蒼い時 の商品レビュー
あこがれのアイドルス…
あこがれのアイドルスターだった百恵さんの生い立ちから結婚するまでの、21年間のすべてが、この1冊に詰まってます。真面目で、しっかりしていて、心優しい女性だなと思いました。
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学級文庫にあったので…
学級文庫にあったのでなんとなく読みました。百恵さんの素直な気持ちがあらわれていると思います。
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伝説の歌手、山口百恵…
伝説の歌手、山口百恵(俳優:三浦友和夫人)の生い立ちから、歌手、女優としての視点、恋愛感、結婚観、引退迄の軌跡をあまりにも素直に書いた自伝。トップスターでありながら、少しも自分を飾る事の無い真っ直ぐな文体は、タレント本と言うよりは一冊の文芸書です。
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何度も繰り返し読んでいる大切な作品。ひとつひとつのことばに重みを感じる。これを書いた彼女の歳で、どれだけの現実と向き合い、そのたびにどれだけ自分のなかで考え、受け止めてきたのか。 『私は、今、あの街へ帰りたい。 今でなくとも、いつかあの街で過ごしたい。 何より、あの街で暮らして...
何度も繰り返し読んでいる大切な作品。ひとつひとつのことばに重みを感じる。これを書いた彼女の歳で、どれだけの現実と向き合い、そのたびにどれだけ自分のなかで考え、受け止めてきたのか。 『私は、今、あの街へ帰りたい。 今でなくとも、いつかあの街で過ごしたい。 何より、あの街で暮らしていた六年間の私が一番好きだった。 自由だった。 正直だった。 無理に突っ張ろうともせず、突っ張れもしなかった』 南仏で過ごしていた日々の自分と重なった。ボロボロだったはずなのに、今までで一番自由で正直だったあのときのわたし。 『自分を書くということは、自分の中の記憶を確認すると同時に、自分を切り捨てる作業でもある。 過去を切り捨てていく⸺それでいい。 原稿用紙を埋めながら、私はそう考えていた。 』 あぁ、だからわたしは書くことが好きなのか、と思った一文。忘れたくない、と思いながらも、どこかここに置いて遠くへ行きたいと願っている自分がいる。
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アイドルの枠に収まらない活躍をされたのは周りの浮ついた大人たちよりずっと地に足がついていて、その考え、選択が筋が通ったものだからだろう。家庭人となるべく芸能界から身を引く潔さ。そこにあるのは1人の自立した女性の姿だ。
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自分は著者と同じ年の頃、ここまでのことを書けませんでした。尊敬の念に絶えません。単行本の方には最後に直筆の文章が載っていてそれを模写したこともありました。
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芸能人といえども、私達と同じ人間なんだな、彼らも血の通ったひとりの人間だな、と、月並みながら改めて実感できた本。 本人の言葉で語られる分、読み進めるのに時間がかかった。かけてよかったとおもう
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私には世界が違いすぎていまいち共感が出来ないというか、文章が入ってこないというか。そんな感覚で読み終わってしまった。細切れに読んだのも良くなかったかな。 ただ、当時21歳が書いたとは思えない洗練された文章で、山口百恵のイメージを壊さない本だった。 ご本人はそう言われるのに飽き飽き...
