ねじ式/夜が掴む の商品レビュー
ぞぞーうっ、とする。 支離滅裂なのに、一度見たら強烈に印象に残る。 芸術、娯楽、うーん…、 職人という感じ。ガロ周辺の漫画家は。
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なんだか、揺るぎない。 「日常」がそう呼べる程文字通りの意味を成していないのに、 そもそも「日常」自体が曖昧な表現なのだけれど、それを揺るぎない世界観で描き出してしまった、というように感じる。 間違いなく才能を持ちながら、持て余して滅茶苦茶にしなかった、 色々な意味で怜悧な人だと...
なんだか、揺るぎない。 「日常」がそう呼べる程文字通りの意味を成していないのに、 そもそも「日常」自体が曖昧な表現なのだけれど、それを揺るぎない世界観で描き出してしまった、というように感じる。 間違いなく才能を持ちながら、持て余して滅茶苦茶にしなかった、 色々な意味で怜悧な人だと思う。 傑作。
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「ねじ式」のようなシュールな作品は、悪い風に言えばキチガイの脳裏に浮かんでは消えていく妄想の一コマ一コマを、そのまま原稿用紙に落とし込んだ感じ。もちろん、普通はできることではないし、作者の非凡さは疑いようがない。だが、果たしてこれがその評価に見合うほどの「表現」なのだろうか、と...
「ねじ式」のようなシュールな作品は、悪い風に言えばキチガイの脳裏に浮かんでは消えていく妄想の一コマ一コマを、そのまま原稿用紙に落とし込んだ感じ。もちろん、普通はできることではないし、作者の非凡さは疑いようがない。だが、果たしてこれがその評価に見合うほどの「表現」なのだろうか、と思わざるを得ないのも事実だ。 一方でそれなりにストーリーを創る動きが見られる話達は間違いなく面白い。日常やちょっとした出来事から膨らんでいった、エロチックで停滞した時間の流れが感じられる。特に住む部屋でもないのに女郎部屋を借りて怠惰に時間を過ごす、作者らしき漫画家の姿を描いた「退屈な部屋」などは個人的には好みだった。
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何なんだろう?この感覚はとにかくシュール。 強く訴え掛けるようなものがありそうで実はなさそうなでたらめさ。 作者の夢の中を覗いているようなホント夢のような脈絡のなさ。 幻想的だが妙にリアルで… 何かを感じずにはおれない作品です。
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隠したい陰鬱で卑猥な欲望をあらわにできることが凄い。後ろめたさとか背徳心とか、形のないものをあの描写で表現できることが、凄い。 『雨の中の慾情』の、雨上がりの空のようにカラリとしたエロさが、暗さの中に引き立っていて良かった。
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いつの間にかちくま文庫から「つげ義春コレクション」が配本になっていた(現在、第4回まで配本)。というわけで、久々につげ義春の不条理ワールドに逃避。 いくつか読んだ記憶のない作品があって、中でも煽情的な妄想作品には秀作が多かった。僕が最初につげ作品を読んだのは高校生のころだけど、...
いつの間にかちくま文庫から「つげ義春コレクション」が配本になっていた(現在、第4回まで配本)。というわけで、久々につげ義春の不条理ワールドに逃避。 いくつか読んだ記憶のない作品があって、中でも煽情的な妄想作品には秀作が多かった。僕が最初につげ作品を読んだのは高校生のころだけど、あの頃にこういった妄想作品に接っしていたとしたら、ずいぶん感じ方も違ったんだろうなぁ。本人に擬した漫画家の日常を私小説的に描いた一連のシリーズも興味深い。
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