殿様の通信簿 の商品レビュー
「土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)」 今でいうと、スパイが書いた敵国の人物報告書? 優秀なスパイが書いたら、事実は小説より奇なりです。笑 孟子の出典に土芥寇讎とは、 「殿様が家来をゴミのように扱えば、家来は殿様を仇のようにみる」 とあるらしい。 歴史って、人に近付くほど面白...
「土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)」 今でいうと、スパイが書いた敵国の人物報告書? 優秀なスパイが書いたら、事実は小説より奇なりです。笑 孟子の出典に土芥寇讎とは、 「殿様が家来をゴミのように扱えば、家来は殿様を仇のようにみる」 とあるらしい。 歴史って、人に近付くほど面白さが倍増するなー。 歴史を俯瞰すればするほど、逆にもやもやで一杯。 その意味で、こういった「人を切り取る」紹介本は、ホントに大切! 著者のあとがきに、 「豊かになれば、人間というものは、歌舞音曲と恋愛と宗教にしか興味をもたなくなる。これは古今東西を通して歴史の法則であるといってよい」 とあった。 法則であるなら、その豊かな時代に生きれるのって、幸せなのかも、しれませんね。 ただし、世を動かす歴史は生まれないかもですが、心を動かす芸術は生まれそうですね。笑
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歴史家として名前は知っていたが、初めて読んだ磯田氏の本。 史実をもとに書かれた小説はいろいろあるが、この本は小説ではなく、ある一冊の書物に書かれていた、江戸時代の殿様の詳しい内情の暴露本を紹介したものである。ただ、この本が面白いのは、この本がただ現代語で紹介されているのではなく、取り上げた殿様に対する磯田氏の思い入れが相当含まれているところだ。登場する殿様のうち、知っていたのは一人だけだったが、どの人物も非常に興味深い人物に思え、さらに深く知りたくなった。
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大名の通信簿ともいえる古文書を元にして、戦国末期〜江戸時代初めの様子が分かる。軽妙な語り口が相変わらず面白い。
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「土芥寇讎記」(どかいこうしゅうき),こんな記録が残っているとは,そしてこのことを紹介してくださって,感謝です.こういうところから案外世間の言い伝えと違った本当の史実が現れてくるようで,馬鹿にできないというか非常に面白いです. 前田家の殿様たちはことの外詳しく書かれていて,淡々と...
「土芥寇讎記」(どかいこうしゅうき),こんな記録が残っているとは,そしてこのことを紹介してくださって,感謝です.こういうところから案外世間の言い伝えと違った本当の史実が現れてくるようで,馬鹿にできないというか非常に面白いです. 前田家の殿様たちはことの外詳しく書かれていて,淡々とした語り口ながら熱い思いも感じられ,とても読みやすく読み物として最高でした.
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大名の行状を隠密が調べたという文書「土芥寇讎記」の 記述を中心に、幾人かの殿様の真実に迫る。 徳川光圀の悪所通いとは? 浅野内匠頭と浅野家の情勢、池田光政と子の綱政の確執。 前田家三代の苦悩、内藤家長の忠義、本多作左衛門と家康。 戦国時代から江戸時代への変化が大名家にもたらすもの...
大名の行状を隠密が調べたという文書「土芥寇讎記」の 記述を中心に、幾人かの殿様の真実に迫る。 徳川光圀の悪所通いとは? 浅野内匠頭と浅野家の情勢、池田光政と子の綱政の確執。 前田家三代の苦悩、内藤家長の忠義、本多作左衛門と家康。 戦国時代から江戸時代への変化が大名家にもたらすもの・・・ 池田家と前田家のその変化の中でのジレンマ・・・殿様、大変だなぁ。 殿様ではないけれど、内藤家長と本多佐左衛門の生き様は、 大いに興味をそそられました。
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あの殿様は優等生なのか問題児なのか!? 自分では知っているつもりの人物の評価がひっくり返ったり、意外な傑物を知ったり。何章もかけて書いてある前田利家と前田利常の話を興味深く読んだ。豊臣秀吉亡き後、徳川の時代になっていく中で、どうやって力を保ちつつ生き延びるのか。
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通信簿と優しい表現にしているが、幕府隠密が調べ上げた機密文書である。徳川が支配した各地の殿様の査定書で、本書では中でも問題児を扱っているところに面白味がある。外様の雄・前田家に紙面を割いているのも良い。平和な世になるにつれ武士が官僚化されていく。稟議書に判を押すだけの管理職の悲哀...
