凍りのくじら の商品レビュー
すごく良かった。辻村さんは青少年向け小説のイメージもあったけど、こんな話もあるんだなと思った。グッとくるシーンもあるので電車の中で読むのは危険かも。 そして、最後まで読んで最初のページを2度読み3度読みしたのは私だけではないはず(笑)
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分厚いのにテンポが良くて面白かった! 電車内で読んでいて降りるときには毎回先が気になるタイミングで、常にワクワクできたのが嬉しい。 「現実味がない」って言っている理帆子のあの感じや行動がむしろ現実味があったけど、まさか別所さんがパパだったってスコシフシギなエンディングを迎えるとは思わなんだ。 若尾のあのイタい感じを表現するのが上手くて、長文メールのところは特に見てられなかった笑、それもすごいこと。 ドラえもんをここまで考察して考えたことなかったから、ドラえもんも読んでみたくなった!!
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藤子・F・不二雄先生を慕う写真家の父は闘病中に失踪。母は現在闘病中。その娘理帆子は父の影響でドラえもん愛読者でありつつ周りの友人や家族までも斜に構えて見てしまうドライな高校生。 藤子・F・不二雄先生の言葉 SFはサイエンス・フィクションではなく少し・不思議。 そんなお話だった。 ...
藤子・F・不二雄先生を慕う写真家の父は闘病中に失踪。母は現在闘病中。その娘理帆子は父の影響でドラえもん愛読者でありつつ周りの友人や家族までも斜に構えて見てしまうドライな高校生。 藤子・F・不二雄先生の言葉 SFはサイエンス・フィクションではなく少し・不思議。 そんなお話だった。 少し・不思議 後半でやっと、あれっ?んっ?と不思議が顔を出す。 章ごとにドラえもんの道具が出てくるのが面白かった。
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足元を掬われる。それも見事なまでに、ことごとく裏返ってしまった。“頭が良い”とは幻想でしかなく“良い”も“悪い”も何を根拠に。“孤独”について共感を得たものの、共感とは、すなわち僕自身に思い当たる節があるから。泣きたくなるよね。ほんとうに。 言葉が通じない相手のことは、僕なら早々...
足元を掬われる。それも見事なまでに、ことごとく裏返ってしまった。“頭が良い”とは幻想でしかなく“良い”も“悪い”も何を根拠に。“孤独”について共感を得たものの、共感とは、すなわち僕自身に思い当たる節があるから。泣きたくなるよね。ほんとうに。 言葉が通じない相手のことは、僕なら早々に諦める。こと人間関係について僕はまったく執着しない。年齢も年齢だし、その分の経験則に従って。高校生の理帆子、等身大の生きづらさなどは彼女に限ったことではなくて、誰もが抱いたことだろう…なんて現在の僕だから言えることなのだけれども。 写真を撮ることは、自身の主体性を客観視すること。シャッターを切れば写真は写る。いわゆる“センス”だなんて関係がない。と、まずは自覚することから。考えて撮るから行き詰まる。考えずにシャッターを切り続けることで、本質が見えてくるだろう。良い写真が撮れないのなら、良い写真が撮れるまで、撮り続けるしかないのです。
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人物の描写が細やかで、さすがとしか。ラストに向かってページを繰るたびにじわりと切なくて泣いてしまった。少し距離を置きがちな人間関係の現代社会人には、人の心に踏み込むのは勇気がいる。現代人にこそ刺さるようなお話だったなと。
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辻村さん作品2冊目の購読 最初は不思議な話で何となくサラッと読んでいたのに、後半は感動する展開が多くてもう一度読みたくなるような作品
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主人公の少し擦れたような性格が学生時代の自分を思い出させて共感できた。特に、親に対する気持ちや友達はいるけど深く入り込めない主人公の気持ちはとても繊細に描かれていて共感できる人が多いだろうなと思った。 物語は全体的に暗いけど、ところどころに出てくるドラえもんの道具がその暗さを中和...
主人公の少し擦れたような性格が学生時代の自分を思い出させて共感できた。特に、親に対する気持ちや友達はいるけど深く入り込めない主人公の気持ちはとても繊細に描かれていて共感できる人が多いだろうなと思った。 物語は全体的に暗いけど、ところどころに出てくるドラえもんの道具がその暗さを中和するような可愛らしさがあって少し不思議な気持ちになりました。
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主人公が多感な時期 友達と一緒にいて 楽しかった感覚がなかったというフレーズを読んで 私もだったいうと共感と でも大人になるとそれもまた変わるのだと この小説でそんなメッセージも受け取りました ドラえもんもメッセージ性深い漫画なんだったと思い出し 本棚にあるドラえもんを手に取り...
主人公が多感な時期 友達と一緒にいて 楽しかった感覚がなかったというフレーズを読んで 私もだったいうと共感と でも大人になるとそれもまた変わるのだと この小説でそんなメッセージも受け取りました ドラえもんもメッセージ性深い漫画なんだったと思い出し 本棚にあるドラえもんを手に取りました
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解説で自分の人生と重ならない、けどハマるみたいな書き方をされてましたが 私は自分の感覚と主人公の気持ちや考えが当てはまっていてすごく面白かったです。 片親で育った気持ち、思春期の年齢で突然父がいなくなった気持ち、母親のことは好きなのになぜかこの環境に許せない気持ちと交互して母親とぶつかる気持ち。。。 別所が父親の幽霊だったと郁也くんを助けた時にようやく気づきましたが、 なんとなく郁也くんのピアノを聴きながら郁也くんの家で数ヶ月で過ごして聞いていた別所のことをあきらと平仮名で書いている文面に読みづらさを感じていたのと 郁也と里帆子が出会うシーンでタエばあちゃんが別所に何も触れなかったシーンが気になっていたのとで ラストに幽霊だったんだとわかり、なるほど筆者の意図がここに繋がっていたのかとクリアになりました。 最初から最後まで若尾は一体何をしでかすのか?とハラハラドキドキしていたけど、郁也を狙った時にそこを狙うのか!という若尾らしい人とは違いすぎる変人さも奇妙で面白かったです。 でもそんな若尾に振り回されて結局好きになったことのあるりほこちゃんもどうしようもない気持ちで生きていたんだなと辛くなる気持ちもありました。 私も思春期の時に片親になった経験があり自分と重なる親のジレンマや世間に対する諦めなどいろんなりほこちゃんの感情もわかる本ですごくすごく良い本でした。 またドラえもんのことを重ねることで夢や暖かさも感じる本で最後は涙なしでは読み進められない愛溢れる本でした。
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少し・不思議だけどすごく面白い。つっかかったフレーズや気になっていたことが、すべて最後に納得できた。そして、驚いたけど本当に面白かった。読み直しても面白いなと思った。
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