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アンナ・カレーニナ(4) の商品レビュー

4.5

30件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

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2024/05/06

トルストイのなかでも比較読みやすい本 様々な恋愛、人間関係があり 読む人により意見が異なる 舞台でも面白いと思うので 何度も舞台化されているが 機会があれば観てみたい ほんすとっくさんのブログを見ながら 読み進める時わかりやすい https://honstock.net/an...

トルストイのなかでも比較読みやすい本 様々な恋愛、人間関係があり 読む人により意見が異なる 舞台でも面白いと思うので 何度も舞台化されているが 機会があれば観てみたい ほんすとっくさんのブログを見ながら 読み進める時わかりやすい https://honstock.net/anna-karenin-characters

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2023/06/19

初トルストイ長編 幸せな家族はどれもみな似ているが、 不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。 圧巻の世界観 登場人物がみんな生きている 熱情や妬みに翻弄されていく貴族たち 確かに昔存在していた時間たちが蘇り、 そこに生きていた人間たちの鼓動が感じられる。 本筋だけを追っ...

初トルストイ長編 幸せな家族はどれもみな似ているが、 不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。 圧巻の世界観 登場人物がみんな生きている 熱情や妬みに翻弄されていく貴族たち 確かに昔存在していた時間たちが蘇り、 そこに生きていた人間たちの鼓動が感じられる。 本筋だけを追っていけば、 今日目新しい展開は特にないのだが、 一つ一つの挿話によって、 人物像だけでなく、彼らの生活の香りが浮き彫りになっていく。 アンナとリョーヴィン アンナは恥辱との戦いであり、 リョーヴィンは自己との戦いであった。 地に足をつけて、自分と対話しながらなんとか生きていく。 それって、いつの時代も通用する教訓なんだと思う。 自分が何者で何のためにこの世に生きているのかを知りもせず、また知る可能性さえも持たず、その自らの無知に苦しむあまり自殺さえも恐れながら、同時に自分独自の、はっきりとした人生の道を、しっかりと切り開いていたのであった。

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2023/04/27

23.2.27〜28 アンナの描写、本当にギリギリまで精神的な部分で死に近づいた人しか書けないものだった。分かりすぎてキツかった。その後のパートのリョーヴィンが精神的にかなり追い込まれている状態にいて、何を見出すのか。1ヶ月足らずで一気にこの作品を読めたこと、舞台のアンナ・カレ...

23.2.27〜28 アンナの描写、本当にギリギリまで精神的な部分で死に近づいた人しか書けないものだった。分かりすぎてキツかった。その後のパートのリョーヴィンが精神的にかなり追い込まれている状態にいて、何を見出すのか。1ヶ月足らずで一気にこの作品を読めたこと、舞台のアンナ・カレーニナまでに読み終えられたことへの安堵感も同時に去来してきて、不思議な気持ちになった。アンナとヴロンスキー、まずいな〜まずいな〜と思っていたけど、こういう話になると思っていなかったから本当にビックリした。

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2023/04/24

長いけど訳が重厚すぎず、何より面白くてどんどん読み進められた。自分が恋愛に依存気味の時期の思考の流れにありがちな視野の狭さがアンナの一人称語りによく出てたりと人物の心理描写も素晴らしい上、リョーヴィンと対になる構成も面白い。タイトルロールなのにアンナは冒頭もなかなか登場しないし、...

長いけど訳が重厚すぎず、何より面白くてどんどん読み進められた。自分が恋愛に依存気味の時期の思考の流れにありがちな視野の狭さがアンナの一人称語りによく出てたりと人物の心理描写も素晴らしい上、リョーヴィンと対になる構成も面白い。タイトルロールなのにアンナは冒頭もなかなか登場しないし、死んでからも物語が結構続くんだよね。

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2022/11/07

完結編。第7部と第8部を収録。2つのカップルの圧倒的な結末に魂が震撼する。そこに見出したある一つの答え。 前巻の新婚生活から続いて出産シーンへ。リョーヴィンの慌てっぷりがユーモラス。お互いに何でも話し合い、隠し事をしない理想的な夫婦像ともいえるリョーヴィンとキティも、時々は細か...

