江戸の下半身事情 の商品レビュー
三浦しをんさんの『本屋さんで待ち合わせ』で紹介されていて興味を持ったので読んでみました。 江戸時代は娯楽が少ないから性への執着が強かったんですね。
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所謂「近代化」する以前はキリスト教の影響もなくオープンではあったが、かと言って江戸時代は情緒や人情があってよかったと美化するのは間違いであるという内容。 この種のテーマは江戸時代の風俗としてTVでも度々取り上げられるので内容的な目新しさはそれほどないが、TVでは放映できないような...
所謂「近代化」する以前はキリスト教の影響もなくオープンではあったが、かと言って江戸時代は情緒や人情があってよかったと美化するのは間違いであるという内容。 この種のテーマは江戸時代の風俗としてTVでも度々取り上げられるので内容的な目新しさはそれほどないが、TVでは放映できないような事柄まで踏み込んでいるのは書籍ならではという印象。
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永井義男著『江戸の下半身事情』(祥伝社新書) 2008.10.5発行 2021.7.22読了 著者は作家。1997年、『算学奇人伝』で第6回開高健賞受賞。豊富な史料に裏打ちされた時代小説に定評がある。 本書は、江戸期の見聞録や日記、春本などの史料を基に、江戸の主に遊里の事情について描く。 江戸は、吉原を筆頭にして、違法営業の岡場所、道中奉行公認の江戸四宿、街娼の夜鷹(よだか)、陰間(かげま)と呼ばれる男色専門の男娼など遊興の場に事欠かなかった。江戸時代の性風俗の奔放さはよく耳にするところだが、当時の衛生水準や医療水準は現代と比ぶべくもなく、避妊具はないし、性病の罹患率はほぼ100%だったという。例えば、淋病の治療薬として「女陰毛ミスジ」を黒焼きにしたものを服用するなど迷信の域を出ない医療水準だった。遊女のほとんどは性病に罹患していたので妊娠しにくい体質だったそうだが、仮に妊娠したときは、水銀が入った避妊薬や、女医者と呼ばれる堕胎医が局部に薬品を押し込んで流産させる有様だった。全盛期の花魁は大事をとって出産させることもあったそうだが、そうして生まれた子は里子に出され、女の子は妓楼に売られる運命だった。そもそも遊女は貧農出身者が大半で、中には親兄弟を救うために身売りを申し出る者もいた。吉原の年季は原則10年。江戸の庶民らもそうした事情を知っていたため、遊女は「親孝行な女」と理解され、なまじ武家屋敷の下女奉公をしているよりも世間体が良かった。女郎を買うより、素人の女に手を出す方が糾弾されるのが当時の風潮だった。この辺りの事情は現代と逆転しているように思う。とはいえ、遊女は生理のときさえ鍋墨(鍋の煤)を飲んで三日目から客を取り、自由に外出も出来なかったというのだから、その労働環境は劣悪の極みだ。しかし、265年間の太平の世で、確かに遊里は栄えていた。よく言えば売春に寛容、悪く言えば野放図で罪悪感がない。これが明治維新前の日本の姿だった。 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000009606168
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一口に江戸時代と言っても300年近くあるわけで。 鎖国により、完全ではないが外からの文化流入が狭まると、独自の文化、風俗が発達する。そこに、大量の外の文化が入り込むと、進化、そして、また同時に淘汰、侵食も始まる。 善し悪しは別として。 さて、タイトルの通り。実に面白い。町人文化...
一口に江戸時代と言っても300年近くあるわけで。 鎖国により、完全ではないが外からの文化流入が狭まると、独自の文化、風俗が発達する。そこに、大量の外の文化が入り込むと、進化、そして、また同時に淘汰、侵食も始まる。 善し悪しは別として。 さて、タイトルの通り。実に面白い。町人文化ってのは、本当に笑わせてくれる。 とある馬を引いて歩く酩酊状態の男がいたと。たまたま出くわした男と話してる内に転んでしまい、ひょんなことから、馬に自分のイチモツを食い千切られてしまう。が、酩酊状態の男は大丈夫大丈夫とそのまま帰ってしまう。 居合わせた男が、こんな所にイチモツを置いてっちゃ大変だ、と町役人に届けだそうな。町役人はその男を探し出し、竹の皮に包んで自宅を訪れる。 対応に出た女房は、寸法を確認する所、旦那の魔羅に相違ないと答えたそうな。町役人は、その辺にイチモツを捨てちゃ迷惑だから頼むよと帰って行ったとさ。 町人の日記にはこんな冗談のような珍事件が残されている。
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<目次> 第1章 江戸の性生活は楽ならず 第2章 性風俗こそ江戸の一大文化 第3章 「フーゾク都市江戸」をのぞく 第4章 江戸発、「性」の事件簿 <内容> 江戸時代のさまざまな小説などを題材に、タイトル通り、下半身事情を赤裸々に語ったもの。語り口も優しく、下々の話がよく...
