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殿様の通信簿 の商品レビュー

4.1

53件のお客様レビュー

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2020/07/10

大河ドラマや漫画のイメージとは違う、本当の殿様の本当の姿が浮かんでくる。池田綱政の箇所は声を出して笑った。前田利常の項などかなり興味深い。

Posted byブクログ

2020/01/12

大河ドラマ「葵、三代」を見て、秀忠の娘、珠姫が加賀の前田家に嫁ぐシーン、涙なくしては見れなかった方は多いのではなかろうか。輿入れはわずか3歳。その珠姫の行く末をこの本で知るとは思っていなかった。珠姫の夫は前田利常。前だけ3代目であり、前田利家の孫。彼がどんなかはともかく、夫婦仲は...

大河ドラマ「葵、三代」を見て、秀忠の娘、珠姫が加賀の前田家に嫁ぐシーン、涙なくしては見れなかった方は多いのではなかろうか。輿入れはわずか3歳。その珠姫の行く末をこの本で知るとは思っていなかった。珠姫の夫は前田利常。前だけ3代目であり、前田利家の孫。彼がどんなかはともかく、夫婦仲は睦まじかった。2人が話をすると笑いが耐えなかったという。16歳で初産その後8人も子をなしたというと仲が良くてよかった、とほっと胸をなでおろしたくなるが、そうは問屋がおろさない。珠姫は徳川の仮想敵たる前田家に嫁いたのだから実は従者は徳川のスパイといっていい。珠姫だってそんな役割を期待されているのに敵(利常)と仲良くするものだから、なんと乳母は激しく叱責したという。乳母は一計を案じ利常を近づかせないようにしたという。悲しみくれた姫はどうやら癌になり(ここは本来孤独と関係はなかろうが)24歳の若さで逝去。悲嘆の利常、乳母を憎むこと凄まじく、蛇責めの拷問にて処刑したという。色々と悲しい側面が伺えるエピソードである。

Posted byブクログ

2019/12/14

 戦国時代から江戸時代にかけての大名たち、殿様と呼ばれる人たちの逸話を紹介する本。小説家ではなくて歴史学者が書いた、一次資料を解説した本であり、物語ではない。しかし読みにくい退屈な本かと思いきや、下手な歴史小説よりはずっとおもしろい。一次資料を読むというのはこんなに面白いことなの...

 戦国時代から江戸時代にかけての大名たち、殿様と呼ばれる人たちの逸話を紹介する本。小説家ではなくて歴史学者が書いた、一次資料を解説した本であり、物語ではない。しかし読みにくい退屈な本かと思いきや、下手な歴史小説よりはずっとおもしろい。一次資料を読むというのはこんなに面白いことなのかと思わされるが、それはこの著者が単に資料の文字面をなぞるだけでなく、そこに登場する歴史上の人物の人となりを読み取ろうとするからなのだろう。

Posted byブクログ

2019/10/17

俊英の史家【磯田道史】が、江戸時代の殿様らの行状を古文書から紐解いた、小説の面白さを超えた歴史エッセイです。後世において脚色された殿様像を覆す、生々しい姿を垣間見ることができる秀作本です。徳川家康の家臣だった本多作左衛門(ほんだ さくざえもん)は、特に印象に残る武将でありました。

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2019/08/31

はじめに 徳川光圀――ひそかに悪所に通い、酒宴遊興甚だし 浅野内匠頭と大石内蔵助――長矩、女色を好むこと切なり 池田綱政――曹源公の子、七十人おわせし 前田利家――信長、利家をお犬と申候 前田利常 其之壱――家康曰く、其方、何としても殺さん 前田利常 其之弐――百万石に毒を飼うべ...

はじめに 徳川光圀――ひそかに悪所に通い、酒宴遊興甚だし 浅野内匠頭と大石内蔵助――長矩、女色を好むこと切なり 池田綱政――曹源公の子、七十人おわせし 前田利家――信長、利家をお犬と申候 前田利常 其之壱――家康曰く、其方、何としても殺さん 前田利常 其之弐――百万石に毒を飼うべきや 前田利常 其之参――小便こらえ難く候 内藤家長――猛火のうちに飛入りて焚死す 本多作左衛門――作左衛門砕き候と申されよ あとがき 文庫版あとがき

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2019/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この書籍では、歴史研究家・歴史解説者の磯田道史が江戸時代の藩士や藩主を著者なりの通信簿風解説になっています。 水戸黄門で有名な「水戸藩藩主 徳川光圀」や赤穂藩や加賀前田家など書かれています。

Posted byブクログ

2019/05/09

史料「土芥寇讎記」とは元禄期に書かれた書物であるが、これは書物というよりも幕府隠密の「秘密諜報」であり、いまの表現で言えば作者の磯田先生の「殿様の通信簿」なのである。

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2018/11/07

この本の主人公たちは殿様。 江戸時代の大名たち。 そんな大名たちの姿の向こうに見えてくるのは家康公。 当然と言えば当然だけど、江戸時代はやはり家康が作った時代。 その影響は絶大なのだということが改めて感じられる。

Posted byブクログ

2018/10/31

『武士の家計簿』の作者で歴史家の磯田道史さんは、様々な古文書をひもとき昔の人たちの生活をわかりやすく解説してくれる方です。本書『殿様の通信簿』は、元禄時代に編纂された書物をもとに、大名たちの知られざる素顔に迫るという趣向。 冒頭、黄門様で有名な水戸光圀の悪所通いが紹介されます。...

