青梅雨 の商品レビュー
文章がすごい。無駄がなく読みやすいのに重く染みる。特に、「冬の日」、表題作「青梅雨」の一文一文からわき出てくる悲しさったらない。 でもたまにオチが意味わからない…
Posted by
小林秀雄さんが「日本人にしか書けない」とおっしゃっていたので読んでみました。何となく、その意味が分かった気がします。
Posted by
「狐」「そばやまで」「枯芝」「名刺」「電報」「私の眼」「快晴」「灯」「蜜柑」「一個」「しりとりあそび」「冬の日」「青梅雨」全12篇 じっくり腰を据えて読むべき本だと思う。 人生の小さな場面を覗き見したような気分。人物同士のちょっとした会話からその人間関係や背景が浮かび上がって見え...
「狐」「そばやまで」「枯芝」「名刺」「電報」「私の眼」「快晴」「灯」「蜜柑」「一個」「しりとりあそび」「冬の日」「青梅雨」全12篇 じっくり腰を据えて読むべき本だと思う。 人生の小さな場面を覗き見したような気分。人物同士のちょっとした会話からその人間関係や背景が浮かび上がって見えてくる。文章に無駄がない。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「灯」が一番好みかな。なんとなく気に入らないってあるよねー。 あと好きなのは交通事故の「名刺」と娘婿の再婚で引っ越す「冬の日」かな。 時代背景が古いけど、45年も前の小説とは思えないほど読みやすかった。
Posted by
私にはひょんなことがきっかけで親しくさせていただいている朗読家の友人(女性)がいます。 一昨年の定期朗読会の前にお会いした時 「次回は何を朗読されるのですか?」と尋ねると 「永井龍男の冬の日を選んだのよ」と はて、永井龍男? 聞いたことがないと言う私に じゃぁち...
私にはひょんなことがきっかけで親しくさせていただいている朗読家の友人(女性)がいます。 一昨年の定期朗読会の前にお会いした時 「次回は何を朗読されるのですか?」と尋ねると 「永井龍男の冬の日を選んだのよ」と はて、永井龍男? 聞いたことがないと言う私に じゃぁちょっとだけね、と言って冒頭部分から全く個人的な朗読会が始まったのです。 その触りだけでも私の心をぐぐーっとひきつけるものがあり、 「是非続きを」とせがみましたら この本を貸して下さいました。 短編集です。 【冬の日】 というのは死んだ娘の夫と孫の世話をするために同居を始めた「私」が 娘婿と関係をもってしまった‥。 先のことを考えて離れていく決心をした「私」が 家を出るにあたって荷物の整理をする、ある年の暮の二日間のお話 こんな濃厚なお話を短編で思い切りよくまとめあげられる力量に驚きます。 登場人物は「私」と訪ねてくる娘婿の先輩一人だけ それなのに隠れた人物の姿がはっきりと感じ取れ、主人公とそれらの関わりがまるで見たかのような感覚になります。 自ら苦しい選択をした「女」としての姿に物語の終盤は鳥肌が立つほど。 むすびも素晴らしいの一言です。 その他の短編もどれも読み応えがあり「文学」を感じさせてくれました。
Posted by
日本語の短篇集の精髄なんじゃないかと思うくらい美しく、切ない余韻を残す作品。 ドラマチックな展開があるわけではない。淡々と日々を生き、そして死んでゆく市井の人々の暮らしが静かに、少ない言葉で綴られている。マイナスの美学、と言うとなんだか馬鹿みたいだけれど、ほかにうまい言葉が見つか...
日本語の短篇集の精髄なんじゃないかと思うくらい美しく、切ない余韻を残す作品。 ドラマチックな展開があるわけではない。淡々と日々を生き、そして死んでゆく市井の人々の暮らしが静かに、少ない言葉で綴られている。マイナスの美学、と言うとなんだか馬鹿みたいだけれど、ほかにうまい言葉が見つからない。 表題作「青梅雨」は一家心中を決意した家族の、死ぬ前の一夜が描かれている。それぞれに用事を済ませ、少し良い着物を着て、少し贅沢をして、何もないように振舞い、居間に集う家族の様子。誰も死の話題には触れなかったけれど、最後に養女が発する一言が、とても人間くさくて胸が締め付けられる。 他のお気に入りは、「灯」「蜜柑」「一個」「冬の日」。
Posted by
ぬかのような雨が降っている。秀逸な題名だと思った。 随所で千三とひでの夫妻と養女の春枝との距離感が伺える。作品の終盤で春枝だけが涙を流すが、それは春枝の若さからではなく、ともに死ぬ家族との間の距離感のためのようにも感じた。
Posted by
<poka> すばらしい短編集です。 文章は無駄がなく、一分の隙もなく、しかし堅くなく、わかりやすく、まさに名品です。 何度も読み返したくなる数少ない作品です。 <だいこんまる> どうぞ暗記するまで読んでください。
Posted by
表題作の青梅雨読みました。 最初が新聞記事から始まっているのが珍しくていいな、と思いました。 そして、死ぬということをみんな覚悟している中での一挙一動が深い感じがしました。
Posted by
- 1
- 2