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お腹召しませ の商品レビュー

3.8

33件のお客様レビュー

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2023/06/18

うぬれ、竹中平蔵。こんなところに迄でしゃばりやがって。斬り捨ててやる。 「お腹召しませ」 表題作を途中迄読み進めたところで本書が行方不明になってしまった。何処を探しても出てこない。まぁ、その内、出て来るだろうと高を括っていたら案の定、引っ越しの際に見つかった。 史実をベースにし...

うぬれ、竹中平蔵。こんなところに迄でしゃばりやがって。斬り捨ててやる。 「お腹召しませ」 表題作を途中迄読み進めたところで本書が行方不明になってしまった。何処を探しても出てこない。まぁ、その内、出て来るだろうと高を括っていたら案の定、引っ越しの際に見つかった。 史実をベースにしたフィクション「安藝守様御難事」は主人公の浅野安芸守茂勲と同じく読んでいるこちらも意味が分からない「斜籠(はすかご)」とは何ぞや?分からないまま文字を追って行くのは苦痛で途中で投出しそうになりながらもんとか文末に到達。 浅野安芸守茂勲が 「誰も見てはいないのだ」と悟った場面から斜籠に飛び込むシーンに至りビデオを戻すが如く何回もトイレに持込み読み直してやっと理解。 「女敵討」 「御鷹狩」 も価値感が大きく変わる時代の流れの中でもがく人間模様が描かれていて良かった。

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2023/03/16

安藝守様御難事だけ理解できない。賄賂を隠れて渡す方法はいくらでもあるんじゃないか。それくらい御一新直前の武家社会が歪な進化をしてると言いたいのか?朝の地下鉄でこの話を読んで一日モヤモヤした。

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2021/08/25

「五郎治殿御始末」に続く幕末短編集。 話の前後に自分の子供の頃などのエピソードがあるのが、話の理解の深さを助けてくれておもしろい。(HPの日記より) ※2008.12.12購入@調布Book Off  2008.12.14読書開始  2008.12.20読了  売却済み

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2021/08/17

浅田次郎の小説は初めて読んだ。歳をとったせいだろうか。登場人物の心の機微が分かる。おそらく若い頃に読んでもピンと来なかっただろう。 物語は6つの短編で構成されている。 落語の人情噺のようなプロットで、語り口も落語のようだ。 全編が家と個人の板挟みになりながらも生き方を決断さざ...

浅田次郎の小説は初めて読んだ。歳をとったせいだろうか。登場人物の心の機微が分かる。おそらく若い頃に読んでもピンと来なかっただろう。 物語は6つの短編で構成されている。 落語の人情噺のようなプロットで、語り口も落語のようだ。 全編が家と個人の板挟みになりながらも生き方を決断さざるえをえない侍の話である。こう書くと重々しい小説かと思われるかもしれない。テーマとしては重いのだが、不思議なことにユーモアを感じる物語ばかりである。著者の文体もあるが、死を恐れないイメージの武士が、現代の我々同様の小市民として描かれている点もポイントだ。切腹は痛そうだから避けたいし、惚れた女には会いたいし、知り合いを斬るのは気がひける。 この時代の常識の中で暮らしている武士の中に、こんな小市民的な奴もいただろうな。そう感じてやまない。不思議なリアリティーがあるのだ。 学校で学ぶような正史がある一方で、歴史に名前が残らないような小市民が懸命に暮らしていたのだ。 歴史の足元のリアリティーはノンフィクションでは描けない。なぜなら記録が残っていないからだ。しかし、現実には歴史に残らない人々のほうが圧倒的に多いのだ。だからフィクションというツールが必要になる。 浅田次郎の時代小説はフィクションの意義と力を教えてくれる。

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2019/04/01

稀代のストーリーテラー浅田次郎が自らの幼少時代に祖父母から聞いた話…という枠組みで語られる、幕末から維新にかけての混乱期を舞台にした時代小説6編。枠物語の他に、跋記と称したあとがきでも語られる創作背景が興味深い。 250年間に及ぶ平安の中で失なわれて久しい武士道(もっとも、近年...

