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ポーの話 の商品レビュー

3.6

55件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    2

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2024/07/15

ポーの存在というものが後半までわからなかった。いしいしんじさんの作品を久しぶりに読んだけど、引き込まれるとハマってしまう。うなぎと一つになったポーは、生死の狭間にいるんだな。そしてまた新しいポーが生まれる。複線というよりも、一つ一つのキャラを殺してない(物語的な意味で)ところに感...

ポーの存在というものが後半までわからなかった。いしいしんじさんの作品を久しぶりに読んだけど、引き込まれるとハマってしまう。うなぎと一つになったポーは、生死の狭間にいるんだな。そしてまた新しいポーが生まれる。複線というよりも、一つ一つのキャラを殺してない(物語的な意味で)ところに感動しました。

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2024/05/06

すべてのものごとは本人が望むかたちであろうがなかろうが繋がっていて、残酷に感じるときもあるけど、それが覆るくらい美しい瞬間がある。 善いことも悪いことも意味を持たないくらい混ざり合った泥の中で、ひとつでも見つけられたらずっと大切にしたくなるくらい幸せな気持ちになるんだろうな。

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2022/03/15

角田光代「世界は終わりそうにない」で紹介。 2022.3最初の導入部分であまり頭に入ってこず、断念。またの機会に。

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2017/11/03

なんだー、この話! びびったぁー。 これ、何の前置きも予備知識もなしに、のほほんと優しい話をイメージしながらタイトル/ジャケ買いしたから(笑)、もう、GAPがすごい。 最初は、謎&怖い(少し気持ち悪い)。 でも、途中辺りから、段々安定してくる。 とは言っても、結局テーマ...

なんだー、この話! びびったぁー。 これ、何の前置きも予備知識もなしに、のほほんと優しい話をイメージしながらタイトル/ジャケ買いしたから(笑)、もう、GAPがすごい。 最初は、謎&怖い(少し気持ち悪い)。 でも、途中辺りから、段々安定してくる。 とは言っても、結局テーマは重いんだけどね。 貧困、貧富の差(の固定)、差別、罪と贖罪、障害、死、奴隷制度、能力主義、片方を立てればもう一方が立たない歯がゆさ、老い、地方の衰退、過剰開発、環境問題、輪廻転生、慈悲の精神、などなど。。 あと、面白かったのは、一番始めの、本当の読み始めは、日本昔話のような、古い日本の話かと思うんだけど(うなぎがいきなり出てきたから)、途中で、ぁれ、これ、フランス文学の翻訳だったかな?て思った。 登場人物の名前こそ、「名前」が出てこず、「運転士」みたいな特徴で表す呼び名になっているので、どこの国とも判断できないんだけど、描写されている街並みとか生活の匂いが段々日本からは乖離していって、外国人の外見の登場人物しか頭に思い浮かべることができなかった。ゾラの居酒屋イメージ。 でも、結局のところ、最後に作者を見たらやっぱり日本人だったから、あれ?ってなったけど、作者の紹介文を読んで納得。仏文学を勉強してきたらしい。

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2016/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いやー、長い話だった。。 なぜよりによって「ポーの話」を借りたのだろう。 いしいさんの本で他に読みたい本やもっと読みやすい本あったはずなのに。 最初は、読み切れるかなぁ。。と不安なりに、少しずつ読み進めていた。でも、一章でぐっと途中から入り込み出してから面白くなったかな。二章、三章あたりは中だるみあったけど。 それぞれのキャラ設定とか好きだったかも。 みんな人間くさい。 いちばん好きだったのは誰かと聞かれたら、うーん、「天気売り」かな。。最初はあんま好きじゃなかったんだけど。二章の鳩育てるのを手伝ってるとこらへんから好きになった。 メリーゴーランドもわりと好き。 女ったらしで盗人って。めちゃキャラ濃いし。しかも背中で星はチカチカ。泥の洪水で足のびきっておそらく後で切断だし。(このあたり、いしいさん節効いてるの、いつも。ちょっとゾッとする表現がところどころに) ポーのじゃっかん感情ないとこもリアルだったなぁ。 一章の、ゾウがバナナ食べてるところは、ゾウの鼻の感触がすぐそこまできてびっくりしたよね。ものすごい描写だって。ぬるりとした。そして、2人で笑ったシーンがなんだか好きだったなぁ。罪悪感の話してたのに、笑ってるじゃん。みたいな。 がんばってがんばって読んで、最後の最後の終わり方はあまり私的にはすっきりしなかった。長かったなぁ。。と思った。 【気になった箇所】 「わしはな、罪悪感がないんじゃない。ときどき、忘れっちまうだけのことよ。外からじゃみえないがな、腹のなかには、この森みたいに黒くてばかでかいのがたまってるんだ。ひとはな、誰だって多少なりとも、腹の底に罪悪感の種をもってるもんだ。で、そのなくしかたはそれぞれが、自分でみつけなけりゃならねえ。自分の斧にこびりついた汚れは、自分で拭くしかないだろう?ただな、ひとが、何かをほんとうにつぐなえるとは、わしには思えんよ。少なくとも、つぐなおうって思いでしているうちは、それはほんとうのつぐないじゃあないな」