完結編。第7部と第8部を収録。2つのカップルの圧倒的な結末に魂が震撼する。そこに見出したある一つの答え。 前巻の新婚生活から続いて出産シーンへ。リョーヴィンの慌てっぷりがユーモラス。お互いに何でも話し合い、隠し事をしない理想的な夫婦像ともいえるリョーヴィンとキティも、時々は細かいことでぶつかったり悩んだりするところがリアル。 二人の主人公が一瞬だけ交差する出会いのシーンは胸が熱くなるものがある。ここから物語はクライマックスへ向かっていく。 第7部の終盤にいたる展開は、その不穏さとスピード感に読んでいるほうも追い詰められる感覚になる。男女の愛を理想的な結婚の姿という形で見せてくれたリョーヴィンと対比して、最後まで愛を求め続けたアンナの姿も、ある意味で女性としての究極的な何かを表現しているといえるかもしれない。最後のシーンの文章が本当に上手いというか、映像的でありながら文章でしか表現しえないものがあって、翻訳も含めてすごいと思った。 第8部はエピローグ的な展開と、リョーヴィンの思索がメインになる。一般的には第7部のラストに目が行きがちだし、物語としてはあそこで終わっても不自然ではない。だがこの第8部こそ、本作の結論でありキモとなる部分といえ、本作を単に恋愛小説として読んでいる人には見出だせない、より大きなテーマが提示されている。 リョーヴィンが抱き悩み続けている本源的な問い―― 「自分はいったい何者か?自分はどこにいるのか?なぜここにいるのか?」 それは生と死についての疑問であり、リョーヴィンはこれについて明確な答えを見出す。アンナとリョーヴィンという、別々に展開し一見つながらないように見える2つのプロットは、すべてこの一点のテーマに集約されて大きなカタルシスをもたらすのである。 自分の若い頃にこれを読んでもピンとこなかっただろう。百姓ヒョードルの些細な一言で気づきに至る流れ、答えは理性の外にあり、「われわれはすべて知っているのだ」と納得する顛末に、うんうん、そうだそうだとうなずきながら、この何年かで学んできたこと、考えてきたことが微細に書かれていて驚いた。特筆すべきなのは、これらのことが単に思索の結果としてだけではなく、日常生活の細々した雑事と密接にからみながら描かれているところ。リョーヴィンの悟りは、よく言われるふわふわしたスピリチュアルではないのだ。悟りに至ったあとも、あまり変わらない現実の如実な姿にニヤリとするラストの一文が最高だ。また、キリスト教の信仰に立ち返った彼は、他宗教へのスタンスについても、子供たちのいたずらと天文学者のたとえから明確に結論づける。 表向きは恋愛と結婚を題材にしながら、また当時の生活や社会を詳細に描きながら、より深い生命の次元から万事を見つめ、多層的な観点から人間の本質に迫っていく本作は、個人的にも人生でベストといえる作品の一つとなった。これから映画も見てみたいと思う。

Posted byブクログ

2022/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 19世紀当時の帝政ロシアの貴族社会を背景とした物語としての歴史的荘厳さを保ちながら、アンナとリョーヴィンという愛に悩む等身大の人間像を絡めることで、不変的な一大叙情詩かつ一大叙事詩に昇華させたトルストイの古典的名作。光文社の翻訳・編著の妙もあるだろうが、いま読んでも全く古さを感じず面白い。  ヴロンスキーの愛を猜疑しアンナの鉄道自殺で衝撃的に幕を閉じる第7章。これにて終焉としても良かったであろうが第8章のヴロンスキーの自棄的行動やリョーヴィンの啓示的開眼が単なる「不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある」人間模様から数歩抜きん出た深みある印象を与える。

Posted byブクログ

2021/07/02

悲しみと驚きの第7部 心に残る第8部 読み終えた瞬間の私の感想… え?これは? 『アンナの終わりとコンスタンチン・ワンダーランド』じゃないの! なぜ?なぜトルストイは、この小説のタイトルを『アンナ・カレーニナ』としたの? トルストイ先生、もっと他のタイトルあっただろうに...

悲しみと驚きの第7部 心に残る第8部 読み終えた瞬間の私の感想… え?これは? 『アンナの終わりとコンスタンチン・ワンダーランド』じゃないの! なぜ?なぜトルストイは、この小説のタイトルを『アンナ・カレーニナ』としたの? トルストイ先生、もっと他のタイトルあっただろうに…と考えつづけていたところ、巻末の、訳者望月先生の解説の中に、ゲイリー・モーソンという人の解釈が紹介されていました。 _題辞は 彼女が自分自身に下した捌きの言葉だとも取れる_ 『アンナ・カレーニナ』だからこそ、彼女と相反するその周りの人物や思想、またリョービンの物語に光が差すのです。 悩めるリョービン、悟りを開くリョービン、まるで、青春時代に帰ったかのように、一緒に悩んでしまった! 私はどうしてここにいるの?神とは?生とは?精神、意志、自由、実体? …と でも、リョービンは自分の生活の中から(穀物番フョードルから)、答えを見つける。 答えがあるんですね、トルストイ先生✨ 光と闇、リョービンの世界と、アンナの生き様。二項対立という言葉も解説にあったけど、、 私にとっては、かなりのリアリズム小説で、好みではないはずなのに、すっかり面白くよまされてしまった! 作家が亡くなって100年以上も経ったいまも、こうして私たちの心を捉えて離さない作品であることが、 これが文学なんだなぁと、よくわかりました

