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カムイ伝講義 の商品レビュー

4.6

10件のお客様レビュー

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2019/07/14

白土三平のマンガ「カムイ伝」「カムイ外伝」を教材とし、 当時の江戸の暮らし─特に農民や非人、穢多の暮らしへと 誘う本。これを読むと我々が思っている江戸時代史という ものがいかに表層しかなぞっていないかということがよく わかる。本の最後数十ページがこの本の一番肝心要のところ だろう...

白土三平のマンガ「カムイ伝」「カムイ外伝」を教材とし、 当時の江戸の暮らし─特に農民や非人、穢多の暮らしへと 誘う本。これを読むと我々が思っている江戸時代史という ものがいかに表層しかなぞっていないかということがよく わかる。本の最後数十ページがこの本の一番肝心要のところ だろう。最後まできちんと読んで欲しい本であった。

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2018/08/10

江戸時代は、世界史上まれにみる平和な時代で、地方の村々の自治やら、江戸などでは庶民文化の繁栄を謳歌した時代といわれるようになった。ではあの1970年前後のころに大ヒットした白土三平の劇画『カムイ伝』の百姓一揆の世界は何だったかということになるのだが、 この本によると『カムイ伝』は...

江戸時代は、世界史上まれにみる平和な時代で、地方の村々の自治やら、江戸などでは庶民文化の繁栄を謳歌した時代といわれるようになった。ではあの1970年前後のころに大ヒットした白土三平の劇画『カムイ伝』の百姓一揆の世界は何だったかということになるのだが、 この本によると『カムイ伝』は、江戸時代初期の17世紀の大阪周辺の和泉国のある近郊農村を舞台にした、ないしヒントにしたものらしい。まだ戦国浪人もあぶれていて大河川付替などの開発ラッシュの時代である。「平和な江戸時代」とは18世紀から19世紀初期をいうのだった。 江戸時代は、農地の年貢を除いた税制一般についてはまるで研究が進んでいないのが実情とも書かれてあった。 この本の後半は文体も全く異なり、二名の共著にすべきだったということが、後書きでほのめかされていた。 田中優子『カムイ伝講義』2008 小学館

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2019/01/08

実はカムイ伝を読んだことがない。 “ひとり ひとり カムイ”というフレーズが印象的な主題歌のアニメ「忍風カムイ外伝」は小学生のころ再放送でよくやってたので見ていた。疾走感あふれる画面や乾いたストーリーは大人のアニメとして今でも充分放送に耐えうる高クオリティの作品と思うが。 おっ...

実はカムイ伝を読んだことがない。 “ひとり ひとり カムイ”というフレーズが印象的な主題歌のアニメ「忍風カムイ外伝」は小学生のころ再放送でよくやってたので見ていた。疾走感あふれる画面や乾いたストーリーは大人のアニメとして今でも充分放送に耐えうる高クオリティの作品と思うが。 おっと、話題がそれたけど、劇画未見の私でもこの本は興味深く読めた。 この本はカムイ伝という劇画作品を論じるものではなく、あくまでカムイ伝を借りて江戸時代の社会の実像に迫っている。 「カムイ伝は穢多の記述が衝撃的で、その印象がひとり歩きしてしまったふしがある。」一般的に、穢多を「被差別民」としての受け身の側面で書いたものだけが目につくが、皮革を扱う「職能集団」として当時の社会から必要不可欠とされていたという能動的な側面にも焦点をあて、加差別と被差別という大きなテーマの前で隠れがちな本来的な姿を示してくれている。 同じ切り口で農民、武士の各階級の姿にも迫っている。 江戸期の農民を著者は研究の結果、「百姓と呼ばれることに誇りを持ち、その名のとおりじつに多様で、一人の人間にいくつもの技量(わざ)があり、自治的な村落経営をおこない、権力とわたりあって自らにふさわしい生活を獲得しようとする、そういう知恵者たち」と位置付けている。 江戸時代の社会階層を既成の固定化された見方だけで捉えていては、階層や格差といった見た目のワクに目を奪われ、そこで思考が止まり、実は社会的なワクや制約の中でもしたたかに生き、カムイのようにワクを飛び越えさえしたような「教科書に載らない歴史」は見えない。 階層や格差が人間社会で生きる以上避け得ないものとしても、それらのワクを軽くはみ出し、超越するような人間の力の可能性を信じたい。 それは現代社会に生きる私たちのあり方や考え方にも通じるが、江戸時代の社会とカムイ伝にそのヒントを著者は見出している。 「いまもカムイはどこかに潜んでいる」-巻頭のこの言葉にそれが集約されている。 (2012/2/12)

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2013/09/24

購入してから、ほぼ1年間「積読」状態であったが、この度ようやく読了。「積読」も効果絶大。あの時に購入していなければ、読むことがなかっただろうから。実に優れた良書である。しかも、その元になった『カムイ伝』が、これほど雄大で緻密な構造を持っていたことを、本書によって知ることができた。...