通信簿と優しい表現にしているが、幕府隠密が調べ上げた機密文書である。徳川が支配した各地の殿様の査定書で、本書では中でも問題児を扱っているところに面白味がある。外様の雄・前田家に紙面を割いているのも良い。平和な世になるにつれ武士が官僚化されていく。稟議書に判を押すだけの管理職の悲哀……『保科正之』の文体と違って、書下し文と現代語訳を併記する著者の心遣いがありがたい。
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原史料から外れる人物もいるのだが、むしろそれらの人物のほうが筆が活き活きとしています。 ―― https://bookmeter.com/reviews/32425895
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元禄時代に大名の行状を秘かに幕府隠密が探索した報告書「土芥寇讎記」から史実が見える?!徳川光圀、浅野長矩、池田綱政、前田利常、内藤家長、本多作左衛門などの事実だと思われる逸話が楽しい。夜毎に悪所に通い、酒宴遊興甚だしという光圀だが、事実は?刃傷事件を招いた浅野長矩は「矩」を越えて...
元禄時代に大名の行状を秘かに幕府隠密が探索した報告書「土芥寇讎記」から史実が見える?!徳川光圀、浅野長矩、池田綱政、前田利常、内藤家長、本多作左衛門などの事実だと思われる逸話が楽しい。夜毎に悪所に通い、酒宴遊興甚だしという光圀だが、事実は?刃傷事件を招いた浅野長矩は「矩」を越えてしまい歴史に名を残してしまった人、更にこの報告では色に溺れていたバカ殿を放置していた内蔵助は稀代の悪臣として非難されている!一方、遊び人でバカ殿と言われたという岡山藩・池田綱政の書からは知性が垣間見えてくる!、前田家3代の利常と彼を養子にした2代の兄・利長の悩み。家康の遺言で「お前を殺そうと思ってきた」とまで言われた利常。そして徳川何するものぞという姿勢の3代の豪快さ、蛇攻めの残忍さが印象的。バカ殿を演じるために鼻毛を伸ばしていたのは実は、馬鹿将軍に会いに行くのに、わざわざ鼻毛などぬけるか!との本心だったとのこと。内藤家の初代家長の光成軍の犠牲になった豪快な姿と、損な役回りになった延岡という領地。作左の忠義ぶりは、衆目の見守る前で、家康に「わしの間違いに気づいてくれたこと、かたじけなく思う」と、詫びさせた場面が感動的!
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江戸幕府は隠密を使い、全国の殿様を査定していた。その報告書は幕府高官により纏められ、極秘本とされた。現存するものは東京大学にある一冊のみ。 この本はその中から、何人かの殿様報告書を紹介している。 水戸黄門(黄門というのは中納言を中国風に言ったもの。当時は中国文化への憧れで、中国風に称することがかっこよかったとのこと)は、好奇心旺盛で、殿として奥に留まる事を嫌い、風俗街(当時は色だけでなく芸能文化も吸収できる場所であった)に入り浸っていたが、基本的に良い君主。 浅野内匠頭は、そもそも激情型。しかも女好きで政務をこなさず、家老(大石内蔵助)まかせ。自身は昼から大奥でいちゃつく。報告書では大石はそんな殿を諫めないので、不忠の臣であるとされた。忠臣蔵とは皮肉な話である。家老が当時から殿をきちんと指導しておれば、結果としてお家断絶には成らなかったかもしれない・・・ 前田利常の母は身分の低い洗濯女。しかも兄達も多く、注目度は実に低かった。しかし利常は利発かつ体も丈夫であったため、馬鹿やひ弱な兄達を差し置いて、殿の世継ぎに選ばれた。当時は思った以上に本当の実力社会。愚鈍な後継者では一国が無くなるかもしれないわけだから。
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