実さえ花さえ の商品レビュー
再読 なずな屋を営む新次とおりん夫婦を軸に、預けられた子供雀、幼なじみの夫婦、太もの問屋の隠居六兵衛、さらには松平定信まで登場し、人情の機微と草木に関わる美しさで上質な世界が広がっている。
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きちんと人物が描かれて きちんと風景が見えて きちんと草花たちの様子が伝わって きちんと物語がすすんでいく 人も植物も生きとし生けるものは 生きていることこそ すばらしい そんなテーマなんだと思いました 読み終わった後 参考文献を眺めるのも また 楽しい
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すかたんはなんとも気持ちの良い楽しい小説だったが、本作も同様、職人気質のまっすぐな人達の話は読んでて気持ちいい すかたんは予定調和的なハッピーエンドだったけど、本作はピリッと辛くてほろりとさせて、すかたん以上の出来だと思う 連作短編的だけど、つながりにやや傷があり、完成度は高くな...
すかたんはなんとも気持ちの良い楽しい小説だったが、本作も同様、職人気質のまっすぐな人達の話は読んでて気持ちいい すかたんは予定調和的なハッピーエンドだったけど、本作はピリッと辛くてほろりとさせて、すかたん以上の出来だと思う 連作短編的だけど、つながりにやや傷があり、完成度は高くないようにも感じたけど、とにかく小説としての魅力にあふれてます 朝井まかてさん、いいなあ
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恋歌で朝井まかてさんを知り、次に読んだのがこちら。 1話でちょうど1時間のドラマにできそうな感じ。 情景がありありと浮かんできて楽しい! また、六兵衛やお袖さんなど、魅力的な人物が登場する。 花が散るときのような切なさがラストにはあり、ほろりとくるものがある。 ただ、恋歌よ...
恋歌で朝井まかてさんを知り、次に読んだのがこちら。 1話でちょうど1時間のドラマにできそうな感じ。 情景がありありと浮かんできて楽しい! また、六兵衛やお袖さんなど、魅力的な人物が登場する。 花が散るときのような切なさがラストにはあり、ほろりとくるものがある。 ただ、恋歌よりは全体的に軽いタッチで、読みやすいので、サクサク読みたいときにオススメ♪ 実際に文章には色はないけれども、彼女の作品には独特の色使いが感じられて、とても好きな作家さんになった。 全ての本を読みたい!と思った作家さんとの出会いは本当に久しぶり。 秋の夜長に読破したいなぁ〜
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まかてさんの本は、時代小説にしてはテンポがあって読みやすい。また、善悪もはっきりしている。そこが良さでもあり、もうちょっと曖昧な感じも読みたいなと思った。それを品よく補っているのが、豊富な情報量だろうと思う。今回もくどさを見せず、生き生きと江戸の園芸事情がわかってくる。 ただ、話...
まかてさんの本は、時代小説にしてはテンポがあって読みやすい。また、善悪もはっきりしている。そこが良さでもあり、もうちょっと曖昧な感じも読みたいなと思った。それを品よく補っているのが、豊富な情報量だろうと思う。今回もくどさを見せず、生き生きと江戸の園芸事情がわかってくる。 ただ、話があちこちに飛んでしまって、もやもやした感じも残った。最初のほうに出てきた新次と理世、おりんの気持ちが強く残っただけに、ちょっと置いてけぼりにされた感じもあった。おりんの立場に立って読んでいたので忸怩たる思いもあるけど、人生、知らなかったり忘れることも大事。これでよかったのかな? 子供への思い、花比べなど、それぞれを章を切り取るととても素晴らしいと思う。でも、通して読むと、急ぎ過ぎている感じがあってちょっと残念だった。
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作者の江戸庶民の生活を女性目線で追った作風が面白いと思い、デビュー作というこの作品を読んでみました。 すでにこたろうさんが、とても詳細なレポを書かれていました。 読んでみて・・・全くその通りですね。 江戸時代に「花師」や「種苗屋」という職業があったのも驚きましたが、「種苗屋」...
作者の江戸庶民の生活を女性目線で追った作風が面白いと思い、デビュー作というこの作品を読んでみました。 すでにこたろうさんが、とても詳細なレポを書かれていました。 読んでみて・・・全くその通りですね。 江戸時代に「花師」や「種苗屋」という職業があったのも驚きましたが、「種苗屋」の夫婦が奏でる情緒あふれる日々に、読者である私もとっぷりと浸ってしまいました。 個性豊かな登場人物も章をかさねるごとに増えて、面白みもどんどんと広がって行きました。 最後の章で、桜の新種「染井吉野」が出てきて、 「うん、やはり、最後は桜ときたか。」 なんて、一人で納得してしまいました。(笑) 園芸や草花の知識もそれなりに得られました。 ストーリーもすっきりまとまっていて、 これからが楽しみな作家さんだなと思います。 他の作品も読んでみたくなりました。
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植物を主体とした物語であるため仕方がないと思うのだが 一作品での中の時間の流れが速い。 (春先の話をしていた次の段落では夏の終わりになっていたり) 人の心の動きや行動が唐突すぎたり、伏線になるかと思われたものがあっさり解決されたりと、人が書けている、とは言い難い。 最近読んだ本...
植物を主体とした物語であるため仕方がないと思うのだが 一作品での中の時間の流れが速い。 (春先の話をしていた次の段落では夏の終わりになっていたり) 人の心の動きや行動が唐突すぎたり、伏線になるかと思われたものがあっさり解決されたりと、人が書けている、とは言い難い。 最近読んだ本が立て続けに≪美形(男前)≫が出てきて、またかい、と思った。
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育種の腕を磨いた花師の新次とおりんの夫婦が営む小さな植木屋、なずな屋。 小さいながらも、その腕と努力で、次から次へと降りかかる苦難を乗り越えていく姿は心地いい。 ただ、ちょっと綺麗すぎるかな…とは思いました。 染井吉野を調べると、染井村の植木屋が売り出した、としかわからなかったん...
育種の腕を磨いた花師の新次とおりんの夫婦が営む小さな植木屋、なずな屋。 小さいながらも、その腕と努力で、次から次へと降りかかる苦難を乗り越えていく姿は心地いい。 ただ、ちょっと綺麗すぎるかな…とは思いました。 染井吉野を調べると、染井村の植木屋が売り出した、としかわからなかったんだけれど、朝井さんの手にかかるとかくも綺麗な物語になってしまうのかと…。 でも、やはり花に関する話はすごく面白くて、へえ〜と思いながら読みました。
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「実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい」 読み終えてしばらくしてから現世に戻ってきた感じです。 本を開いているあいだ私は江戸にいた。引き込まれた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2008年第三回小説現代新人賞の奨励賞受賞作。 江戸の花屋の夫婦の、江戸らしい人情味、職人気質溢れる、読後感のいい時代もの。 話の展開が上手で、新人とは思えない。(十年コピーライターをしていたらしい) 私的には毒がほしいけれど…。
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