購入してから、ほぼ1年間「積読」状態であったが、この度ようやく読了。「積読」も効果絶大。あの時に購入していなければ、読むことがなかっただろうから。実に優れた良書である。しかも、その元になった『カムイ伝』が、これほど雄大で緻密な構造を持っていたことを、本書によって知ることができた。『カムイ伝』は江戸の日本ばかりか、当時の世界ともリンクしているし、それはまた現代の我々の問題でもある。

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2011/02/09

「カムイ伝」が大学講義の教材として使われています。江戸時代を考える上で、カムイ伝に描写されている民俗や文化が非常に参考になり、私たちが一般的に抱いている階級社会、鎖国、町民文化といったイメージと異なった世界が見えてきます。 江戸時代は士農工商に分かれ、さらに穢多・非人といった...

「カムイ伝」が大学講義の教材として使われています。江戸時代を考える上で、カムイ伝に描写されている民俗や文化が非常に参考になり、私たちが一般的に抱いている階級社会、鎖国、町民文化といったイメージと異なった世界が見えてきます。 江戸時代は士農工商に分かれ、さらに穢多・非人といった被差別民がいたと言われています。でも、これらは差別というよりは職能で分かれていた意味合いが強く、当時は動物の皮革を武具のために使っていたために穢多を皮革職人として区別していた事情があります。また非人も、死んだ牛馬を解体する重要な役割を担っており、これらの人民の役割は他の階級にとって不可侵なものだったといいます。 同様に、江戸時代もっとも鉄砲を保有していたのは農民だと言われており、獣害対策や冬季の狩猟に使われていたといいます。一揆や強訴によって迫る農民に対してあくまで平和的に解決しようとする武士というなんとも矛盾した関係が描かれており、太平によって非生産階級となってしまった武士の弱体化が見られます。 江戸時代は、着物を中心に文化的な発展が見られた時代です。それまでは麻や絹が中心だった布織物に対して、中国から綿花が輸入されるようになります。その綿花を取り仕切っていたのがオランダであり、やがて中国からインドに綿花の生産国が移るに連れて、日本国内においても洒落たデザインの綿織物が出回るようになります。 国内では金山・銀山をはじめとした鉱物資源開発が進められ、幕府はこれらの鉱物資源を直轄地として支配しながら貿易を長崎に制限することで、綿製品の輸入を一手に管理することになります。一方で各藩は、自国領内での綿花栽培を奨励し、幕府からの綿製品による経済的な圧迫から逃れようとします。 つまり、日本の国内政治も西欧による大航海時代や産業革命の影響から無縁ではなく、むしろ鎖国によって情報統制することで幕府がグローバル化を上手く国内支配に繋げていたことが分かります。明治維新はむしろ国内の鉱物資源枯渇による購買力減少が原因であり、産業の高度化の必要に迫られた歴史的帰結と考えることができます。 このような歴史を振り返るにつけ、物質的なグローバル化から金融的なグローバル化へと変貌を遂げている現代の国際社会においても、同様のケースが起こっていることが分かります。つまり、護送船団方式によって守られた日本の第二次産業を中心とした労働集約的な産業構造が限界を迎えており、金融や情報の分野でまた産業の高度化の必要に迫られています。 このような時代において、一般大衆はどのように自分たちの身を守っていたのでしょうか。それは、生活に必要な最低限の衣食住を内製化し、サツマイモのような飢饉対策の作物を栽培し、漁業技術を発達させて、森林からの恵みによって生き延びたのです。 グローバル化社会において、農村回帰や第一次産業振興といった分野に注目が集まるのは、当たり前なのかもしれませんね。

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2011/02/07

やっと読み終えた。 法政大学での授業を再現したものゆえに若者へのメッセージと捉えうるところがチラホラ。 「生」、裏返しての「死」、「自由」、「選択」などの全体としてのテーマとともに、「資格とは」「夢とは」などを問うてくる。 いまの学生には少し重いかも知れないが、大学で学ぶこととは...

やっと読み終えた。 法政大学での授業を再現したものゆえに若者へのメッセージと捉えうるところがチラホラ。 「生」、裏返しての「死」、「自由」、「選択」などの全体としてのテーマとともに、「資格とは」「夢とは」などを問うてくる。 いまの学生には少し重いかも知れないが、大学で学ぶこととはなにかを考える一助になるので、高校生にも読んでもらいたい1冊である。

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2010/11/14

田中優子法政大学社会学部教授の「カムイ伝講義」をやっと読んだ。 この解説があると理解が深まる。 Webに連載していたようだ → http://kamui.shogakukan.co.jp/kamui/ 私が年を重ねたということもあるが、 今度読むときは、最初に読んだ印象とまるで違...

