粗茶を一服 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
町飛脚が届けるのは、書状だけではない。言伝もあれば、金を届けたりもする。両替商の近江屋には、朝から夕までひっきりなしに、町飛脚が出入りする 休んでいる限り、職人には手間賃は入ってこない。その上、雨は、肌寒さを長屋の路地に居座わさせているのだ。懐も肌も、両方が薄ら寒い職人は、何度も舌打ちをしてから、恨めしそうな目で雨空を見上げた
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内容(「BOOK」データベースより) 大不況下でも図抜けた身代を誇る札差のドン・伊勢屋を陥れようと、悪い噂を江戸中に流しているのは果たして誰なのか。仕掛けられた罠、謎、そして伊勢屋の豪快な意趣返し。極上の茶の香りにのせ茶室で展開される商人たちのかけひきに喜八郎はどう動くのか。秀...
内容(「BOOK」データベースより) 大不況下でも図抜けた身代を誇る札差のドン・伊勢屋を陥れようと、悪い噂を江戸中に流しているのは果たして誰なのか。仕掛けられた罠、謎、そして伊勢屋の豪快な意趣返し。極上の茶の香りにのせ茶室で展開される商人たちのかけひきに喜八郎はどう動くのか。秀弥との恋の行方も気になる大人気シリーズ第三弾。 平成30年5月23日~25日
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面白かった。 2018年、戌年に「猫札」から始まる小説である。 7話からなるのだが、最初の騙りの話から、次々とその騙りの本体が、見えて来る。 札差会所の伊勢屋四郎左衛門の話。 棄捐令によって多額の貸金棒引きに迫られた他の札差たちの中の者が、猫好きの伊勢屋の足を引っ張られるような事...
面白かった。 2018年、戌年に「猫札」から始まる小説である。 7話からなるのだが、最初の騙りの話から、次々とその騙りの本体が、見えて来る。 札差会所の伊勢屋四郎左衛門の話。 棄捐令によって多額の貸金棒引きに迫られた他の札差たちの中の者が、猫好きの伊勢屋の足を引っ張られるような事態を起そうとしている。 その悪だくみをどう処理好いていくのか? 大口屋は、伊勢屋を廃業へ追い詰めるために、猫札と称してだまし取らろうと、大城屋と、近江屋の手代の雪三郎を手下に従えたのだが、、、露見してしまい、土左衛門となってしまう。 損料屋喜八郎始末控えなので、主人公は、喜八郎なのだが、この小説は伊勢屋を中心に描いている。 題名の「粗茶を一服」も、茶道では、この言葉は、普通の粗茶の扱いででなく、御濃茶迄の事であり、正式の懐石料理付きの茶事の事である。 一般に、我母などが、「粗茶ですが・・・」と、言いつつ静岡の玉露を来客のおもてなしに使用していたが、あなた様は、粗茶かもしれませんが、精一杯のおもてなしをしておりますと、言う意味合いだと、、、幼心に聞かされていた。 茶道を習って、この言葉は、難しいと、感じたものである。 表だった言葉の中に含む意味合いを解く難しさ。 伊勢屋が、名品の器に料理を謎解きのような趣向で、もてなすのを、なんと上手く調理しているのだろうと、、、、。 最後の懐石の料理の後の縁高の主菓子にあんで包んだおこしとは、、、想像もつかないお菓子であったのには、笑ってしまった。 棄捐令発令前の元旦に札差が、役人を宴会に招待した時に振舞ったのは、尾張特産の大粒小豆と和三盆使用の汁粉で、理解できた。 何と上手く当てはめているのだろうと、、、、。 最後に十三夜のにゅうめん 「提灯下に居る子犬が鼻を鳴らした」 戌年にピッタリだったかも、、、と、楽しく読み終えた。
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損料屋喜八郎始末控え第三弾。 前作をとばしてしまったのと、一作目を読んだのがかなり前で、誰が誰だかわすれてしまっていたのが残念。 また読む時は一気に読んでしまおう。 今回は喜八郎よりも伊勢屋が表だった事件が多い。 商いに厳しく、悪評も多い伊勢屋だが、いいものはいいと認め、そのた...
損料屋喜八郎始末控え第三弾。 前作をとばしてしまったのと、一作目を読んだのがかなり前で、誰が誰だかわすれてしまっていたのが残念。 また読む時は一気に読んでしまおう。 今回は喜八郎よりも伊勢屋が表だった事件が多い。 商いに厳しく、悪評も多い伊勢屋だが、いいものはいいと認め、そのためのお金はおしまないような心意気がかっこいい。 最後のにゅうめんがとてもおいしそうだった。
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損料屋喜八郎始末第3集7話。最初は悪役だった札差が、主人公と肩を並べる存在になってる。反面、相棒の筈の与力の影が薄くなってるなぁ~、恋愛を絡ませる人物は多いが、山本さんの場合、上手くないからネタ切れの予備(笑)前に読んでいた平岩弓枝の御宿かわせみシリーズと比較して物足りない部分。...
損料屋喜八郎始末第3集7話。最初は悪役だった札差が、主人公と肩を並べる存在になってる。反面、相棒の筈の与力の影が薄くなってるなぁ~、恋愛を絡ませる人物は多いが、山本さんの場合、上手くないからネタ切れの予備(笑)前に読んでいた平岩弓枝の御宿かわせみシリーズと比較して物足りない部分。まずは早く喜八郎と秀弥をくっつけて落ち着かせて欲しい。
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巻数が増える毎に、伊勢屋の印象が変わっていきます。というか、主人公陰薄くないですか?一巻目は、もっと登場回数が多かった気が…。 まあ、料理の描写が美味しそうなのと、秀弥さんとの今後を期待して星4つに。
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御馴染み、損料屋喜八郎三作目である。 面白さは、冊数を重ねるたびに薄れていく気がする(笑) 本当は格好いい喜八郎なのに、伊勢屋が主人公なのか?と思ってしまう。 まぁ、続き物だから読んではみたが少し残念な結果ではあるな。
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この作品は1作品では完全には 完結しない作品なので ちょっともやっ、やイラッ、という 感情を抱いてしまうかもしれません。 そこのところが少々惜しかったですね。 だけれども今回は いかにもな悪人が出てきていて 最後に悪事が露見して とっちめられる描写を見たときには 爽快でした。 ...
この作品は1作品では完全には 完結しない作品なので ちょっともやっ、やイラッ、という 感情を抱いてしまうかもしれません。 そこのところが少々惜しかったですね。 だけれども今回は いかにもな悪人が出てきていて 最後に悪事が露見して とっちめられる描写を見たときには 爽快でした。 ちなみに1作品ほど 珍しく札差関連とは 関係のない悪人が出てくる作品が あります。 その悪人というのがまた 強烈な悪人なのであります。 本当に女性に近づけてはいけませんね。 それも成敗されます。 まったく、なんていう騙りなんでしょう…
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シリーズ物です。 が、前に読んだシリーズが思い出せない… 前半は続き物の内容で、後半は読みきりの短編です。 喜八郎が影になり、事件の真相を探り出し解決して行きます。
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この作者さんは、もう少し魅力ある人物を かけるようになると、着想がいいので 面白そうな予感がします 誰が主役か忘れるぐらいですよ! でも、寛政の棄捐令による影響を、描き 「時代背景」から生み出される物語を書く 筆力は絶品ですね 面白いから、他の作品も見てくださいね
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