私には世界が違いすぎていまいち共感が出来ないというか、文章が入ってこないというか。そんな感覚で読み終わってしまった。細切れに読んだのも良くなかったかな。 ただ、当時21歳が書いたとは思えない洗練された文章で、山口百恵のイメージを壊さない本だった。 ご本人はそう言われるのに飽き飽きしてるかもしれないが、大人びているという感想を持つのは自然だと思う。賞賛です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
百恵ちゃんが活躍していた時代は見た事ないけど、年代を経てもその強さや孤独を纏う雰囲気に惹かれるものがあって好きだった 百恵ちゃんが歌う歌やどこか鋭い雰囲気、ハキハキと受け答えする姿から本人もどこかそういう所があるからそう見えるのだろうと思っていた。 が、百恵ちゃんはとても女性的で、女である事を誇りに思っている反面、女らしいと思われにくいという事を悩んでいたのかなと思う 百恵ちゃんが綴った文章はとても繊細で温かみに溢れていて、深い母性さえも感じられた 時代的なものもあって今も百恵ちゃんがいた時代も、女性が強く1人で自立する事が進歩した女性として描かれるが、百恵ちゃんが仰っていたように自分の道を自分で決断することができれば何をしていようと自立した人になるのだと思う。 家庭に入る事が、時代に逆行していると捉えられてしまう時に、自らの愛する人と自分のために決断をした百恵ちゃんを尊敬する、 この本で新たな百恵ちゃんの姿が浮かび上がってきて百恵ちゃんがもっともっと好きになった。
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1980年の出版当時、或る意味で「社会現象」のような様相を呈したと見受けられる大ヒット作ということになるが、なるほど面白い。偶々出くわして凄く善かったと思う。 「蒼い時」と表題を冠した“あとがき”的な内容が在って、本書の執筆に関連する事情のようなモノに触れられている。歌手・女優を...
1980年の出版当時、或る意味で「社会現象」のような様相を呈したと見受けられる大ヒット作ということになるが、なるほど面白い。偶々出くわして凄く善かったと思う。 「蒼い時」と表題を冠した“あとがき”的な内容が在って、本書の執筆に関連する事情のようなモノに触れられている。歌手・女優を退くことを決めた際にエッセイ集を刊行するということになり、約4ヶ月間に亘って執筆に勤しんだのだそうだ。 この「蒼い時」という一節は、執筆に向けて用意したという「山口百恵」と名前が入った原稿用紙―この時代には作家が名前入り原稿用紙を用意するというのをよくやっていたようだが…―に万年筆で書いたモノをそのまま見せるような形式になっていた。 本書は前半部に横須賀、出生、性、裁判、結婚、引退という「自叙伝」的内容のやや分量が多い篇が集められている。これらを読むと、必ずしも恵まれていたのでもない境涯から歌手デビューを果たし、女優活動も展開した彼女の歩み、交際と結婚、結婚後に歌手・女優活動を退くこととした経過等がよく判る。 これらの各篇の後は19篇の随想が在る。人生のいろいろな場面で思ったことというような文字どおりの随想で、各篇なかなかに好いと思った。歌手・女優という「表現者」として重ねていた活動に纏わる様々な想いもこの各篇の中に在る。そして“あとがき”的な「蒼い時」に連なる。 時代をリードするような活動を展開した歌手・女優のエッセイだが、「活動した時代」というような範囲に留まらない内容が在ると思う。 巡り合った仕事で一定以上の成功を収めた中、出会った人が在り、交流を通じて「この人と人生を歩みたい」と強く願うようになって行った。表に出る活動から退こうと決意した中、少女時代から近年迄の様々な出来事を思い出しながら綴っている。そういう感じがする。 こういう「一人の女性の想い」という意味で、「時代を超えた普遍性」を帯びているというように思った。 或いは?父親との関係のような複雑な事柄に「自身の中での区切り」を設けてみたかったか、結婚を決めて行ったことに関して伝えられた「在ること無いこと」に草臥れて「本人の言明」を世に問いたかったのか、色々なことを想像しないでもない。が、なかなかに確りした筆致で、前半の方は「有名作家の私小説」でも読んでいるかのような気分にもなった。 エッセイ集の刊行に向けてプロデューサーが在って、彼女をサポートする体制も整えた中で精力的に綴った本書であるようだ。これはステージで1曲を精一杯歌うというような集中力が発揮されたのであろう。 聞けば、本書の随想という部分に載っている篇の一つが「国語の教科書」に載った例が在るとか?そういう程度になかなかに好い文の本だ。 40年も前の本であるが、思い付いて読んでみて、好い経験が出来たと思う。
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