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2015/06/13

まさに「ポーの話」です。  泥の川でうなぎ女達の可愛い子どもとして育てられたポー。数奇な運命を辿るポーの人生をいしいしんじ独特の世界観で描いた読み応えのある一冊。

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2015/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読んでいる途中の評価ですが、空想の物語なのに出てくる人物(生き物)全てに酷く共感を覚えて非常に楽しいです。 ポーの産み落とされる様子やメリーゴーランド、ひまし油、そしてポー、ひとりひとりの気持ちや行動の描写に全く無駄がなくてかなり洗練されている印象を受けます。 読了後にどのような感情を覚えるのか今から楽しみです。 =========================== 読了しました。 やはり洗練されている美しい文章でした。 ポーの冒険譚、成長の物語のように思えて ポーを通じて見える人の愛の物語なのだと思いました。 難しい感想は言えませんが、出てくる人の有り様が あまりにも愛おしすぎて読了後の今も嬉しいような 泣きたくなるようなそんな気持ちです。 ありきたりな言葉でしか言えないのが残念・・・。 何時の時代かわからない、異形のものが出てくるというところが 生々しさを逆に抑えているようで心地よく感じました。 登場人物や世界観にかなり引っ張られてしまう質なので それくらいの距離感が丁度よいのでしょう。

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2014/05/18

うなぎ女たちの深い愛情に守られていた純粋無垢なポーが、人間の光と闇に触れながら「たいせつなもの」を見つけていく話。善や光、純粋なものとは対極する、悪や闇、汚れをも飲みこんで、はじめて真理が理解できるというような壮大なテーマだと感じました。今までのいしい作品に比べ、ちょっと説教臭さ...

うなぎ女たちの深い愛情に守られていた純粋無垢なポーが、人間の光と闇に触れながら「たいせつなもの」を見つけていく話。善や光、純粋なものとは対極する、悪や闇、汚れをも飲みこんで、はじめて真理が理解できるというような壮大なテーマだと感じました。今までのいしい作品に比べ、ちょっと説教臭さが鼻について、うんざりした部分もありましたが、でもやっぱり読み終えた後は、こちらが浄化されたような気持ちになります。「悪」ととられやすい人々や物事にも愛しさを感じさせるものが、いつもいしい作品の根底には流れているからかな。。。

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2014/02/12

ポーが出会った色々な人達が個性的で面白い。 長い話に少し疲れも感じたが、後半になると情景がリアルに想像できるようになった。 童話っぽさがまたいい味を出していると思う。

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2016/06/19

久しぶりのいしいしんじ。 「うなぎ女」という泥の川でウナギをを採る人間もどきの女性の集団の息子に生まれ、真黒な皮膚を持ち、指の間に水かきをもつ少年・ポーが主人公。その他の登場人物たちもどこか異形です。 何処とも判らない不思議な世界で繰り広げられる物語は、自然破壊や人と人との関わり...

久しぶりのいしいしんじ。 「うなぎ女」という泥の川でウナギをを採る人間もどきの女性の集団の息子に生まれ、真黒な皮膚を持ち、指の間に水かきをもつ少年・ポーが主人公。その他の登場人物たちもどこか異形です。 何処とも判らない不思議な世界で繰り広げられる物語は、自然破壊や人と人との関わり方など、色んな教訓が盛り込まれているようです。しかし、さほど押し付けられる感覚は有りません。 最初は少々取っ付き難い感じでしたが、暫くするとしっかり入り込めました。最後は、どこか薄闇の(悪い意味でなく)生暖かい「いしいワールド」にどっぷり浸り込めました。

Posted byブクログ