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未来を予見する「5つの法則」 の商品レビュー

4.1

39件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

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2009/10/07

ヘーゲル 存在するものは合理的である  知識社会においては、言葉で表せる知識が価値を失い、言葉で表せない智恵が価値を持つようになる

Posted byブクログ

2020/07/15

以前の著作の「これから何が起こるのか」と「使える弁証法」で述べられていたことが、ミックスされて、さらに要点をまとめて整理された感じの本。 前作では、「螺旋的発展」という内容に一番重点がおかれていて、それに大きなインパクトを受けたのだけれど、この本の中では「矛盾による発展」というこ...

以前の著作の「これから何が起こるのか」と「使える弁証法」で述べられていたことが、ミックスされて、さらに要点をまとめて整理された感じの本。 前作では、「螺旋的発展」という内容に一番重点がおかれていて、それに大きなインパクトを受けたのだけれど、この本の中では「矛盾による発展」ということについての説明が、かなり衝撃的だった。 例えば、企業における「利益追求」と「社会貢献」、「短気収益」と「長期戦略」、政策における「市場原理」と「政府規制」、というような対立するニ項がある時、どちらかに決めてスパッと割り切るのではなく、その中庸を選択するのが、今後重要になるのだという。 「バランスを取る」というのはソフトな言葉だけれども、それではまだ中途半端で、本来であれば相容れないはずのものを自分の心の中に同居させて、一つ高い次元へと止揚させる器の大きさが、ここで言われている「矛盾のマネジメント」だ。 これは、「キリスト教」対「イスラム教」、「先進国」対「新興国」というような、さらに大きな枠組みに対しても、同じように適用出来る。この、多くの価値観を認めるという考え方は、まさに、21世紀の理想形を言い表したものだろうと思う。 田坂氏の本がいいのは、ビジョンの方向性の表現の仕方がとても前向きなことだ。 個人が、仕事とプライベートで異なったペルソナを持って、別々の表現するというのは、とらえ方次第では、現代の病理の一つとして片付けられてしまうこともある。 しかし、この本の中では、その多様性はそれぞれの個人にとって大切な「癒し」と解釈されて、しかも「矛盾による発展」のために必要な要素であると言っている。 著者の目からは、本当にシンプルな形で、世の中の進み方の原理が見えているんだろうということが、よく伝わってくる。西洋の知識と、東洋の心とが融合されたような奥行きがある。その思考のエッセンスが、とても読みやすく、わかりやすい形で表現された、素晴らしい本だと思う。 「存在するものは、合理的である」 このヘーゲルの言葉は、何を語っているのか。 現実に世の中に存在したものには、必ず「意味」がある。 そのことを語っているのです。 すなわち、この世の中に存在したもので、 全く「意味」が無いにもかかわらず、存在しているものはない。 ただ、時代が変わり、社会が変わったことによって、 その「意味」の大きさが変わり、相対的な「重要度」が低くなったため、 社会の表面から姿を消したにすぎないのです。(p.61) ネットワーク社会における技術や商品やサービスは、 それが多くの人々が使うものになればなるほど、 誰にとっても役に立つ技術や商品やサービスになり、 ますます多くの人々が使うようになるのです。 「ユーザー数」が増え、ある一定の水準を超えると、 そこから「自己加速」が始まり、社会や市場の性質が、 急速に、そして大きく、変わっていく。(p.128) 世の中の物事が、変化し、発展し、進化していくのは、 その物事の中に「矛盾」があるからである。 そして、その「矛盾」こそが、物事の発展の「原動力」であり、 物事を変化させ、発展させ、進化させていく 「生命力」に他ならない。(p.147) 昼は、企業のマネージャーとしてのパーソナリティを生き、 週末は、社会企業家のパーソナリティを生きる。 ウェブの世界では、商品開発に参加するデザイナーの人生を生き、 自身のブログでは、小説家やエッセイストとしての人生を生きる。 そして、ときに、ウェブサイトでの写真展を開く写真家の人生や 自作の曲を自演するミュージシャンとしての人生を生きる。 そうした形で、我々は、これまで「ペルソナ」の陰に抑圧してきた 様々な「パーソナリティ」を表現し、生きることがでいるのです。 そうした「脱ペルソナ社会」とでも呼ぶべきものが、到来するのです。 では、それが、なぜ、重要な意味を持つのか。 「癒し」だからです。 「抑圧された自己」や「隠れた自己」を発見し、受容し、表現すること。 それは、人間にとって、深い「癒し」だからです。(p.201) かつて、文化人類学者、レヴィ・ストロースが、 「文明」と「未開」という言葉の持つ落とし穴を鋭く洞察し、 我々が「未開」と呼ぶ人々の中に、 実は、優れた智恵が数多く宿っていることを述べましたが、 まさに、その言葉通り、かつての「古い文明」の中に、 優れた「生命論的な智恵」が、数多く眠っているのです。(p.223)

