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プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか? の商品レビュー

3.7

88件のお客様レビュー

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2026/03/21

表紙とタイトルに惹かれて 本好きなら読んだ方がいい 翻訳は多少わかりにくいところがあるが内容は心地いい

Posted byブクログ

2026/01/29

著者は、オンラインリテラシーの進展によって、人類の思考能力に致命的な悪影響が出ることを懸念している。 しかし一方で、かつてソクラテスはが書記言語を否定していた(口承言語のもつ知性や記憶力を損なう)ことを引き合いに出し、「ソクラテスは読字の核心をなす秘密、つまり、文字を読むことに...

著者は、オンラインリテラシーの進展によって、人類の思考能力に致命的な悪影響が出ることを懸念している。 しかし一方で、かつてソクラテスはが書記言語を否定していた(口承言語のもつ知性や記憶力を損なう)ことを引き合いに出し、「ソクラテスは読字の核心をなす秘密、つまり、文字を読むことによって脳がそれまでよりも深く思考する時間が生まれることを知らなかったのだ。プルーストはそれを知っていたし、私たちも知っている。」と書いている。 つまり、ソクラテスほどの知性が書記言語の脳への影響を見誤ったように、我々のオンラインリテラシーの悪影響も大したことはない、むしろ良い面もあるのかもしれないと。そういう主張なのだろうか。 ほんとうにそうだろうか。 口承言語は、常に時間の流れと共にある言語である。それは、時に暴走する思考を手なづけ整理し、自らの意識と常に対峙する。 書記言語は、時間の流れを伸縮させる言語である。何百時間もかけ紆余曲折し到達した結論を数行にまとめることが可能であり、一方で、書きつけた文章を何百年後の人々に伝えることができる。また、いったん書きつけた文章は他者となり、自らが第三者としてその内容を批判することができる。 オンラインリテラシーは、「わたし」が書くことを許さない(予測変換や生成AIが介入する)し、「わたし」が正解することも間違えることも許さない(一瞬で画面に答えや間違いを表示する)。それは、ヒューマンスケールを超えた速度。人の時間ではない。 そして何より、オンラインリテラシーは、「わたし」を目指さない。命令に従い表示を行うが、私に宛てて誰かが時間を費やしたものではない。 つまり、オンラインリテラシーは、歴史上初めて、書き手の存在をゼロ査定し、生成と運搬にかかる時間をゼロにした言語である。 存在をゼロにした場合はもちろんだが、時間をゼロにした場合、人間は生きていると言えるのだろうか。福岡伸一先生の『動的平衡』よろしく、生とは、時間の中で行われる生成と死滅の絶え間ない繰り返しのことではなかったか。 ソクラテスはかつて、書記言語を「死んだ言語」だと言った。 ソクラテスは間違っていたのではなく、その慧眼で書記言語が生まれた先の、オンラインリテラシーの時代の到来を予見して嘆いたのではなかったか。 【以下、メモ】 わずか26文字で全てを表現できるアルファベットは、大いなる発明だ。それに比べて、何千字もの漢字を覚えなければならい中国語話者の学習負荷の大きさは計り知れない。中国語話者がこの書記体系をマスターできる秘密は、漢字を学ぶ前に「拼音(ピンイン)」と呼ばれる音素記号での表記を学び、読むとはどういうことか、下準備を行うからだ。 なるほど、確かに、読むという概念を持たない段階から、いきなり漢字というのは、あまりに困難だと思われる。 日本語も同様で、2つのかな文字と漢字のハイブリットである日本語は、50音表という優れた指導法による音韻処理の効率化が、読字学習の初期負荷を低減させている。 例えば英語と中国語では、読む時に活性化する脳の領域が異なる。日本語の場合、かな文字を読む時には英語に、漢字を読む時には中国語に近い領域が活性化する。 小さい子が親の膝の上で、同じ本を繰り返し読み聞かせしてもらうことには大きな意味がある。もちろん、特定の絵が特定の音と結びついていることが、単語の切り分けに寄与する。それだけでなく、特定の絵が特定の物語と、特定の感情と結びついていることに気づき、あらゆる感情を学び始め、他人の考え方を受け入れる能力の基盤が形成される。 幼い脳は、読字の際に脳の広い領域を使用し、情報処理に時間を要する。しかし、熟達した読字者は、左半球の一部で読字を自動処理できるようになり、それにより流暢な読字を手に入れる。 脳は読字のために作られたわけではない。読字専用の遺伝子もなければ、生物学的構造もない。他の作業のために設計され、プログラムされた古くからある脳の領域を接続し、新しい回路を形成することを、一人ひとりの脳が学ばなければならない。

Posted byブクログ

2025/11/13

なぜ私は本を読みたがるのか。 そんなつかみどころのない疑問に、メアリアン・ウルフの『プルーストとイカ』は一筋の光を当ててくれました。 本書によると、人間の脳は本来読むためにはできていない。 そもそも人類が生まれた時には文字は存在しなかったのだから、これは腑に落ちます。 では...