田中優子法政大学社会学部教授の「カムイ伝講義」をやっと読んだ。 この解説があると理解が深まる。 Webに連載していたようだ → http://kamui.shogakukan.co.jp/kamui/ 私が年を重ねたということもあるが、 今度読むときは、最初に読んだ印象とまるで違うだろうと確信した。 ちょっと今はカムイ伝本編は読む時間がないが… カムイ伝の存在を知ったのは中学の頃。 当時の担任の先生が紹介してくださったが、 ホルンばかり吹いていて読もうという気が起きなかった。 次に大学の般教の科学史の参考文献として示され、 古本屋で「カムイ伝」と「明日のジョー」と共に購入。 当時は実家から大学に通っている頃で、父も読んでいた。 カムイ伝本編を理解すれば、歴史の講義は要らないという 大学教授もいるといっていた、中学の担任の先生言葉はけして うそでも誇張でもないと今更ながら思う。 講義の口絵には「カムイ伝」は時代を超えて「いま」のためにある。 と書かれている。 常に歴史に学ぶ視点を持っていかなければならないな。 正助がリーダーとなって子供同士が地域間で争い、 彼の策略で相手に打ち勝つ場面がある。 「おい正助、おまえどうしてそう急にいろんな策が思いつくだ?」 「ハハハ、学問のおかげだ。」 「いろいろ本を読んでそれをいかしていくだ。」 また、農民の子供に文字を教える場面では 「うんだ。役に立たねえ学問は意味ねえからな」 とある。 農民・商人・非人等の働く人々と対比されるのが武士で、 何も生産せず農民に依存するその姿は、 自分の食料を確保出来ない現代の日本人に似ている。 現代は、下級武士がとてつもなく多くなったようともいえるとのこと。 「毛皮やダイヤモンドの背後にどのような搾取構造が潜んでいるか知らない。」 と「講義」で書いていることからもいえる。 著者は新渡戸稲造の武士道をクリティカルに評している。 全ては各人の認識次第であろう。 現代への生かし方は、それぞれ著書でいろいろな場面であるはずだ。 うまく活用していきたい。

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2010/06/28

http://okaz.wordpress.com/2009/08/20/%e3%82%ab%e3%83%a0%e3%82%a4%e4%bc%9d%e8%ac%9b%e7%be%a9/

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2009/10/07

カムイ伝のむこうに広がる江戸時代から「今」を読む 以前読んだ第1部を読み返し、第2部・外伝も読みたくなってきた。 カムイ伝では、穢多・非人を「非人」と呼んでいる。 史実は、犯罪者の処刑や死体の処理、物乞い・大道芸などは非人の仕事、穢多は牛馬の死体の処理をする皮役、皮革処理・皮...

カムイ伝のむこうに広がる江戸時代から「今」を読む 以前読んだ第1部を読み返し、第2部・外伝も読みたくなってきた。 カムイ伝では、穢多・非人を「非人」と呼んでいる。 史実は、犯罪者の処刑や死体の処理、物乞い・大道芸などは非人の仕事、穢多は牛馬の死体の処理をする皮役、皮革処理・皮細工、灯心売買など。 関山直太郎 幕末の人口約3200万人  武士 6〜7%   農民 80カラ85%  町人(工・商) 5〜6%  神官・僧侶 1.5%  穢多・非人 1.6% 「なぜ死ぬとわかっていながら生きなければならないのか、という疑問」 「テロ行為・組織も今は世界的に絶対悪として位置づけられているが、資本主義経済の矛盾や不公平・植民地主義と無関係ではない」 「この世に生きる物はすべて、ふとした瞬間に死んでゆく、実に何気ない」 「生と死に決定的な違いがあるように思われるが、生き物の視点から見ると生も死も明確な区別はない」 「食べ物がどこから来るのか知らない、考えようともしない、・・・現代の日本人」 「武士は何のためにいたのか?・・・今の社会で有用だと思われている人々や職種の中にも、本当は要らないものがあるはずだ。今の社会で無用だと思われている事柄の中に、真に社会や世界の救いになるものがあるだろう」 「カムイの潜む現代社会・・・この社会は驚くほど変わっていない、階級も格差もますます健在だ」 「正助のこの向上心と純粋な気持ちこそが、現代まで続く人類の環境破壊の原動力になってきたのではないか」

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2012/02/21

大学の先生と言っても私とほぼ同世代で漫画から学問(興味分野と云った方がいいか?)のヒントを得たのだろう。教える相手は碌に本を読まない連中。白戸三平のカムイ伝は教える方,教わる方の両者にとって格好の教材となる。架空の日置藩のモデルに近いものはないか・・非人と云っているのが実際には穢...

大学の先生と言っても私とほぼ同世代で漫画から学問(興味分野と云った方がいいか?)のヒントを得たのだろう。教える相手は碌に本を読まない連中。白戸三平のカムイ伝は教える方,教わる方の両者にとって格好の教材となる。架空の日置藩のモデルに近いものはないか・・非人と云っているのが実際には穢多であること,穢多にもヒエラルキーがあること。山に住む人々,百姓の生き様,結団力,武士は今の世の日本人ではないか。生きるために何をした・・という問いかけ。若者訴えかけるヴィジュアル性はある。白戸三平・赤目プロと仲良くしておかないといけないね。新聞の書評も好意的であった

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