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2009/10/04

《要旨》  未来を知りたい。その思いは誰にでもある。「具体的な変化」を予測することはできないが、「大局的な方向」を予見することはできる。この大局観を身につけるのに必要なのが「弁証法」である。弁証法の哲学は世界の発展の「5つの法則」を教えている。  まずは、「螺旋的プロセス」に...

《要旨》  未来を知りたい。その思いは誰にでもある。「具体的な変化」を予測することはできないが、「大局的な方向」を予見することはできる。この大局観を身につけるのに必要なのが「弁証法」である。弁証法の哲学は世界の発展の「5つの法則」を教えている。  まずは、「螺旋的プロセス」による発展(1)。上から見ると、昔の場所に「復活・復古」していくように見えるが、必ず一段高い場所へ登っている。古いものが新たな価値を伴って復活してくるプロセス。だから、消えていった機能の「復活」を読む。2つ目は「否定の否定」による発展(2)。現在の「動き」は必ず将来反転する。だから、現在の動きの反転を読む。この2点で次の主戦場がどこに移行するか予見する。その移行する可能性を見るのが3つ目の「量から質への転化」による発展(3)である。この量が一定の水準を超える目安の一つが「キーワード」が忘れられたか(社会全体に広がり浸透した)というもの。これらに加え重要なのが、「対立物の相互浸透」による発展(4)である。対立する両者は「融合」し、「統合」されていく。  この4つの根底にある基本法則が「矛盾の止揚」による発展(5)である。矛盾を機械的に解消するのではなく、弁証法的に止揚したときに物事は発展する。これにより、どのようなパラダイム転換が起こるか予見できる。 《印象に残ったコトバ》  未来に起こる「細かな動き」は分からない。しかし、未来に向かっての「大きな流れ」は分かる。(略)それが、本来、「大局観」と呼ばれるものです。そして、その「大局観」を働かせることによって、未来は「予見」できるのです。 《感想》  この本を読んだ時に、「虫の目、鳥の目、魚の目」というコトバを思い出した。虫の目で細かいところを見て、鳥の目で俯瞰する。それだけでなく、魚の目で潮流を捉える。初めて、魚の目でモノを見る方法を与えられたと思った。 《目次》 序話 未来を予見する鍵は弁証法にある。 第一話 世界は、あたかも、螺旋階段を登るように発展する。 第二話 現在の「動き」は必ず、将来、「反転」する 第三話 「量」が一定の水準を超えると、「質」が、劇的に変化する。 第四話 対立し、競っているもの同士は、互いに、似てくる。 第五話 「矛盾」とは、世界の発展の原動力である。 第六話 弁証法的思考で予見する未来

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2009/10/07

本書は、結論から言うと良い。そして、買うべきだと思う。 ビジネス書としているが、ビジネスに関係なく、物事の本質を 見抜くための、一つの有益な視点を提供してくれる内容である。 未来を予見する。細かい動きは分からない、誰だって予測不可能だ。 しかし大局的な流れは予想できる。そのため...

本書は、結論から言うと良い。そして、買うべきだと思う。 ビジネス書としているが、ビジネスに関係なく、物事の本質を 見抜くための、一つの有益な視点を提供してくれる内容である。 未来を予見する。細かい動きは分からない、誰だって予測不可能だ。 しかし大局的な流れは予想できる。そのための思考法として弁証法的思考が有効だ。 螺旋階段を上るように世界は発展し、ある時点で今は反転する。水準を超えれば、 質が劇的に変化する。という内容である。 そして、本書の醍醐味は、 1.螺旋階段的現象の理解 2.弁証法的思考 3.歴史知識の重要性の認識 の3つだと個人的には思う。 1は、3と似た部分がつまり「歴史は繰り返す」という事。しかし、単に繰り返す だけではない。一周して戻ってきた時には、より高みにいる。これが螺旋階段的現象 である。私達が新しいと思っている事は、実は古い前のシステムをより良い物にして 再実現しているのに過ぎないかもしれない。 2は、多少哲学をやっている人なら分かるだろうが、相反する物事を昇華させて 新しい物事を作り出す事である。物事には、必ず負と正の両方の面を持ち合わせている。 それに目隠しするのではなく、ぶつかり合わせ、さらに発展できないかを考える。 これが、神髄である。 3は、歴史が繰り返すのであれば、歴史を俯瞰して置くことは、当たり前の話だろう。 最後に、もう一点重要な点を、 4.存在したものには、必ず良い部分がある。逆を言えば、消えてしまったシステムでも 必ず参考になるものはある。 早速、本書の要点を参考にさせてもらおう。

