お腹召しませ の商品レビュー
浅田次郎のお腹召しませを読みました。江戸末期の武士の生活上のエピソードの短編集でした。浅田次郎の先祖と思われる人々の人情味あふれる物語たちでした。私の先祖は、名前はある程度分かるものの、どんな生活をしていたのか記録がありません。先祖のエピソードが想像できるというのは羨ましいですね...
浅田次郎のお腹召しませを読みました。江戸末期の武士の生活上のエピソードの短編集でした。浅田次郎の先祖と思われる人々の人情味あふれる物語たちでした。私の先祖は、名前はある程度分かるものの、どんな生活をしていたのか記録がありません。先祖のエピソードが想像できるというのは羨ましいですね。表題作の「お腹召しませ」は、娘婿の不始末を収めて家を守るために、母親と妻に切腹を迫られてしまう下級武士の物語でした。私も早く帰る日が続くとカミさんに「大丈夫?リストラされたりしないよね」と脅かされてしまうので他人事とは思えません。
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浅田の短編は苦手なのですが、これはなかなか楽しかったです 残念!がけっこうニヤニヤしてしまって…好きです。
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浅田さんは一つ一つのシーンを重視し、どう書けば最も読者に強く訴えられるかを必死に考え、描きこんでいく作家さんのようです。この為、個々のシーンは見事なのですが、長編小説を通して見た時、何か辻褄の合わなさを感じることがあるのです。 蒼穹の昴も壬生義士伝も面白い作品です。でも、私にはそ...
浅田さんは一つ一つのシーンを重視し、どう書けば最も読者に強く訴えられるかを必死に考え、描きこんでいく作家さんのようです。この為、個々のシーンは見事なのですが、長編小説を通して見た時、何か辻褄の合わなさを感じることがあるのです。 蒼穹の昴も壬生義士伝も面白い作品です。でも、私にはその主人公を捕らえ切れませんでした。読み始めに得た印象と途中での印象が違ってくるのです。そして読了後には、どうも釈然とし無いものが残ってしまうのです。 ですから、私にとって浅田次郎は短編作家。 この本の中には6つの短篇があります。いずれの作品も、祖父から聞いたという形式を採り、聞いた時の状況を描く前説があり、本文があり、締めの後説があるという形です。そういう形は「天切り松」でも採用している得意の形式ですね。 人情有り、滑稽有りでなかなか良い話です。安心して読めます。でも最後の一篇が。。。悪い浅田さんが出てしまいました。その分減点です。
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