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ぺガーナの神々 の商品レビュー

4.1

13件のお客様レビュー

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2025/08/28

 1905年と1906年に発表された『ペガーナの神々』と『時と神々』を一冊に収録。20世紀を代表する英語圏ファンタジー小説の第一人者、ダンセイニによる処女作。日本を題材にした劇から着想を得て、北欧神話を元にペガーナという架空の世界を舞台にした創作神話。  神話の類いはまともに読...

 1905年と1906年に発表された『ペガーナの神々』と『時と神々』を一冊に収録。20世紀を代表する英語圏ファンタジー小説の第一人者、ダンセイニによる処女作。日本を題材にした劇から着想を得て、北欧神話を元にペガーナという架空の世界を舞台にした創作神話。  神話の類いはまともに読んだことがなかったが、これはなぜか見事にはまってしまった。ゆっくり想像しながら読むと何とも幻想的な世界が浮かんでくる。例えば死の神ムングが印を結ぶ。「印を結ぶ」について具体的には何を行ったかは書かれておらず、読者の想像力に任せているところが良い。物語に余白がたっぷりととってあるので、その中で遊ぶことができる。カバーにもあるシーム(サイム)の魅惑的な挿絵も、想像を膨らませる良い助けとなっている。  『ペガーナの神々』では、マアナ=ユウド=スウシャイによる世界の創造と、そこで生まれた神々の物語が語られる。『時と神々』では、人間は神々を知るために追い続けるのだが、遂に推しはかることはできずに終わりを迎え、また物語は振り出しに戻る。悠久を繰り返すような構成になっているのが物語を魅力的にしている。  荒俣宏の解説にもあるが、これらの素晴らしい物語が、初めから終わりまで書き直しなしに書かれているとは驚きだった。イメージをはっきりと持っていたこともあるだろうが、神話を緻密に描いてもしょうがないというのもある。最近の作品はストーリーが二転三転し、伏線だとか緻密なものが多いので、観る側が遊ぶ隙間がないように感じる。そんな状況なのでこの作品がより魅力的に感じたのかもしれない。  ダンセイニは多くの作家に影響を与えた。主にファンタジーで有名なのだが、他の作品は絶版になっていて今では手に入りずらいのが勿体無い。

Posted byブクログ

2025/04/12

まだこの世がはじまる前の霧の中で"宿命"と"偶然"が賽を振った…。印象的な語り口ではじまる、異境の神々と人間たちの創世神話。独創的な宇宙観で語られる、絶対者が微睡みから目覚めるまでの間の儚い夢の物語。荒俣宏訳。 「ペガーナの神々」(1905...

まだこの世がはじまる前の霧の中で"宿命"と"偶然"が賽を振った…。印象的な語り口ではじまる、異境の神々と人間たちの創世神話。独創的な宇宙観で語られる、絶対者が微睡みから目覚めるまでの間の儚い夢の物語。荒俣宏訳。 「ペガーナの神々」(1905、1906)ロード·ダンセイニ #読書好きな人と繋がりたい https://x.com/yakumo2029/status/1910880575856271767?t=Uyinrq4XdhRZjdwCH3t1lA&s=19

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2023/06/17

 まだこの世が始まらない前――。 <宿命(フェイト)>と<偶然(チャンス)>が勝負をした。勝者がマアナ=ユウド=スウシャイに神々を創らせた。その後、マアナは休息のために眠りについたが、<宿命>と<偶然>は大空を盤に、神々を駒にして新たな遊戯を始めた。しかし人々はそれに気づくことな...