『武士の家計簿』の作者で歴史家の磯田道史さんは、様々な古文書をひもとき昔の人たちの生活をわかりやすく解説してくれる方です。本書『殿様の通信簿』は、元禄時代に編纂された書物をもとに、大名たちの知られざる素顔に迫るという趣向。 冒頭、黄門様で有名な水戸光圀の悪所通いが紹介されます。大日本史の編纂など堅苦しいイメージの光圀が悪所通いとは!と驚くのですが、光圀の名誉のため、政治はおろそかにしなかったことも併せて示されています。磯田さんの見立ては、昔の大名は行動が制約され、唯一、人と自由に会えたのが当時のサロンだった遊郭で、そこへの出入りがほうぼう出歩くという評判となり、後年の黄門伝説につながったというもの。なるほど。 また、赤穂浪士で有名な浅野内匠頭。色白で線の細い青年大名というイメージを持っていましたが、実際には女色に耽ること甚だしく全く政務を顧みない問題人物だったそう。浅野家は内匠頭の代でつぶれるとまで酷評されていたというから驚きです。やはり事件が起こるにはそれだけの前提条件があったんだなと、妙に納得しました。 磯田さんの筆は、加賀前田家の項に至ってますます冴えわたります。 前田家はもともと織田家臣団から起り、初代の利家が秀吉の盟友として天下道を伴走したことから、大名間で重きをなした家。利家もつねづね「家康が豊臣家を攻めるようなことがあったら前田は断固として戦う」と広言し、その行動律は二代目の利長にも受け継がれていた由。関ケ原合戦後、天下を握った家康が最も気にしたのは天下第二の勢力を誇る前田家の動向で、前田を味方につけるため、利長の養子(利家の庶子)利常を秀忠の娘婿に取り込みます。家康の豊臣攻めが迫るなか、利家の遺訓と家の存続という両立しえない課題に直面した利長がとった手段とは… このあたり、司馬遼太郎さんの見立てとは違った歴史の一側面を教えてもらえます。 平和な現代から戦国時代をみれば、信長や秀吉、謙信ら英雄が闊歩するロマンあふれる時代に映りますが、実際には大名それぞれが必死で生き残りに知恵をしぼり、政略を巡らせるすさまじい時代だったことがわかります。掛け値なしに面白い。 2011年の東日本大震災以降、震災関連の文書の発掘にも力を入れられて、この国と災害の関わりについて貴重な知恵を伝えてくれます。今後もどんな古文書を発掘され、新しい知見を私たちに示してくれるのか、楽しみです。

Posted byブクログ

2018/10/13

結構古い本で、当時の評判も聞いてゐましたが、何故か読んでゐませんでした。しかしTV番組にて、著者の磯田道史氏が、わたくしの大好きな村井美樹さんと共演してゐるのを見て、一丁人気の磯田氏の本を読んで見ようかと思つた次第でございます。 『殿様の通信簿』といふタイトルですが、通信簿を出...

結構古い本で、当時の評判も聞いてゐましたが、何故か読んでゐませんでした。しかしTV番組にて、著者の磯田道史氏が、わたくしの大好きな村井美樹さんと共演してゐるのを見て、一丁人気の磯田氏の本を読んで見ようかと思つた次第でございます。 『殿様の通信簿』といふタイトルですが、通信簿を出してゐるのは「土芥寇讎記」(どかいこうしゅうき、と読むらしい)なる元禄期の書物であります。一般には知られてゐないさうです。それもそのはず、著者によると、書物といふより、幕府隠密による「秘密諜報」だと。従つて極秘扱ひで、かつては二冊の写本があつたが、戦災で一冊が焼け、現在残つてゐるのはたつた一冊のみといふ稀覯本であります。何とか公にできないものか。もちろんわたくしの為に、現代語訳をお願ひします。 さて本書では、徳川光圀、浅野内匠頭と大石内蔵助、池田綱政、前田利家、前田利常(三章も費やしてゐる!)、内藤家長、本多作左衛門が俎上に上つてをります。 光圀の「ひそかに悪所に通ひ、酒宴遊興甚だし」といふ面は、他の書籍やテレビで何となく聞いてをりました。しかしながら、知らなかつた話も多い。 一例が......忠臣蔵で有名な浅野内匠頭長矩、彼は利発だが、同時に異常な女好きであると記述があります。まあ男なら誰でも、本能としてある面ですが、内匠頭の場合は、常軌を逸してゐたと。 しかも女なら誰でもといふ訳ではなく、とにかく美女を好んだと。それで家来たちは内匠頭を忖度し、次々と美女を内匠頭に差し出し、それを出世の糸口としたらしい。ああ、今後「忠臣蔵」を素直に観られるでせうか。 他にも池田綱政も無類の女好きで、子供を七十人拵へたとか、信長に「犬」呼ばはりされながら、信長に忠誠を誓ひ、政敵の家康に数々の嫌がらせをした前田利家とか面白い話が続続出て参ります。 そしてその息子(四男)である前田利常の生涯を見れば、徳川幕府が長期政権を握れた理由が分かるとか、徳川家と前田家の確執を描いてゐます。 すこぶる面白い一冊でしたが、正直に言ふと、もつと多くの殿様を登場させていただきたかつた喃。しかしさうなると一冊では一人当たりの分量が減る、といふ別の不満が出るな、との思ひもありますので、これでいいのでせう。その代り、続篇を期待するものであります。 デハデハ、御機嫌やう。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-774.html

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