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2010/03/02

2008.11.23 はまちゃんから。 敬愛する田坂氏の新刊。 私が好きだと知ってて貸してくれる。 「使える弁証法」にあらたにプラスされ 日本発の知の技法として活用されたい。 ☆未来予測はできないけど、大局的な方向は予見できる。 ☆弁証法5つの法則 ?螺旋的プロセスによる発展...

2008.11.23 はまちゃんから。 敬愛する田坂氏の新刊。 私が好きだと知ってて貸してくれる。 「使える弁証法」にあらたにプラスされ 日本発の知の技法として活用されたい。 ☆未来予測はできないけど、大局的な方向は予見できる。 ☆弁証法5つの法則 ?螺旋的プロセスによる発展の法則  世界はあたかも、螺旋階段をのぼるように発展する ?「否定の否定」 現在の「動き」は将来、必ず「反転」する。 ?「量」から「質」への転化 一定水準を超えると劇的に変化 ?「対立物の相互浸透」 対立し、競っているもの同士は、互いに似てくる ?「矛盾の止揚による」 矛盾とは、世界の発展の原動力。

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2009/10/04

■能力UP ?未来を予測するには大局観を見つける事が最も大切であり、それは世界発展の法則を学ぶことです。 ?ただ懐かしいものが復活するのではない。便利になった、懐かしいものが復活する。 ?世の中をみつめる4つのステップ:1、何が復活してくるかを読む2、何が消えていったのかを見る3...

■能力UP ?未来を予測するには大局観を見つける事が最も大切であり、それは世界発展の法則を学ぶことです。 ?ただ懐かしいものが復活するのではない。便利になった、懐かしいものが復活する。 ?世の中をみつめる4つのステップ:1、何が復活してくるかを読む2、何が消えていったのかを見る3、なぜ消えて言ったのかを考える。4、どうすれば復活できるかを考える。 ?互いに矛盾し、対立するかに見える二つのものに対して、いずれか一方を否定するのではなく、両者を肯定し、包含し、統合し、超越することによって、より高次元のものへと昇華していく。

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2009/10/04

◆目次 第一の法則 世界は、あたかも、螺旋階段を登るように、発展する 第二の法則 現在の「動き」は、必ず、将来、「反転」する。 第三の法則 「量」が、一定の水準を超えると、「質」が、劇的に変化する。 第四の法則 対立し、競っているもの同士は、互いに、似てくる。 第五の法則 「矛盾...

◆目次 第一の法則 世界は、あたかも、螺旋階段を登るように、発展する 第二の法則 現在の「動き」は、必ず、将来、「反転」する。 第三の法則 「量」が、一定の水準を超えると、「質」が、劇的に変化する。 第四の法則 対立し、競っているもの同士は、互いに、似てくる。 第五の法則 「矛盾」とは、世界の発展の原動力である。

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2009/10/04

さすが田坂さん、というべき本。 本自体の構成の仕方が非常に読みやすくなっている。 圧巻は最後の章。 とにかく読んでいてワクワクする。 こんなにもおもしろい時代に生きていることを 改めて実感させられた。 友人にもすぐに読ませました!w 大切にしたい本の一つです。

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2009/10/04

これから何が起こるのか? 未来を知りたい。 そう思う方は多いと思います。 知る為にはどうすればよいのか? そのヒントが溢れている本です。 著者は、 《未来は、「予測」できない。 しかし、「予見」はできる。》 と書いています。 未来を「予測」できな...

これから何が起こるのか? 未来を知りたい。 そう思う方は多いと思います。 知る為にはどうすればよいのか? そのヒントが溢れている本です。 著者は、 《未来は、「予測」できない。 しかし、「予見」はできる。》 と書いています。 未来を「予測」できなくても、「予見」ができれば、充分でしょう。 台本どおりにすすむ人生ではおもしろくないでしょう。 ですか、「予見」するのは難しいです。 「予見」する為に、本書を読んでみてみないですか? 新しい未来が見えてくるのでは。

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