<目次> 第1章 江戸の性生活は楽ならず 第2章 性風俗こそ江戸の一大文化 第3章 「フーゾク都市江戸」をのぞく 第4章 江戸発、「性」の事件簿 <内容> 江戸時代のさまざまな小説などを題材に、タイトル通り、下半身事情を赤裸々に語ったもの。語り口も優しく、下々の話がよく分かる本でした。 逗子市立図書館
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巻末の参考物件の膨大さに驚く。新書だから読みやすさ重視な感じで、詳しい人には今更感があるかもしれない。 だが、時代小説を読みたいけど、苦手だった日本史で習ったことも忘れてるし、時代劇映画もTVドラマも見ないしなあ、という私にはこういう性風俗から入ると、あら不思議、ハードルが一気に低くなって取っつきやすい。 当時の女郎や娼妓は(性病予防の意味での)コンド-ムも性病が完治する抗生物質もなかったので梅毒罹患率が…という辺りに(言葉本来の意味での)鳥肌が立った。陰間も女郎も所詮は人身売買、しかも激安、って悲しい話だよなあ。現代に生まれて良かったかも。 時代劇のお約束や江戸時代への極度の美化が実はそうじゃないですよ、と淡々と綴っていく語り口ににシビれる。 永井さんの時代小説、俄然読んでみたくなりました。
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時代作家の永井氏が江戸時代の庶民生活関係の史料を蒐集して、江戸の下半身事情に迫った一冊。 内容は史料に記載されている下半身事件簿を紹介していく。周縁身分の遊女の事情や江戸の町長屋での男女の房事、男色専門の陰間など視点は多岐にわたる。 女郎買いの場に、吉原や岡場所、宿場の女郎屋...
時代作家の永井氏が江戸時代の庶民生活関係の史料を蒐集して、江戸の下半身事情に迫った一冊。 内容は史料に記載されている下半身事件簿を紹介していく。周縁身分の遊女の事情や江戸の町長屋での男女の房事、男色専門の陰間など視点は多岐にわたる。 女郎買いの場に、吉原や岡場所、宿場の女郎屋、切見世など様々な種類のものがあるということも知ることができる。 江戸の性事情をおおまかに掴み取るのには打ってつけの本であろう。 ただし、事例紹介に終始している点は残念。
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三浦しをんの書評本「本屋さんで待ちあわせ」で紹介されていて読んでみたいと思った本。他の方も書いてあるように、作家さんが面白おかしく書いているというよりは、研究者が一般向けにわかりやすく解説しているといった感じ。 今まで謎だったことや、知らなかったことがわかり面白かったです。個人的...
三浦しをんの書評本「本屋さんで待ちあわせ」で紹介されていて読んでみたいと思った本。他の方も書いてあるように、作家さんが面白おかしく書いているというよりは、研究者が一般向けにわかりやすく解説しているといった感じ。 今まで謎だったことや、知らなかったことがわかり面白かったです。個人的にはもっと文献の引用や深く掘り下げたところまで書いていてくれたらよかったのになぁといった感じ。
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江戸の風俗文化を書いた本。タイトルで想像するよりも、けっこう淡々と事実を書いていく感じ。いろいろと興味深い。こういうのを読んでいると、今の時代の価値観とか、貞操観念とかって、たったの百年かそこらで出来たものに過ぎないんだなぁ、、と気づきます。
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三浦しをんの書評から。江戸の風俗事情を書いたもの。面白かった。いろいろ研究してる人がいるもんだ。最後の章の事件簿なんて、ほんとかいな、というのがたくさんで。馬にあれを食いちぎられたとか、心中して抱き合ったまま水死体となった男女を船で見世物のように見に来る客が絶えなかったとか。しかし、返す返すも身売りされた子ども達はかわいそうだ。男色も昔から一定数いたそうで、そうなんだろう、と思う。しかも身売りできる時期は女の子より早い時分からで、かつ、期間も短かったとか。そうなんだろうなぁ。やっぱ、時代はよくなっていると信じたい。
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