彼女のこんだて帖 の商品レビュー
どれも前向きな結末の短編。だから前向きになれる。 とかく栄養素でこんだてを考えがちだが、もっと自由にその時の気分や目にしたものをテーマにこんだてをたてるのも楽しそう。
Posted by
超短編と料理写真、れしぴと簡単な調理手順が1セットとなり、登場人物がリンクして行きつつ様々な設定と人生の断片が交錯するという趣向。普通の小説では料理が主題的であっても、ここまでその料理の具体的情報までは付随しない。基本的に文章から想像を膨らませるのが小説だが、敢えて視覚的情報を与...
超短編と料理写真、れしぴと簡単な調理手順が1セットとなり、登場人物がリンクして行きつつ様々な設定と人生の断片が交錯するという趣向。普通の小説では料理が主題的であっても、ここまでその料理の具体的情報までは付随しない。基本的に文章から想像を膨らませるのが小説だが、敢えて視覚的情報を与えることで、より鮮烈なシーンご想像されて面白かった。
Posted by
料理もさることながら、それに花を添えている小説が素敵だった。 オムニバスになっていて大変好みでした。 料理に一つ一つ思い出があるって素敵なこと、楽しいことだよな、と改めて。 作るのも食べるのも面倒になったりするけれど、心が疲れている時こそ、手間暇かけて美味しいものを食べたいもので...
料理もさることながら、それに花を添えている小説が素敵だった。 オムニバスになっていて大変好みでした。 料理に一つ一つ思い出があるって素敵なこと、楽しいことだよな、と改めて。 作るのも食べるのも面倒になったりするけれど、心が疲れている時こそ、手間暇かけて美味しいものを食べたいものですね。
Posted by
短編小説と料理のコラボ。 5~6ページの小説と、小説内のキーとなる料理のレシピで 構成され、登場人物のリレーで連作となっている。 身近な人の話・・・恋人・親子・夫婦・兄妹など。 日常の出来事・・・失恋・淡い恋・結婚への不安・退職・妊娠など。 15回のごはんは、普通の人々の普通の話...
短編小説と料理のコラボ。 5~6ページの小説と、小説内のキーとなる料理のレシピで 構成され、登場人物のリレーで連作となっている。 身近な人の話・・・恋人・親子・夫婦・兄妹など。 日常の出来事・・・失恋・淡い恋・結婚への不安・退職・妊娠など。 15回のごはんは、普通の人々の普通の話に彩りを与えています。 それらは普通のごはんではあれども、亡き妻の想い出の味や かぼちゃ料理の取り持つ縁、不安を乗り越えるうどん作り、 失恋を乗り越えるエネルギーなどとなってます。 そして季節は廻り、最後の話は最初の話へのリレーで終わりますが、 最初の話の協子に新たな展開が予感されて、嬉しくなりました。 たかがごはんといえど、作ることも(手抜きであれ、手の込んだ ものであれ)、食べることも大事で、幸せなのだと思いました。 掲載されているレシピは、物語の余韻・・・美味しそう(^^♪
Posted by
『対岸の彼女』で直木賞を受賞し、その後も数々の受賞歴をもつ角田光代さんの、短編小説と、小説に登場する料理のレシピを紹介した、台所に立ちたくなる一冊。 小説は15話が載せられていて、それぞれの話に登場するレシピは、29品紹介されている。 スノーパフというクッキーから手打ちうどん、...
『対岸の彼女』で直木賞を受賞し、その後も数々の受賞歴をもつ角田光代さんの、短編小説と、小説に登場する料理のレシピを紹介した、台所に立ちたくなる一冊。 小説は15話が載せられていて、それぞれの話に登場するレシピは、29品紹介されている。 スノーパフというクッキーから手打ちうどん、ラム肉のハーブ焼きや、魚の一夜干しなど、いろんな系統の料理が登場するので、自分にあったものを選べるし、はじめてでも作ってみようかなと思うレシピもある。 個人的に、アルミホイルで巻いてつくる「中華ちまき」は、母親が作ってくれていたものと見た目が似ていて、懐かしくも淋しい気持ちになった。 『食』については、教育面や健康面、家族をつなぐものとしても、よく話題になることがある。 しかし本来、食事は「つくる」ことより「食べる」ことに重きをおかれるはずのもの。 それでも、「つくる」側の気持ちや手の入れ方、食材の選び方や味の付け方によって、同じ料理でも数段にちがうものになるのだと思う。 本書のあとがきに書かれた内容とは、少し違った感想になってしまったが、20代前半に母親を亡くし、母親の手料理の恋しさを今でも感じる自分にとっては、ただ作って食べるのではなく、食べる人のことを考えながら作る『味』こそ、その料理を完成させる仕上げのスパイスなんだろうと思った。
Posted by
料理が鍵となる15の短編集。レシピ・写真付き。 料理や食べることが好きな人には面白いと思う。 出版社を見たらベターホーム社、なるほど。 (図書館)
Posted by
"「毎日おんなじものを食ってるんだから、足りないものもおんなじなんだろ。足りないものを食べたくなるって言うじゃないか」と将孝はさほど興味もなさそうに言うが、それはなんだかすごいことではないかと最近の千沙子は思うのだ。本当に、呆れるくらい毎日、自分たちは同じものを食べてい...
"「毎日おんなじものを食ってるんだから、足りないものもおんなじなんだろ。足りないものを食べたくなるって言うじゃないか」と将孝はさほど興味もなさそうに言うが、それはなんだかすごいことではないかと最近の千沙子は思うのだ。本当に、呆れるくらい毎日、自分たちは同じものを食べている。"[p.132] レシピにまつわる短編集。 主人公のちょっとちょっとが繋がってるのが楽しい。
Posted by
料理が鍵となる短編15編。登場人物が皆つながっている。どれも、料理によって人との距離が縮まったり、心が強くなったり、何かを決意できたりする前向きな心あたたまる話。
Posted by
角田さんの描く日常が好きです。 びっくりするような大事件や感動的な出来事はないけれど、それでも毎日少しずつ心を動かしながら人生が続いていく感じ。 食べることをもう一度かみしめて、周りの人との関係をもう一度見直して。そしてそれぞれのレシピを試してみたくなる。 すてきな本に出会えまし...
角田さんの描く日常が好きです。 びっくりするような大事件や感動的な出来事はないけれど、それでも毎日少しずつ心を動かしながら人生が続いていく感じ。 食べることをもう一度かみしめて、周りの人との関係をもう一度見直して。そしてそれぞれのレシピを試してみたくなる。 すてきな本に出会えました。
Posted by
友達に薦めてもらって読みました。 男目線で読むので、男性主人公の「豚柳川」でいちばんほろりとしました。 「外食が続いてようやく気づいたのだ、妻の作る料理はどこの店でも食べられないのだ。‥ねえ、おいしい?と妻はよく訊いた。おいしいと、自分はちゃんと答えていたか。秋雄は不安になる。...
友達に薦めてもらって読みました。 男目線で読むので、男性主人公の「豚柳川」でいちばんほろりとしました。 「外食が続いてようやく気づいたのだ、妻の作る料理はどこの店でも食べられないのだ。‥ねえ、おいしい?と妻はよく訊いた。おいしいと、自分はちゃんと答えていたか。秋雄は不安になる。それで、つい大声で言ってしまう。 『おれはこんなにおいしいものを食べていたんだなあ』」 この、少しもう取り返せない感じの切なさと、それがあながち悪いとも言えないほろ苦さと。
Posted by