なぜ私は本を読みたがるのか。 そんなつかみどころのない疑問に、メアリアン・ウルフの『プルーストとイカ』は一筋の光を当ててくれました。 本書によると、人間の脳は本来読むためにはできていない。 そもそも人類が生まれた時には文字は存在しなかったのだから、これは腑に落ちます。 では、なぜ私たちは読めるようになるのか。 それは生後に、“読むための脳”へと変化していくからだというわけです。 もしかすると、私の脳は変化に飢えているのではないか。 その飢えが“読むこと”を求めているのではないか。 そんな気がしてきました。 書き手の執念が宿った文章でカオスを起こし、 自分の脳をより創造的に変化させていく。 “読む”という営みが、そんな異次元の創造だと考えると、 なんだかワクワクしてくるのは私だけでしょうか?

Posted byブクログ

2025/10/21

タイトルのプルーストとイカ、はこの本の根幹を捉えた的確なタイトルだと関心。 本書では、読書と脳の関係を2方向から解説している。プルーストという作家になぞらえた文字の発達史から、イカになぞらえた神経の発達史から。 中盤は翻訳の問題なのか、淡々と解説パートが続いて内容が入ってこず...

タイトルのプルーストとイカ、はこの本の根幹を捉えた的確なタイトルだと関心。 本書では、読書と脳の関係を2方向から解説している。プルーストという作家になぞらえた文字の発達史から、イカになぞらえた神経の発達史から。 中盤は翻訳の問題なのか、淡々と解説パートが続いて内容が入ってこず、、 新書感覚で読んだ結果、本書の2割程は理解出来た。読むべき人が読むと良書。

Posted byブクログ

2025/10/09

ソクラテスの書記言語への反対意見 ①柔軟性に欠ける(生きている言葉は意味、音、韻律、強勢、抑揚およびリズムに満ちた吟味と対話による) ②記憶を破壊する(個人の記憶力と、それが知識の吟味と具現化を担う役割とを保つことが重要) ③知識を使いこなす能力を失わせる(教師や社会の指導を受け...

ソクラテスの書記言語への反対意見 ①柔軟性に欠ける(生きている言葉は意味、音、韻律、強勢、抑揚およびリズムに満ちた吟味と対話による) ②記憶を破壊する(個人の記憶力と、それが知識の吟味と具現化を担う役割とを保つことが重要) ③知識を使いこなす能力を失わせる(教師や社会の指導を受けずに得たリテラシーが知識への危険なアクセスを許す) ディスレクシアの原理 ①構造物の欠陥(視覚・聴覚システム) ②自動性獲得の失敗ー処理速度の不足 ③構造物間の回路接続の障害 ④異なる読字回路の使用(右半球)

Posted byブクログ

2025/10/02

仕事上避けて通れない大切な本であり、必携の書。こどもたちの脳で何がおきているのか、何を読み聞かせ、何を揃えるのか、迷ったときに立ち戻る原点。

Posted byブクログ

2025/09/16

この手の本は一度立ち止まらせてくれる。 この年にこの解像度は驚きである。 翻訳なんとかならないのか。

Posted byブクログ

2025/06/19

タイトルに惹かれて読むことにした本。 結果的に、非常に示唆に富む内容で、思考がアップグレードされたというか、漠然と考えていたことを補強してもらったというか。 なぜ人は「読める」のか、この本質を探ることによって、人という存在の特異性が浮き彫られる。 それこそ、言葉にするのがとても難...

タイトルに惹かれて読むことにした本。 結果的に、非常に示唆に富む内容で、思考がアップグレードされたというか、漠然と考えていたことを補強してもらったというか。 なぜ人は「読める」のか、この本質を探ることによって、人という存在の特異性が浮き彫られる。 それこそ、言葉にするのがとても難しいが、得心がいった、という感じ。 他人の言動に苛立ったり、傷ついたり、時に強い怒りを覚えたり、そんな時に思い出すと、いくらか心を落ち着かせることができるかもしれない。

Posted byブクログ

2025/05/26

 以前読んだという記録はありましたが、いままた読み返してみて、当時全く読解できていないことに気づきました。 まさに、「解読すなわち読解ではない」でした・・・。  本書の一見奇妙なタイトルは、「プルースト」は読書系脳について、「イカ」は神経系脳についてということでしょうか。 副...

 以前読んだという記録はありましたが、いままた読み返してみて、当時全く読解できていないことに気づきました。 まさに、「解読すなわち読解ではない」でした・・・。  本書の一見奇妙なタイトルは、「プルースト」は読書系脳について、「イカ」は神経系脳についてということでしょうか。 副題にもあるように、「脳」がテーマの本だと思います。 本書の狙いはウルフさんが書いているように、読書をすることを通しての、脳の進化、脳の発達、脳のバリエーションに関する新しい見方を紹介することにあります。  また、ウルフさんの専門分野であるディスレクシアについても詳しく書かれていました。  いわゆる「読字」に関する本ではありますが、読書とは何か?とか、読書の目標とか、哲学的な回答も書かれていて、読書論としても楽しめると思います。  また、「読むことは私たちの人生を変える。そして、私たちの人生も読むことを変えるのである。」という一文が、様々な経験をしてきた、私のこの15年のことを考えると大いに納得しました。  ウルフさん、再読ってとっても大事で素晴らしいことなんだね。

Posted byブクログ

2025/04/25

2、3歳児が日々めざましく言葉を獲得していく事実を実に分かりやすくその根拠を説明してもらった気分である。

Posted byブクログ