っ引きが江戸の町を走り回る作品には、底辺で生きる人々の生き生きとした表情、悲しみや苦しみ、そして熱い絆が、ゆったりと流れる時の中で描かれる。 しみじみと味わい深く、読み終えた後は、胸のあたりが温かくなるのです。 好物は、藤沢周平さんの「立花登」シリーズや、「神谷玄次郎捕物控」、「用心棒」シリーズ、「彫師伊之助」シリーズ、そして、池波正太郎さんの「鬼平」シリーズはいうまでもない。 宮部みゆきさん作品は現代モノも好きだが、輪をかけて時代モノのが好きなんです。 有名な「ぼんくら」シリーズ、そして「霊験お初」シリーズは、お転婆だが、思慮深く、気持ちの優しいお初が大好きで、ここのところ、続編が出てこないので、寂しい思いをしている。 で、今回は、やはり大好きな作家さん、近藤史恵さんの「猿若町捕物」シリーズの4作目。 同心の千蔭、その小者の八十吉に活躍する捕物話の面白さは相変わらずだ。 表題作の「寒椿ゆれる」では、千蔭が見合いをし、いよいよ年貢のおさめ時かと、思ったのだが…。
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前作に続いて、ほのばのした感じで事件が起こり、解決する展開。そんなに、あっということもなく、ああそんな感じなんだで終わる。この時代の人たちはもっと早く結婚するんじゃない、との疑問はあるが、さておきなのかもしれない。
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良いお話でした。 近藤さんの時代小説、とても良いです。 国克や与四郎など、以前は騒動を起こしたキャラが、味のある仲間のようになっていくのも面白い。 おろくさんのことはちょっと残念でしたね… 千蔭はお人好しだなあ… でも、これで良かったのでしょうね。 『猪鍋』 誰かが決定的に悪い...
良いお話でした。 近藤さんの時代小説、とても良いです。 国克や与四郎など、以前は騒動を起こしたキャラが、味のある仲間のようになっていくのも面白い。 おろくさんのことはちょっと残念でしたね… 千蔭はお人好しだなあ… でも、これで良かったのでしょうね。 『猪鍋』 誰かが決定的に悪いわけではないけれど、こういう事が起きてしまう事もある… 『清姫』 八十吉さんは巴之丞をちょっと気味悪く思っているようだけど、いい人ですよね。 『寒椿』 余韻の残るお話。 武家では嫌われる椿の花が… 千蔭も、“良く見える目”を持っているのだと思います。 観察眼と言えばそうだけれど、小さな出来事や、人の言葉をおろそかにしない、という心がけ、でしょうか。
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手元に置いておきたくて購入。 変わり者と言われてもおろくさん良い人だな~。 千陰様、他人のことよりご自分のことを考えたほうがよろしいですよ(笑) 続いてほしいシリーズ。
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