稀代のストーリーテラー浅田次郎が自らの幼少時代に祖父母から聞いた話…という枠組みで語られる、幕末から維新にかけての混乱期を舞台にした時代小説6編。枠物語の他に、跋記と称したあとがきでも語られる創作背景が興味深い。 250年間に及ぶ平安の中で失なわれて久しい武士道(もっとも、近年では江戸期にはそんなものは存在しなかったというのが通説のようだが)の有り様を描いた表題作「お腹召しませ」の他、どの作品も、転換する価値観の中で「旧来の価値観に従えばダメな男」が描かれる。

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2018/10/23

浅田次郎の短編時代小説集。 その一話が「お腹召しませ」である。この話は、家格が二、三上から貰い受けた婿養子が、公金200両を吉原の芸者の身請けのために使い込み、出奔。この責めを受けた当主は、上役から「お家、御取り潰しは避けられまい」と宣言されるものの、「詫び状を書いて、腹を切れ。...

浅田次郎の短編時代小説集。 その一話が「お腹召しませ」である。この話は、家格が二、三上から貰い受けた婿養子が、公金200両を吉原の芸者の身請けのために使い込み、出奔。この責めを受けた当主は、上役から「お家、御取り潰しは避けられまい」と宣言されるものの、「詫び状を書いて、腹を切れ。そうすればお家だけは残せるかも知れぬ」といい含められる。そのことを家内や、出奔した婿養子の妻である娘に相談すると、妻や娘は、「孫の為に、お腹召しませ」とあっさり。進退窮まった当主の運命は?

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2018/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

江戸時代末期 大政奉還 この頃の話が一番好きです。「お家大切てえのはわかりやすけんど、そのお家には命があるわけじゃねえんだし住まう人の命あってこそのお家だと、あっしは思うんです。」このひとことがすべてだと思いました。(-_-;) 何をやってんだか…って所が すごくおもしろかったです 江戸残念考が好きです。女敵射は キュンですよ

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2018/03/23

江戸時代末期、武士も戦が、無くなり、平和に過ごしているように見えて、先行きを心配している時代である。 曾祖父から、祖父へと、語られた話が、少し着色している所もありながら、作者、浅田次郎氏が、時代小説の短編集、6話。 どれも、現代の話から、武士の生活への話に、移り変わっていく。 ...

江戸時代末期、武士も戦が、無くなり、平和に過ごしているように見えて、先行きを心配している時代である。 曾祖父から、祖父へと、語られた話が、少し着色している所もありながら、作者、浅田次郎氏が、時代小説の短編集、6話。 どれも、現代の話から、武士の生活への話に、移り変わっていく。 他の時代小説を読むと、この内容は、ありえないようなことばかり。 妻が、主人に、お腹召しませと、言うはずがない。 もしゆうのだったら、家族等も殉死の覚悟であろう。 お家断絶の危機なのだから、、、 神隠し、そして、殿に鼠の糞の入ったすまし汁等、もっての他、、、、と、読みながら笑ってしまった。 女敵討にしても、寝とられた武士の妻とその相手を有り金を全部渡して逃がす等、今の時代でもありえないだろう。 どれもこれもあり得ない話なのだが、この作者にかかると、なぜかもっともらしく、人の好い武士に見えて、つい読み終えてしまった。

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2017/08/09

やはり浅田次郎はすごい… 物語も絶妙な機微で描かれていて面白いが、日本語を強く感じた作品。 言い回しや漢字、非常に勉強になる。

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2018/04/09

武士の本義が薄れた幕末維新、戸惑いながらもおのれを貫いた男たちの物語(背表紙解説より)この物語に似たようなことっていつの時代にも当てはまりそうだ。例えば、戦後70年を経て平和ボケした平成末期、資本主義経済に翻弄されながらサラリーマン生活を貫く男たちの物語ってどぉ(笑 価値観の変革...

武士の本義が薄れた幕末維新、戸惑いながらもおのれを貫いた男たちの物語(背表紙解説より)この物語に似たようなことっていつの時代にも当てはまりそうだ。例えば、戦後70年を経て平和ボケした平成末期、資本主義経済に翻弄されながらサラリーマン生活を貫く男たちの物語ってどぉ(笑 価値観の変革期に人々は右往左往するわけ。

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