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2021/02/13

よかった。××××が最終章で最後に出した結論は半分共感できるが半分は茶番だと思う。でも嫌いじゃない。

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2020/07/22

読了した。題名であるアンナは、主人公という感じではなく、著者の描く格調高いロシア貴族社会を描くにあたり、また、上流にいる人々の複雑な人間関係を描くにあたって、人々の繋がりの1つの筋として焦点が当てられた、ある意味、理想的な輝ける登場人物といった位置づけであるように思えた。重厚な社...

読了した。題名であるアンナは、主人公という感じではなく、著者の描く格調高いロシア貴族社会を描くにあたり、また、上流にいる人々の複雑な人間関係を描くにあたって、人々の繋がりの1つの筋として焦点が当てられた、ある意味、理想的な輝ける登場人物といった位置づけであるように思えた。重厚な社会での人々の生活を生き生きと描き出した、かつ絶妙な展開の素晴らしい小説だと思う。感動的であった。 「召使と玄関番用の制服を買おうとしたとき、思わずこんなことを考えずにはいられなかった ー こんな誰にも必要のないように見える制服も、制服なんか要らないじゃないかとおれがほのめかしたときの公爵夫人やキティの驚きぶりからすると、やはり必要不可欠なものなのだろう」p24 「年老いた顔見知りのドアマンがクラブの制服姿で立って、ゆっくりとあわてずにドアを開き、客を振り返るのを見たとき、リョービンには一挙にかつてのクラブの印象がよみがえってきた。「どうぞ、お帽子を」帽子は玄関の控え室に置くというこのクラブの規則を忘れていたリョービンに、ドアマンが言った。「お久しぶりのお越しで。公爵さまからすでに昨日ご予約をいただいております。オブロンスキーさまはまだお見えになっていらっしゃいません」ドアマンはリョービンのことを知っているばかりか、彼の交友相手や親族のこともすっかり知っていて、すぐさま彼の親しい者たちの名をあげた」p54 「(アンナの振る舞い)お茶の席でもまったく同様に、気持ちのいい、充実した会話が交わされた。話題に困って探さなくてはならないようなことは一瞬たりともなく、それどころか自分の言いたいことがとても言い尽くせないという気がして、むしろしゃべるのを我慢して他人の話を聞いているのが楽しいくらいだった。そして彼女の話ばかりでなく、ヴォルクーエフがしゃべることもオブロンスキーがしゃべることも含め、どんな話をしてもすべて、彼女が耳を傾けて聞き、意見を言ってくれることによって特別な意味を帯びるように、リョービンには感じられたのだった。興味深い話に耳を傾けながら、リョービンはずっとアンナに見とれていた。彼女の美しさ、知性、教養、そして同時に素直で打ち解けた態度にうっとりとしていたのである」p83 「例えば同じ大学を出て同じような知識と能力を持つ技師のうち、一人が四万もらっているのに、もう一人が二千に甘んじているような場合です。また銀行の頭取に、なんら特別な知識も持たない法学者だとか軽騎兵だとかが高給で招かれるようなのも、それに当たります。そういうのを見ると、わたしは給与が需要と供給の法則で決まっているのではなく、ただのコネで決まっているのだと判断するのです」p135 「わたしは信者ですから、このような重大な問題でキリスト教の法に違反することはできないのですよ」p144 「せっかくペテルブルクにいる以上、妹の離婚や自分の就職といった用事を果たす以外に、いつもどおり、彼の言う「モスクワのかび臭さ」を払拭してリフレッシュする必要があったのである」p151 「我々は精神的に飽食しているから、破壊ばかりしているのだ」p327

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2018/08/21

ここまで不幸な終わり方の「恋愛小説」は初めて。(そういうジャンルはそもそもあまり読んでないけど。) 20世紀以降を生きるものとしては、人間の行動パターンをどうしても「進化的に安定な戦略」かどうかとして見てしまう。嫉妬に狂うくらい優秀な遺伝子を持つブロンスキーのタネを何としても手に...

ここまで不幸な終わり方の「恋愛小説」は初めて。(そういうジャンルはそもそもあまり読んでないけど。) 20世紀以降を生きるものとしては、人間の行動パターンをどうしても「進化的に安定な戦略」かどうかとして見てしまう。嫉妬に狂うくらい優秀な遺伝子を持つブロンスキーのタネを何としても手に入れるぞ、というプログラムが発動すると、アンナのような奇怪な人格になるのかしら。。 キティのようなわかりやすい人格の方がホッとする。

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