ライトジーンの遺産 の商品レビュー
アルカの腕、バトルウッドの心臓、セシルの眼、ダーマキスの皮膚、エグザントスの骨、ヤーンの声、ザインの卵の7編で構成される、ハーボドイルドSF短編集。 ハードボイルド……なのかなぁ。 ハードボイルドって語源は「堅ゆで卵」。つまり状況や環境、感情に左右されないって意味だと思うんです...
アルカの腕、バトルウッドの心臓、セシルの眼、ダーマキスの皮膚、エグザントスの骨、ヤーンの声、ザインの卵の7編で構成される、ハーボドイルドSF短編集。 ハードボイルド……なのかなぁ。 ハードボイルドって語源は「堅ゆで卵」。つまり状況や環境、感情に左右されないって意味だと思うんですが、この物語の主人公は結構感情で動いてたりする部分があるように見受けられて、あんまりハードボイルド感はありませんでした。ウィスキー好きとか、詩集がすきとか。そういう所はハードボイルドといえなくもないですけど。 物語のテーマは臓器崩壊と人工臓器を巡る人々の生き方的な内容。それらのやり取りサイファという超能力者である主人公視点で描かれています。サイファ自身は臓器崩壊を起こさないため、その描写はどことなく俯瞰的な感じ。 しかし読んでいて「ああ、十年前の小説だなぁ」と思うことしきり。なんというか、口調(文調・文体)がとても若い。神林はどちらかと言えば、説教臭いところがあるのですが、この本ではそういう感じも薄めです。唯一の例外はエグザントスの骨でしょうか。 短編集ではありますが、サイファと臓器メーカーの関係が次第に明らかになっていく構成はミステリーのようで、読んでいてテンポがいいです。ただ結末に対するインパクト(カタルシス)が弱かったかなーという印象でした。
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ライトジーン社によって開発された人造人間、コウ。 サイファというサイキックのような能力を使って様々な事件を解決していく。 ハードボイルドSFだそうで…。 そこここに香る哲学的語りが絶妙。 人間とは?生きる意味とは?みたいな。 コウがカッコ良くもない中年オヤジってとこが最高で...
ライトジーン社によって開発された人造人間、コウ。 サイファというサイキックのような能力を使って様々な事件を解決していく。 ハードボイルドSFだそうで…。 そこここに香る哲学的語りが絶妙。 人間とは?生きる意味とは?みたいな。 コウがカッコ良くもない中年オヤジってとこが最高です。 読書とウイスキーを飲むのだけが趣味で、出来れば働きたくないとか。 私にそっくりだよ!!!(私の場合はもっぱらビールですが…) カッコ悪い主人公最高!!!!
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本作を読むのは二度目だ。最初に読んだのはたぶん10年前。とても印象が強かった。本屋の新作棚に並んでるのを見たとき、持ってるにもかかわらず思わず買ってしまった。再読してやはり面白かった。 主人公は本とウィスキーを愛する設定だ。「本はうるさくなくていい」という独り言に共感。
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駄目になった体の一部分を取り替えて生きながらえることのできる未来、 一部の人々は超能力を使う力を持っており、サイファと呼ばれていた。 複数の短編(短編というほど短くもないか)から、一本のストーリーが作られている。 かなり読みやすく、内容も面白かった。
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