 まだこの世が始まらない前――。 <宿命(フェイト)>と<偶然(チャンス)>が勝負をした。勝者がマアナ=ユウド=スウシャイに神々を創らせた。その後、マアナは休息のために眠りについたが、<宿命>と<偶然>は大空を盤に、神々を駒にして新たな遊戯を始めた。しかし人々はそれに気づくことなく、神々を崇め続けるのだ――。  ラヴクラフトの創作に多大な影響を与えた、神々の活躍とその黄昏を詩的にかつ雄大に描いた創作神話の短編集。クトゥルフ神話を嗜んでから読むと、どの部分が参考にされたのかがよくわかる。そして古典ながら、根源という以上の読書体験を得られた。クトゥルフ神話の拡張を画策している人にぜひ読んで欲しい。何らかのひらめきが得られるはずだ。

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2021/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1900年代に書かれた神話ファンタジー  ダンセイニが小学校しか出ていないというのは驚いた。 とてつもなく豊かな想像力だけど、神々の沈黙とかを読んだ後だったので若干サヴァンなのかなと穿った見方もしてしまった 作中に出てくる表現をそのまま引用するのは稚拙かもしれないけど、「霧に包まれた世界」みたいな絶妙に不思議な感覚に引き込まれる

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2021/07/05

のちの作品に多大な影響を与えていると言われるペガーナ神話に興味があって読んだ。 神々や自然物がかなり擬人化されて書かれている。 「時と神々」には寓話的な話が多かった。 なんとなく不思議の国のアリスを思い出させる書き方。

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2020/02/05

〈宿命〉と〈偶然〉が賽をふり、勝者がマアナ=ユウド=スウシャイに語りかける。マアナ=ユウド=スウシャイは神々をつくり眠りに落ちて、再び目覚めたとき創造された全てを終末に運ぶーー。 本編は神々と、神々が手慰みに産み出した、世界に生きる人々の物語。神々の人間に対する所業は無慈悲であ...

〈宿命〉と〈偶然〉が賽をふり、勝者がマアナ=ユウド=スウシャイに語りかける。マアナ=ユウド=スウシャイは神々をつくり眠りに落ちて、再び目覚めたとき創造された全てを終末に運ぶーー。 本編は神々と、神々が手慰みに産み出した、世界に生きる人々の物語。神々の人間に対する所業は無慈悲であり、救いでもある。 文章がとても綺麗。読み進めるにつれ脳内に映し出される創作神話の世界は、幻想的な輝きに満ちている。 登場人物ではムングとリンパン=タン、ドロザンドが好き。物語として好きなのはドロザンドはイムバウンとのエピソード。

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2015/07/23

ダンセイニといえば私にとって、好きだけどなぜ好きなのかわからない。しかしとても惹かれる作家でした。でもこの作品は素晴らしい。神々と人間、それぞれの役割や生きざまを夢のように、淡々とむなしく、そのために時々悲しくて仕方なくなるような、そんな筆致で描いている。でもそれは夢であり真実な...

ダンセイニといえば私にとって、好きだけどなぜ好きなのかわからない。しかしとても惹かれる作家でした。でもこの作品は素晴らしい。神々と人間、それぞれの役割や生きざまを夢のように、淡々とむなしく、そのために時々悲しくて仕方なくなるような、そんな筆致で描いている。でもそれは夢であり真実など誰も知るところではない。アマナは作者=ダンセイニ自身の投影であろうかという気さえする。そんな物語は、砂漠を彷徨う求道者が見つけた、美しい赤い薔薇のような印象を読者に残す。とにかく読めてよかった。ただその一言に尽きる傑作です。

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2014/01/16

一応 ケルト的かなしみに とか言われるが、 マアナ ユウド スウシャイと諸神 とその被造物である地球のいろいろは、全体を司る絶対者と被造物、というキリスト教の世界観まんまである。 ハワード・フィリプス・ラヴクラフトのクトゥルフ神話体系に、本書の影響が伺われる。

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2010/09/02

架空国家においての土着信仰 およびそれにまつわる民話のようなものであるらしい 虚無の入れ子構造をもっていて 神々もまたニヒリズムにとりつかれているようだ 預言者は途方にくれるしかない

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2010/05/13

上質のブランデーを舌の上でゆっくりと転がすような読書感。 人間たちの祈りなどには耳も貸さず、自分達の秘密を知られることを極端に恐れる小さき神々たち。幻想的な風景。ラグクラフトが影響を受けたというのもよくわかる。 ラグクラフトとクトゥルフ神話が好きな人にはお薦め。

Posted byブクログ